すべてのおすすめ
青ざめた薔薇の横貌
月を相手にパントマイムするアルルカン
時計塔の溜息
幾重にも自己複製する記憶
仄昏いカルテ
見えない翼の天使
森の浮遊
虚空を音もなく走る硝子の列車
白い小鳥が描か ....
置き忘れたのは
誰の気持ち?
なくしてしまうと
だめになっちまうから
はやく見つけないと
なくしっぱなしで
遺失物置き場に
うっすらと
ほこりをかぶってる
そ ....
春色慕情
無関無色といえること
五月の夜に悟れり
本を買わず
本を失わず
酒食を節し
心の赴くさまに
生きて禍なし
完成はせず
技を磨かざるべからず
常に研さんして
....
何にも考えることの無くなった街で、自分に色々なことを考えている思いがするが、忘却することの無い瞬間を求め、けれど僕はさまよい続け、歩かさせられた。どんな料理を作るにしたって、四角の中に具をつっこむだけ ....
ちーちゃんは縞々が好きで好きでどうしようもないぐらい好きで
縞々を見ないと恐怖に陥ってしまう
奇病にかかってしまったんだよ
だから
いっつも着てる服は縞々のシャツ
で
縞々のズボンと靴 ....
日曜日 桜ははけて 古城を囲うお堀の濁水が媚びさえ売らずぬるく照り返す水面の気がよく晴れた正午すぎ
ごくごくささやかに 家庭的なもののなぐさめを求めてスーパーマーケットへペダルを漕いで行く
わ ....
いかなる根拠によるものか
今日が終わりの日だと分かった
朝日が昇る前
空が浅葱色に縁取られるのを
眺めているうちに知らされた
今日という日が
遠すぎる晴天になることだけは
あ ....
飛行機雲の航跡が
壊されていく
四角い空
紺碧色
天へと続く
巨きな螺旋形のオブジェにもたれ
名も知れぬ女が歌う
くたびれたシャツをまとい
ガラスのビルに閉じ込められた
小さ ....
Gee,rubs you,yeah,yeah,yeah
自慰 rubs you,yeah,yeah,yeah
爺 rubs you,yeah,yeah,yeah,yeah
カアちゃん女じゃ ....
布のなかに
たふたふに埋もれたわたし
手を伸ばすこともせず
のどだけをもち上げて
ことばを向こうに投げていた
ことばはいつしか完全で
組み合わせだけで無限で
それに夢中になる ....
風と分かれて山の頂きを下った
雲に揺られて浮かんでた
ぬくもりに隠れた姿でも
いられなくて
根雪にひそりと 響く
足跡から溶けていく
風は海から共に
重ならないから指をのばし
....
いつの間にか裸足だった
あてのない旅をしていた
気付いたらここがどこかよく分からなかった
草原を目指していたような気がするが
はたしてここは岩ばかりだ
ああそうだ
この頬を ....
眩く目を瞑ってしまうほど金色のメッキ
林檎の赤を恐れ隠そうとするファントム
時の雨は降り剥がれゆくあなた達よ
今度は水を金にして流れゆく行進を
既にあるものの存在を誰が否定できよう
目覚 ....
冷やし飴
蕨もち
小さな漁船と
おじいちゃん
ゴツゴツした
大ぶりの自転車に
おじいちゃんは
僕をちょこんと乗せて
潮のかおり
おじいちゃんの
仁丹のかおり
引き潮の ....
人生 ケ・セラ・セラよ
母の口グセだ
以前のあたしは
母のこの言葉の意味を
斜めからみていた
もっと 真剣に生きろよ
若かったあたしは
そう 思った
いつも一生懸命
....
ちぎられる紙
ちぎる紙
はざま はざま
せめぎあう
扉の前の
やわらかな不都合
光の前の
しじま つまさき
背のびをして しずく
背のびをして 白詰草 ....
四月
{引用=Ape real et p reel
A pull eel Apple wheel}
赤いあめ玉あなたにあげる
あまいあまあい愛をあげるよ
あたしのあんよはあめんぼ ....
故意か否か、“努力”という文字が上半分だけ見えるように放ってあったメモ書き
条件反射に背けた視線で過敏に“怒り”をそうぞうした
母ひとり子ひとり、テーブルと椅子のいびつな互換関係に、穿った ....
1
霧に包まれた類人猿の咆哮は
全ての言葉を包み込んだ
異様な振動を部屋の中に持ち込む
全ての言葉は何の目的で語られているのか
不明
類人猿は苛立 ....
林檎のかおりがする 天の河
もう随分と走ってきた
星へのひとり旅
白十字も恐竜の化石の海岸も通り越し
鳥を獲る人は、とうに降りてしまったし
銀のすすきの野をみるために
列車の窓を開 ....
勤め先近くに珍しい衣装を扱う洋服屋さんがある
どんなのかっていうとお笑いの人とかが舞台で着るようなやつ
スパンコールちりばめられた真っ赤なベストが店頭に飾られていて
開店直後らしい午前中の早 ....
春に迷い込んだ赤とんぼが
ゼンマイをキリキリとうたわせた
ブリキのおもちゃのその中の
ブリキでできた心臓の
あんまりとんぼが赤かったから
ブリキはとんぼに恋をした
おもちゃであ ....
柵に沿って並べられたプランターには
とりどりのチューリップ
此処は白い建物の屋上
見あげる空も白い
其処には半透明の歯車がいくつか
組み合わさってゆっくりと回っている
それらは多分 ....
今夜は神日和{ルビ=カンピューリゥ}
神日和{ルビ=カンピューリゥ}は物忌み
神日和{ルビ=カンピューリゥ}の夜は家の外へ出てはいけない
村の年寄りは若者に諭した
けれど若者は
十三日の ....
薄暗い放課後の理科実験室で
やさしさの裏側を顕微鏡で覗いている
数名の男子が抱く女子への幻想があるかもしれなくて
もしくはどこか悲観的に
いくばくもない生命のおわりが映るような気もして
....
1.c4
跳ね上がり
1...e5
勇み立つ
戦場を舞う兵士たちのうた
2.g3 d6 3.Bg2 g6 4. ....
オレンジ色の明かり、ガソリンスタンド
不確かなテリトリーに取り残された
野良猫の輪郭を浮き彫りにした
初対面のエンジン音たちに
どこか癒される自分がいて
つい、声無く笑ってしまった
....
軽く
手を上げて
じゃあな、って
湿っぽくなくて
酒を酌み交わしているみたいに
涙なんて
似合わない
言葉で
飾り立てたりしないで
空っ風みたく
元気よく
雪下雫 ....
巨きすぎる絵を
照らす拍手
また
照らす拍手
葉の影が
頬から動かない
音なでる指
なでる指
縦の水に沿い
三つの魂が立っている
渦の音 見えぬ ....
■チューリップ
包むように咲く花びらは
遠いむかしにわたしの頬を覆った
大きくて暖かな手のひらに似ていた
誰のものだったかは
もうとっくに忘れた
中に隠れている ....
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