万霊節の夜
名残りの夏の 季節の扉をしめる今宵
ここはいずこも
森の精霊の異形の獣たちに
あふれ
さまよう
Trick or treat
Trick or t ....
○「歳月」
歳月人を待たず だ
今年もあと二月
暦に向かいて言うことなしだ
○「動いて考える」
人間は動物だから
動けば脳も働くようになっている
考えてから動くよりも
動いて考える ....
あめ色のクモの子、
尽きることがいちはやく約束された、
はかない太陽の子、
古い階段の手すりに金色の糸を垂らして、
もうほとんど冬にちかい、
まばゆい晩秋の陽に透けて、
とてもちいさくかが ....
友達の死体を探している
死臭に耐えながら蝋燭をかざして
権力が被った正義の仮面に
喉を掻き切られたらしいんだ
血を流した空
明けそうにない明日
無邪気の死体が積み上がり
燃やされて天 ....
図書館へ
向かう時間がしあわせな
ポッと咲いてる小花をみつける
嘆かない
何年まえから誓ってる
恐怖も知らない無念も知らない
ほんとうの
心の光がみえたとき
君 ....
青く発光する塊が、
美しい水で鎮められる
影のない真昼、
明るい夢の瓦礫から
神々の失敗のかけらを拾う
穢れた土を、
いくども水で洗い流す
その水がふたたび海へ還る
....
おはよう世界
おはよう世界
ってもう歌わない去年の一年草たち
今はどこに
私はそのどこかへ行きたい
キリン
あの日 子守唄を歌って暮れたのは大好きなキリンだった
....
故郷に帰るも
人も町も変わり果て
あの頃の故郷は今はない
あの田んぼ
あの空き地
あの店
あのクラスメイト
あの空気
あの関係性
もはや記憶の片隅にしかない故郷
なんだかよ ....
今宵 上弦、白銀の半月
すぱっと夜空に切り取られ
何度も写し取られ来た
時の打刻、垂直に
イノチのチカラの
絶えること無く
宇宙エーテル透かし彫り
思考力動が私の脳髄踏み
....
素直な気持ちで口づけたあと
大きな影が現れ
ふたりの前に舞い降りた
全方位から飛んでくる
砲弾は払い除けて
連れていってニケ
問題も障害も乗り越えた
愛に満ちた日常へ
....
○「夫婦喧嘩」
夫婦というものは
近すぎるゆえに
相方を傷つけてしまう
特に退職後はそうである
夫婦円満のためにも
仕事は可能なかぎり続けるべきである
○「新米高騰!」
今や新米は ....
感触の変わらない物ばかり見せられて
満足を刷り込まれている
見てもいない物を滑らかな舌触りで
「それはフェイクだよ」と得意げに
いつからだろう
ポーカーフェイスな言葉で
ベイビ ....
出会ったのは公園の芝生だった
不思議な笑顔で空を指差し
無は確かにあるだろう?と話しかけてきた
晴れたある日には
降り注ぐ陽射しの中で
いつも持っているトランクの
小物類を少し広げて
....
荒涼と大雪原
垂直に落ち来る盾、
何ものにも靡くことなく
打刻される時の 最早誰も居ず
私ひとりの魂 ひとつ、
思考流動の奥底から
白銀の光り輝き出る
上弦の夜 呼び込みつつ ....
茜音に滲む今日のうた
滲む私の今日
さよならの藍で覆い隠し
灯す明かりの 作る
心許なさにまたは手に迫ることも
なしに船内と悟るばかりの
星のみ売る 宙に浮かぶ水 ....
○「世界」
僕が死んだら
世界は終わる
○「僕たちはどこへむかっているのだろうか?」
僕たちは
死へ向かっている
世界は
絶滅へ向かっている
○「適応」
朝夕の冷え込みが
....
どの人にも
一途な恋ボコろを抱けないままに
私の心を占めイェ来たのは往時の少女だった生きる糧であり源泉であり
何もかもの全てだったと
今振り返って見ても
私は少女にとってあるべき私で ....
青く青く透ける
魂は
この
体と
共にある
喜びと
悲しみで
脈動する
いのちなのだ。
星
に
引かれる
大切な
こころの
傷の
記憶
(不安は尽きない)
(けれ ....
かぜのつよい日の、
晩秋の白い寒空のした、
剝き出しのコンクリートの壁に、
ただじっと、
垂直に命(いのち)している、
垂直に命(いのち)している、
冬、
という死の季節がきわめて近づい ....
きっとそこには、母のような温かみがあるんだろう。
その微笑みも、その恥じらいも、その芯の強さも。
誰かが汚したとして、
揺らぐことは決してない。
それが妬ましくてーー
頬をわずかに紅潮さ ....
ぽぉんぽぉんぽぉん
柏手三つ打ったなら
響き光り放ち映像となり
まぁるいまぁるぅい
円を描き返って来
肉のぶつかり戦う音
ぱんぱんぱん
掌魂の交わり喜ぶ音
ぽぉんぽぉおん
ぽゎぁ ....
ぷっ・ぷっ。と
西瓜の種を飛ばしては
赤い果実を食べ尽くす
夏休みの昼下がり。
畑から帰った父が
もぎたてのとうもろこしを
大鍋で茹で始めたので
私は大きな声で言った。
「茹で ....
地球は今日も回り続ける
1時間に40,000kmのスピードで
ジェット機の2倍のスピードで
今、目まぐるしく回ってる
そう、僕たちは宇宙旅行をしてる
地球という乗り物 ....
何を見ても聞いても
満たされない
渇きが消えない
これが現代の病巣
欲望に身を焼いても
疲弊した心と身体が残るだけ
自分の殻に閉じ籠もっても
欲望は消えない
外に出て
みんなと幸 ....
それはぼくの口をついて出たけれど、そのたびにまぎれもない呪いとしてできるだけ離れたところへ遠ざけ、忘れようとした。もっとも不当な予感だったし、書きつけることによって、それが現実のものになるのを恐れた ....
自分の内側の環境
野生の声を聞け
大自然に撒き散らした
添加物の染みを抜くのは
簡単じゃない
それでもやってみるしかない
野生の発掘
問題が起こる前の
想像上の恐怖
そんなものは ....
少しずつ景色は冷えていく。
眺めた窓から見える景色は
徐々に白く靄がかったように曖昧になる。
凍えるような街の空気に
誰もが逃げ出そうとしている。
彼等は何処に向かうんだろう?
そ ....
○「あてにならないもの」
確かなものは
母親の胎内だけ
あてにならないものは
僕の心
僕は確かなものを求めて
今日も野良犬のように
ほっつき歩く
確かなものは
母親の胎内だけ ....
さまざまなモチーフをちいさな
お花畑のように語りましょう
好きな言葉を心に詰め込むことで
いっぱいの幸せ気分になれるから
からみあった糸をほどいて
ほんとうをみつけてもいいん ....
会いたいあなたがいる
今日いる
今いる
けれど
会えないあなたがいる
今日いる
今いる
今日の意MSの子の風の吹く夢の中に
嬰児の海
夕日はきっと解けるように
....
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