新月の
夜陰天空
太りつふと
現れ上弦の
半月へ向かい
少しずつ形なし
よりふっくらと
夜月の充ちて
丸くまぁるく
円を描きて
白銀の輝き響き
放ち奏でる迄に
然るべき ....
弥生生まれの小鳥の日々は
父母恋しい空でした
弥生生まれの菫の日々は
暴雨を忍ぶ詩でした
弥生生まれの人の子の日々は
シチューが好きな幼子でした
弥生生まれの風である日は
....
思いがけず声をかけてもらった
その一言に胸を目頭を熱くした
大切に心で育てたあの日の感情は
言葉では言い表せない
未来からの自分の声を
しっかりとキャッチして
今の自分にリンクさせる
....
なにを云うつもりもないけどね
株価が五万円台に乗ったとか
東京では中古マンションも億ションだとか
なんだかあの頃のバブル時代を感じるひとも
少なくないはず
テレビでは
....
ご飯を茶碗によそり
雨が言葉になると
薄暗い都電は
速度を少し落とした
アナログの路面
壊れた手続きの
続き
途中、メキシコとの国境で
和歌山県の破片を拾う
和歌山県になりた ....
私何も見えなく開くなればいいのに
聞こえなくなればいいのに
言えなくなればいいのに
感じなくなるのが一頭いい(例えば空腹)
そんなことばかり考えるカケスは
カケスの中でも異端 ....
弱いことは悪いのだと
固く信じた春がある
疾しい心は病んでいると
騙されかけた春がある
そこにはじぶんなんて
これっぽっちもいなくて
そうやってじぶんを騙してゆく ....
しっとりと濡れ開いて
桔梗の花の紫、いよいよ艶めき濃密に
しょぼんと萎び項垂れて
桔梗の花の蒼白、いよいよ掠れ薄れいき
秋、冬、春、夏、
秋、冬 そうして春へと
円環を閉じては ....
心はどこに在るのだろう
心は海に在るのだろう
今朝の静かな潮では
私が時を遡り
大人の靴を履いたまま
探しているのは子守唄
すでに無数のお魚は
シャンパン色の夢の中
....
東の海
三月もまだ
やがて/光
訪れる 明日の
その故郷に
私の椅子はありますか
それは幼い子供用の
やがて
私花を怯えますか
戴けて 悟る ....
ファミレスの順番待ち
呼ばれたと思ったら
また中で待たされた
厨房は戦場
カチャカチャカチャカチャ
席に案内されても落ち着かない
ドリンクバーはグラスもカップも無い
押し寄せた俺たち ....
ここ一週ほど多忙だったが、悪天予報の今日は勤務仕事の事業所は休みとなっていた。
夜は比較的よく眠れ、夜明け前だったが登山口の管理棟の清掃に向かった。あいかわらず、クサギカメムシたちが越冬にやって ....
○「駐車場」
スーパーの駐車場は
僕の田舎の高齢化が
よくあらわれている
ふらふらしながら前屈みに
歩いている年寄り
買い物カートに寄りかかりながら
歩いている年寄り
こすりキズつき車 ....
{引用=
白のなかの白、のなかの白。のなかの 白、白。白という色彩。 白、光線と あわい影、と白、のなかの白、白。白色光のなか、白と 風と、光と、白と、砂のなか。白。淡い色彩 白色の塗料。白、のなか ....
黒に青が混じって 紺
夜に空が混じって 海
髪と瞳が混じって 睫
うちの眠った 場所はどこ
約束のトンネルに咲く花の色
ちいさな嘘を薄めたら もっと哀しい
泣いた朝を薄めたら もっと止ま ....
朝、西の港にちかい道路で白いセンターラインから少しだけずれて、一羽のカモメがその羽を閉じながら蹲っている。前方に何台か続いている自動車がほんのすこしだけハンドルを切りながらそれを避けてゆく。寿命なのか ....
道を間違えて迷い込んだ学生街
近隣でもっともお安かったから入ったのだ
その店の名は「クマリマー」
大きな窓辺にガネーシャが並ぶ
とてもすいているカレー屋さんだ
最近の学生は裕福なのだろうか( ....
忘れられた
未来を
予感する
思い出の
果実は
見守っている
どの道終わる歩みを
一歩一歩
大丈夫だよと
終りまで 終りまで。ああ
人類は
何万年もの大昔から
争いをやめな ....
ひとり
またひとり
命を消した
シャボン玉のように
まだ子供だよ
多くの人が気付かぬ裏で
屍が積み重なっていく
話を聞いてくれる人がいたら
問題を解決してくれる人がいたら
い ....
色づき色あせて
歌うように踊るように
散る 桜の葉
どの葉も負けじと
秋風に身をまかせ
散って 散りつもる
もうすぐ雪が降る
降って 降って
降りつもる
こどもらの歓声も
臨終 ....
全ての果ての全ての果てを
物凄い速度で追い越し
光の街路を遡り
取り囲む風のチューニング
避けようもなく吸い込まれつつ
意識の奥の奥に自ら敢えて入り込む
★
いつしか此処 ....
夢の中で 夢を見た
眩い陽光が私を包んで
小鳥が私に歌を歌って
あなたが私の隣に佇む
夢の中の 夢から覚めて
陽の差さぬ部屋にいました
小鳥の声はとっても遠く ....
自分の弱さを隠したくない夜がある
誰かのせいにして誰かを求めている
そうやって明日のパズルを組み立てながら
崩れそうな不安を積み上げている
ガードレール越しで携帯を覗く子
....
巨大なるもの暴走する
わたしの頭のなか
知らない私の真っ白な視界
廻り巡り廻り巡り
次第唐突
つぅうと垂直
舞い落ち流出する
萎びつつ在る物抉り出し
もう用済みだと 、
....
キスをしたい。どんな。夜の水滴のような。
短い呼吸と音楽。それは部屋かな。
きっと部屋だろう。個人的で親密な部屋。
わたしはきみと初めてだ。初めての夜。
窓は薄く部屋の明かりを消したら ....
ギターが欲しい
自分の詩をお気に入りのコードにのせて
大衆の前で歌えたなら
どんなに気分がいいだろう
好きなことが何か
教えてくれた
いつか君と一緒に歌いたい
どうして空が青いの ....
突然の電話で私の詩を褒めちぎる
たまたま同人誌への掲載作品を読んで
ここがこう素晴らしくて感動しましたと
その批評は見事で褒められて嬉しくて
こちらもデレッとしてしたところで
この詩を多 ....
裸の枝に実る柿
菊西 夕座
季節が頭をめぐらせて仰ぐ空へと囁くたびに
懐かしさは生まれた日の ....
つたのお家は さびしいね
枯れ葉が ほろほろ はだかんぼう
秋のお庭は さびしいね
のこったアサガオ ひとりぼっち
月夜のデッキは さびしいね
子猫が 母猫おも ....
閑散としている通りの端に
通いなれた立ち飲み屋がある
店主の女将さんは愛想がよくて
ついつい飲みすぎてしまう
術中にはまっているようだ
ふと奥に目をむける ....
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