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ラブソング
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重さ
月夜に蝉の終わりの羽音
打ち上げ花火の余韻
声を殺して泣く
身体感覚とたましいが
握手する
風が
薄いカーテンをふ ....
ぼくは 青の発生 図書室のいすに
きみが 手紙を置く 冷たい空気を抱く、金曜日
好きだ be動詞で駆け抜けた週末 決壊する 私
、と思 愛の行き先も知らず 自分の ....
何でもないような海の入り江としての
何ですらもないような亀を抱えている
私が元気なだけなのかもしれない
亀なのかもしれなかった
日の色は流れなのかもしれなかった
仙人を見つめていた
....
葉月八日は身のためゆうて
この日は誰も船出しやーせん
凪いじゅうても泣き見るがやき
昔の昔はほりゃ{ルビ無茶=わや}するもんもおったけんど、
へんこつ、権太が目にもの見せちゃるゆうて
葉月の ....
この草の匂いは
懐かしくない
どこか
遠い所で育った
草だ
この周りの
草ではない
どこか
知らない場所で
育てた
草だ
静かの海
ここはどこまでも静寂な 砂がさらさらと、
乾いた想いを落としていく
初めて出会った日を思い出しては
ナトリウムの大気に
耳をすませる
小さな部屋で聞いた
パステルの紙を走る ....
ほんとうか
どうかわからない月がある
空を見る
隣に見える星は
月にむかって首かしげてる
歩く私の
影も吸い込まれた黒の空気に
命細々
永遠を夢みていた頃の映像を
心に ....
{引用=(自動筆記の試みとして)}
薄っぺらい靴底を通してアスファルトが足裏を焼く。
体温と等しい大気の中、人は噴き出す体液で白い布帛を半透明にして抗えもせず、
仕事に炙られ夏にじっと茹でられる ....
夏休み
坂の途中の煉瓦塀
遊び疲れて帰る途
突然、夕立の中
古いモノクロフィルムの
縦縞ノイズのような雨が降る
崩れかかった煉瓦塀の
裂け目から洋風の庭に
飛び込む
そこは荒 ....
頂点を仄青く明滅させる三角形が
部屋の片隅に居る
銀のお手玉をしながら
華奢なアルルカンが宙を歩いて過ぎる
星のいくつかが
音符に変わり また戻る
硝子瓶がひとりでに傾き
グ ....
冬でも雪が降らない
そんな暖かい僕の家でも
おまえは寒そうに
ストーブの前で丸くなる
背筋に稲妻の閃光が走るような
艶光りするおまえの
ビロードを思わせる黒い体毛
思わず ....
夜想曲
おお夜よ、おお夜よ
人は眠りを貪りながら死は恐れ
瞼を閉じて覆い被さる闇を追い出し
より暗い臓物の中へと逃げ込んで
しかし閉所恐怖をも克服する為
そこにマッチの軸で
天国の ....
三角方眼定規で
下くちびるを切った
風が薫って
夏草が
指から
ほどけていった
立体裁断で
ドレスを裁つ
いつだって
晒されぬままの布に
踊り
今はおそらく
泣いている
....
シャネルの前にはいつものように孤独な乙女が
「私の志集」を薄い胸の前に掲げて佇立している
思えば20年以上前から立っているけどリレー制なのだろうか
夢多き若気の士心は1部300円というのに誰も買 ....
私がとても遠いのだと思っていた人は
すぐ目の前にありました
なぜならその人は海だったのです
必要とあれば向こうから
そうでなければひいていきます
私がどんなに駿足でも
どれだけ望みを握 ....
経糸の波が島に打ち寄せ
砕けた珊瑚の欠片が筬の羽の隙間を通る
浜は白く織り上げられ
降っては降りてくる日射に
転がる岩岩は奪われた影を慕っていたが
素足 ....
淡い夢をみる夜がある
夏休み庭に植えたブーゲンビリアに
いつの間にか背丈を追い越され
生い茂る葉がどれだけ季節を重ねても
記憶は夏しか残らなかった
....
{引用=領域を徐々に侵してゆく不均一な煙のような
その渇きは}
意識の最も深い階層に砂の粒はあふれ
ああかつてのそこはなんであったか
今を放浪する怪物の名は私の三分の一足らず
どうして気 ....
あなたのくちびるから海がこぼれる
塩からい水が胸を濡らすから
わたしは溺れないように息をする
そっと息をする
空の高みが恋しいと指先をのばし
両手を広げてみるけれど
あなたの海が追 ....
しっかりとこの身体に
結んだはずの君を
何処かにやってしまった
結び目は赤く染まって
不自然に千切れていた
早く見つけなくちゃ
今度は振り落ちないように
飲み込んでしまおう
縫い付けて ....
見知らぬ人ばかりが
夜に追突した
追突した夜は
分散し
それぞれの夢に混じった
あ、と驚きが
その人々を捕らえ、
携え、
さえずりを
引き抜いて
躊躇いに換える
夢が重み ....
つつがなく
夢を終え
私はもう目覚めている
ここにいる
一人の人間として
酋長の口笛を携えた
一人の血肉として
バネだけが
きしむひと時は
帰結した
それは他者により
投 ....
片親とか貧乏とか
決して触れられたくない琴線抱えてる子供は
暴力で捻じ伏せるか
....
眩い光りは衣を重ね
いつまでも消え去らぬ
それは人知れぬ
夏の海峡の 輝きを増した陽炎
落ちてきた 数知れぬ星達をあつめた天の河のように
静かによこたわる
無数のきらめきは、時を惜しみ
....
カムパネルラの瞳が
どこからかしずかにみおろしているような星空
君の沈黙 君の横顔
それはなにかうつくしく けれどものがなしい
予感に満ちているようで
僕も黙ったままでいる
僕の脳 ....
灰が灰に手を回し
車輪のように夜になる
波が生まれ波を追う
鏡の裏に降りつもる
見えない星を聴いている
海を指す道
影の筆
水わたる光
夜を夜へ運ぶ手のひら ....
言葉よ、さようなら
わたしの中に、在ったものが
まったくちがう世界へ、ゆくのです
イメージや感情や
そういった、見えないものが
見えるようになって、現れるのです
意味を持たされても ....
開け放たれた窓からは
初夏の高台から望む
雨上がりの小さな街が一望出来る。
マッチ箱のような小さな家には
色とりどりの屋根が
張り絵のように
斜面にへばり付いている。
空は真っ青 ....
ベッドの上で背中合わせに座る
言語で相手を欲情させる
触れずにイかせる
卓球のラケットを2本用意する
ベッドの上で向き合って座り
体表を叩き合う
男の尿道に万国旗を仕掛ける
女の ....
気だるさに押されて足を進めた。
雪が降った道路は
ひとに轢かれ続けたから、
淀んで色を見出せなくなっている
震えた子供は一人では帰れない
しかし一人きりでも歩かなければ家には着け ....
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