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{引用=嬰子の褥


闇のひとつ奥に蠢動する白光体がたしかにあった
血に焼かれた嬰子が視えない手のひらに止まって
私の身体に続いている
いやへその緒はぜんまい状に闇に溶けて
それはもうわ ....
ビーカーのうわずみに春ではない
赤茶けた花のぬけがらが
私)洗浄したアセトンを吸わせてみる
結果は /遅いね、

光のみぞに

名札の傷をはがすと
一番多くあらわれた歌姫がかしいだ
 ....
{引用=悲しみを知らない人などきっといません、


同じような顔で同じような服を着て、
量産型が街を歩いているよ、
ねぇ、
おかしいね、
おかしいね、
同じでなければ怖いんだ、
臆病 ....
我が偏頭痛は
シリウスへと羽ばたいて
ディラックの海が
泡立っている

くるぶしは水晶で
水と夜との境目を
滑ってゆく詩人の姿

ヒルベルト空間の果てに
夢を見る
(ゼロ
僕は欠陥品である、と仮定する。
少年少女、互いに確かめ合うのは傷口。証明の始まりを上手く書き出せないから存在を不安に思う。ティーンエイジャー、
違う!
そんな括りでは収まらない。声を枯 ....
夕刻
雲羊の渡りを見ました

カモたちが飛んでくるのとは反対向き
行き交いの空の対角線を
群れの先頭は彼方
群れの後方も彼方
二列、三列の編隊を組んで
空を渡って行きました

羊た ....
朝焼けが
虹彩から奥を焼く
明らかな
明日に
確信が持てないから
夜を
終わらせずに
朝焼けの夜を
産んだ

ここは
降りる駅を寝過ごしてしまった
風景に似ている
生まれた日 ....
*
窓辺に置いた椅子の背のあたりから
沈黙が広がっていく
雨の予感がゆるやかに部屋を満たし
そしてひとつの声がおわった

山腹の地下駅は深いトンネルの底にある
プラットフォームに降り立つ ....
{引用=ぼくがうたをわすれても
みつけだしてくれるかい
シンバルのオモチャでも
つかんでいてくれるかい}


死体を晒さぬカラス
月にかくれた月蝕に問おう
倒錯しないか

好きだっ ....
温かい霧雨は
失われた羊膜の記憶のように
柔らかに
わたし
という意味を
緩やかに包括する

鳴き声のような雨音は
鼓膜に優しいけれど
痛みに疼く左目が
暗転する風景を拒絶している ....
擦り切れている背表紙を
後生大事に持ち歩く
付箋に躓くことを繰り返してしまった

左手には一束のシャレード
紐解いている間に
夏の森は
微笑や涙やトキメキを頬張って
色彩を奏ではじめて ....
雨が止みはじめた頃に、
傘を差しはじめてみた。
びしょ濡れになって傘の下、
僕は何かに守られていると強く感じる。
道の向こう側から、
少年が歩いてくる。
あの懐かしい長靴の黄色が、
僕の ....
1
光の棲む場所に立てた、
煉瓦の墓標は
あの子の水晶体の
最期の反射によく似ている

2
朝日がなぞった煉瓦の質感は
どこか罪悪にも似た
紫陽花の萼の如き裏切りの反芻で ....
それは言葉にならない思いであった
母は母であった
息子は息子であった
いずれは離れ離れになる定めだった
『ふたりは生き別れる』
それは別段、不幸なことでもなく
いつまでも悔恨に捕らわれるこ ....
たかがでは済まされない地平線に
ひとり佇み
夢は夢のままで
あるべきことを求められ


目覚めのときは何時も
偶然を装っては
ありのままの姿を
目の前に突きつけてくる


くる ....
あなたの姿を まぶたの裏側に
赤い 糸 で繋ぎとめ
下の名前を そっと 呟いてみる


あなたへの 気持ちを 確めたところで


  ぬかるむ春の気配に取り残された針金細工
  忘れ ....
ふたりは出会う
雛連れの野鴨憩う山郷の水面は茜に染まり
 

  ほら手をつなご
  これから暫くふたりして
  同じ水脈を流れ行くのだから


ふたりのささ舟は
透き通る冬の気象 ....
{引用=
自分が自分であることに
儚い戸惑いを隠せないのなら
あなたは泣いていい
存分に泣け
其処には
散々に舞う桜の花弁のように泣く理由が在る

自分が自分であることに
未来を確立 ....
少しだけ悲しいお話をしたあとに
あなたは
少しだけきれいになったようでした

まるでいいことばかりじゃない
そんな嘆きを語っていたわけではなくて
これから先のことをからめて
あなたは
 ....
ヤギさん郵便
おてがみ迷子
もしもし此処はどこですか

広くは乙女座超銀河団
狭くはフォッサマグナの東
地球的には春分点前
世の中的には年度末

わたしはわたしが生きている
時と場 ....
 静かな夜。まだ眠くはないが、電灯のスイッチを切る。大気が重みを増し、数百メートル離れた隣家から冷蔵庫の低いうなりが伝わってくる。窓ガラスに埃の粒が当たる音がする。ひとつ、ふたつ。そして、目がだんだん .... *
目覚めると音のない世界
カーテンの隙間から灰色の光が射している
明けていくカーテン越しの光のなかで
青磁の肌が鈍く輝く

この部屋はこんなふうに朝を迎えるんだね。
僕は君を置き去りに ....
高梁サトルさんの自由詩おすすめリスト(1192)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「嬰子の褥」返詩_胎児のわたしから母へ- 夏嶋 真 ...自由詩30+*09-4-28
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ロストフロスト- しろう自由詩307-8-11
embryo- 士狼(銀)自由詩7*07-7-19
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Y曲線- 恋月 ぴ ...自由詩18*06-3-14
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自分が自分であることに- 士狼(銀)自由詩14*05-10-3
少しだけ悲しいお話をしたあとに- ベンジャ ...自由詩31*05-4-3
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無題(静かな夜〜)- カワグチ ...自由詩9*04-12-21
ANOTHER_GREEN_WORLD- カワグチ ...自由詩51*04-10-1

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