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 違和感が好きだ。じぶんの居場所をグラグラさせてくれるからだ。違和感をそのまま受け止めきれず、じぶんの中で正当化するとき生まれる摩擦熱で焼かれそうになる感覚がすごく好き。おれが俳句を好きでいて、かつそ ....  前回は自殺した赤尾兜子のことを書いたので、ついでにもう一人の自殺した俳人のことを書いておこう。飯島晴子である。このひとも自殺した事実が先に立っちゃう作家なので個人的にはその点においてのみ強烈にキモッ ....  俳句は嫌いだった。川柳は言わずもがなだった。こういった含みたっぷりの自己紹介から入るほど崇高なことを書こうとしているのでもないし今でも割と俳句の未来なんてどうでもいいと考えているけれども、じぶんが好 .... {引用=
祖父死亡 十一月八日

長針目に焼き付く伸びよいいと言うまで

火口は目玉の痕祖父よここでも這いずったな

立つ遺族の脛に脂がこびりつく

夜露散る宇宙は傑作だが疲れる
 ....
着物が冷たい随分遠くに靡く笹舟

壁焼いて嘘はお嫌いでしょうから

吹雪き明けて紙の破れ目に靴底合う

打ち伏して銀の祭りの幅を書く

シャツ山吹内部に柳として背骨

歩く牛の波紋 ....
聞こえる穿つ音星空に連結する

鴫死す幾たびかは女の群

戸がある不埒な佇まいに兎の介在

風に晒す砂の柩の航路に蛾

雑な渓谷横たわる眼の下から吐息

疾く運ばれ溶ける緑脳裏で阻 ....
三度の飯を三角に並べて呼ぶ声

水張る桶に垂直に竹槍背後尖らせ

ナッツ噛む海辺は巨大な透明な墓

迂回して絶える血筋の脆い煮沸

傘潰したトンネルに死後鉄パイプ詰めに

泡に寄せ ....
まじない交わす曲がり道射す日とがらす影

振り子の振り幅そっくりに積むごみの管

鴉の纏う銀朝焼けの一カ所に脱ぐ

家族ローソク持ちビルから材木突き落とす

有無の調べが聞こえる窓辺の ....
降り出しにうずくまる背を滴る石

姫が繊細なこころを殴っておしまいにする

ビル食う 草の巨人 林業はさぞかし

火の元に花咲き火の粉が列なす河

泡雪崩平野で拮抗する海女へ

叔 ....
水打たれ倒れる薪 街の火がゆらゆら

反射面多彩に円をえがき地階の水

風に旗食蛾に耽る部下隠す

意中の目からビーム・矢印・分母より増え

鮮やかなトラック走査線で歪む

薪割り ....
のちの世に現る大つむじへ遷都

空洞に発律した胸開く響き

絞め終えた腕青紫まだ蕾

円盤消ゆ数年後の同じ景色へ

生命に結ぶ糸縦穴に垂らす

白夜の森に吊られたくす玉鈍く映る
 ....
列につく羽ある係から鶉

時雨の色を尋ねられ戦慄く銀行前

舟作り海ひけらかしに発つおとつい

鳴きもせず竃のそばをうろつく山羊

産卵終え肩からだらんと垂れる鳥

染めたての布か ....
蜃気楼の港に棲む体毛薄き猿

鍬を捨てる恥じらうほど山が近い

水面に枝吸う葉また葉の降る音

遠方のドアノックするシャボン玉

花の籠実は籠売る籠売りも籠

造天の深みに澱む書の ....
牢の革の袋に乾く舌を出す

木がみしみしと呟く 月齢を取り込み

雑居する密度が裾野となる火山

激流林を抜け竹を燻す夜明けに突っ込む

不燃の沢の正体見たり束の伝票

岩抉れてバ ....
騒ぐ火空に馴染み食む噴出口を北に

板張りの床反り返る双子を抜け

憂えば街は閉じられ日没後の表紙

工場の窓に万力つけ口吹く

ビン持つ手と逆の片目に格子戸ひらく

字も画数もや ....
打ち砕く岩の欠片の偶然も打つ

波よ波よ死せばただならぬ鼓動

車が停まっている棚の本の空いている床

傘を置き円筒ばかりの市に立ち会う

人魂を避け街の橋踏み外す

土の色彩眺め ....
では離れる。手術痕に最後の一文を貼る。セロハンテープで。もちろん透明な窓。鉄条網を抱えて、それは引き剥がした。他人の手が隣の座席に。手以外は手紙の一文に添えてある。

電報はこの瞬間にも心臓を青く ....
一説には窓である茎暮れだす町

うつむけば夜の野原ひとり歩く誰

消えねば風鳴る 消えても風になるばかり

足首しか見えぬ石段からコップ

鏡からせり出す背中森に行きたい

塩の塊 ....
雨を待つえぐれた頬塀から突き出し

銀河身の投げようもないほど暗い

影ひろい大木おもう紙のこと

大円盤の片鱗星座と触れ合い光る

裾千里ほども隔たるぼくとほか

ずっと昼ハの字 ....
瓦礫と郵便ポスト白く白く輸入

歩み寄る 影で谷底汚すべく

伝え聞く神話の沖にブイひとつ

島に立ち残像から残像見下ろす

和紙の空二重に見え足首から見た

まだプールに飛び込む ....
篝火に最高齢の降霊祭

天秤の受け皿になぞられた跡

白昼に銅絡め取る蔦の息

膝の海部屋に広がり旅客立つ

口述の街は一個の倉庫黴びて

心臓漂う海岬見え低温の牢

もてなし ....
四角い仕切りから踊ったままの少女サークルへ

供物の書開く度開く音疼く疼く寺院

接続部位死ねば友の思考に割り込む糧

湿布の群が河となり流れる岩沿い

市が粒に見える坂の天辺から粒
 ....
柱研がれて朝焼けの六対になる

思い出の本に無くした腕の跡

肺に達する狐を揺らして教会に行く

重い気泡徐々に浮上し階下で弾ける

熊の手を熊から降ろす階段長い

だれもかも老い ....
透けるまで薄着して森のわたしためす

集まる紙風を背中でせき止める

不審な針を持ち歩く動きを落日に焼く

筆跡集う闇市に服着せて隠す

雲が昨日工場を飲み子供らの嘲笑

羽根付き ....
港で毛並みのいい犬が火を吐いている

母屋の息苦しさと隣り合わせ箪笥軋む

茂みの兵に気付かず船膨らみ撃たれる

揺らぐ門の前に立ちペットボトル覗く

細かい交差の中火となる鉄幾重に伸 ....
砂巻き上げ騒ぐ海ひたと光に遭う

ラジオ壊れて六歳児の名を呼び続ける

指の腹を故郷に向けて押しとどめる

雨に濡れた前髪に目と水たまり

本当は白い青葉を冬に透かす

怯える者の ....
鏡のない部屋で山火事を知っている

三角の絵の前に浮く栓から泡

においする村を静かに人呼ばわり

土壁に脆い鴉が鳴いている

空席の朧に縋り尽くす妻

友の内側に鳴り響く湖底があ ....
通知玄関に溶けている朝の日差し強く

うなじ洗う何も言わず 砕けてゆく舟で

縦に長い穴ですれ違うぬくい犬

息整う窓にうなだれ来る竹林

海に近い頬へ甲羅の痕つける

白日に広げ ....
パネルの群れ従え死す鳥パネルは北へ

公園にノコギリ引き右肩に担ぐ

模型都市あらゆる白い布以外

鉄降る夕方ガス立ちこめ手探りの赤目

眠りを這う温い蛇舐めた目さめて黒

ふめつ ....
心臓の裏から散る紙吹雪赤

時差で今発煙筒を挙げている

刺した画鋲の並行世界で画鋲抜く

引き裂く手の感覚思う丘の上

人魂がある草原はずっと青

何を思えば月のように浮かんでい ....
本木はじめさんの黒川排除 (oldsoup)さんおすすめリスト(105)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
川柳が好きだから俳句を読んでいる(9、安井浩司のこと)- 黒川排除 ...散文(批評 ...314-2-26
川柳が好きだから俳句を読んでいる(4、飯島晴子のこと)- 黒川排除 ...散文(批評 ...113-3-9
川柳が好きだから俳句を読んでいる(1、野村満花城のこと)- 黒川排除 ...散文(批評 ...413-3-8
祖父死亡- 黒川排除 ...川柳312-11-8
あかるい兄- 黒川排除 ...川柳410-4-19
採通- 黒川排除 ...川柳108-12-26
Yukiga_Futte_Uresii- 黒川排除 ...川柳208-11-21
息吹の質量- 黒川排除 ...川柳208-10-29
四属は重ね着- 黒川排除 ...川柳308-10-18
薪薪曜- 黒川排除 ...川柳208-10-4
九月炉- 黒川排除 ...川柳2*08-9-15
- 黒川排除 ...川柳108-8-7
うたぐりよせる- 黒川排除 ...川柳408-7-11
アマノメアグレ- 黒川排除 ...川柳108-7-9
砂着き場- 黒川排除 ...川柳408-6-18
0mm漁礁- 黒川排除 ...川柳108-6-5
座礁- 黒川排除 ...自由詩408-5-25
祖父粗大- 黒川排除 ...川柳308-5-14
転じて歩測- 黒川排除 ...川柳308-5-7
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清音とまがりくるもの- 黒川排除 ...川柳408-3-25
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キキキ- 黒川排除 ...川柳308-2-25
ほのおのおの- 黒川排除 ...川柳308-2-20
かたがなしい- 黒川排除 ...川柳708-1-30
金属曲- 黒川排除 ...川柳408-1-17
aoioui(青い王位)- 黒川排除 ...川柳107-12-31
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受動パラレル- 黒川排除 ...川柳607-12-20

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