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箱庭の中に
ふりそそぐ春の雨は
ぎんいろの ひかり
松の木の葉の先の
あの ほそいほそいところまで
全部 ゆるす みたいに
丁寧に 丁寧に降る雨
小鳥が
木の下で雨やみを ....
夜の雨に濡れて
八重桜の花びらの
細いながれが
夜を
夢のように
匂い
艶めかせる
雨音だけの
柔らかな夜を
低く
漂う
花びらの春を
雨に濡れて
見送る
よく懐いていた
私の魚
ひとつ ふたつ
は
朝が夜に被さるときの
ゆらり
揺れる空気に気付いて
泳ぎに出掛けました
(吸って) (吐く)
繰り返して
(吸って) (吐く ....
僕にはあなたしかいないんだよ
まん丸に見開いた目で
まっすぐに私を見つめる
から
途端におとといの夜のことを後悔する
そうだね
きみには私しかいないもんね
きみに ....
優しさを貰うと
優しくなれる。
愛を受け育つ
愛を与える毎日。
感動すると
行動が産まれる。
優しくされると
元気が出る。
優しくされると
やる気が出る。
優しくされると
....
切ない夜を波濤の数だけこえて
やおら滅びゆく貌(かたち)のように虚しく、
何処までも果てのない君とともに
歌うべき僕たちの言葉が見つからない
伏せた漆黒の虚しさは朝日を浴びて
いつしか濡 ....
みみずくは
夜には水をやったりして
四月早咲きの月見草たちをかわいがっていました。
みずくみみみずく。
もうずいぶんとむかし
あなたはたしか
「砂漠のなかで金の粒をさがすようね」と言った
僕はそれはちょっと違うんじゃないかと言いそこねた
きれいな空をそのままうつしたような海の
ちょうど ....
糊の効いた藍染めをくぐり抜けると
石鹸の香りがいらっしゃいませと迎えてくれる
散歩の途中でみつけたお風呂屋さん
モクレンの香りに誘われて迷い込んだ小路
朝夕通っている駅前通りとはさほど離れ ....
090420
じっくりことことと
煮詰めるのですと
テレビの中の先生が
無感動に説明しています
感動するのはアシスタント役の
アナウンサー
お客さんの聴 ....
僕らは寂しさを持ち寄って
暮らし始めた
未熟さと純粋さと
思いやりのフリした弱さ
失うのが怖くて
我慢し過ぎたんだね
大好きだったはずなのに
なんで傷つけ ....
ぽんぽん
前に歩いている人が花を落とす
私はそれを拾うのは癪なので踏み潰して進む
ああ夏が来てしまうんですね
となりにいる人にそう言うと
その人は
この世の終わりという顔をして
爆発して ....
埃の海に生まれたもの
きらびやかに手放されるもの
岸から流れつづける景
底をすすむもののかたち
褪せた光の降る路地の
さらに褪せた色の扉の
入るものもない静けさ ....
優しい君は
別れを告げて少し泣いた
困った笑顔で頷く私に
強いはずの君は泣いた
蘇るのは
初めて手を繋いだ夏の終わりの秋の始まり
気付か ....
わたしとあなたで
せかいを延ばそう
ーーーーーーーーーーーーーーーー(ノバシボウでも構わない)
熱めのおふろ に
つかるとき ちょっと
ドキドキする
そんなかんじ
守ってるいつも ....
かなんな
おまえは特別だ
そんなのろいから解き放たれるのに40年かかった
おまえはゴミくずだ
そんなのろいから解き放たれるのに40年かかった
どうすんねん?
....
その薄緑の
繭は
風に揺れた
四回の脱皮の度に
記憶は
まばゆい光の
緑の揺籃の中で
眠っている
いつまでも
見つからなければ
いいのに
人の来ない
山の奥で
ず ....
わたしの水の中に
あなたの耳だけ寝そべっている
小さな胎児みたいに
ゆらゆらと漂っている
わたしの声が
最後にあなたを満たしたのはいつだったかしら
瞳を瞑りながらわたしを探すあなたの指 ....
昨日もらったキャンディを
茶色の小瓶に入れたって
甘い薬にはならないと
喉を鳴らせてむくれてる
僕のかわいい女の子
このあいだの満月に
こじ開けられた地下室の
鍵は窓から放り ....
毎日あたたかい日が続いているので
公園や神社の上には
若葉色の天井ができている
風が吹くと
こずえはぴらぴら音がする
若葉は白くもあるので
きらきらもする
春が眩しいのは気のせいじゃ ....
角砂糖をひとつ
昨日の夕焼けに落とした
レモンだけじゃ
辛すぎるかもしれないし
ただなんとなく
作り笑いをひとつ
一昨日の捨て台詞に添えた
当って砕けただけじゃ
苦すぎるかもし ....
青空から真っ白い
雪が落ちてくる
所在なきものたちが
幸福を連れて
地上にやってきた
見えないところで定着
成長する細胞のはじまり
子宮でお遊戯会が催される
喘ぎ声 ....
白色の波形を目でなぞった
うねりは遠く
目を凝らすほど直線的に
街の始まりで折り込まれ
目には見えないまま続いていった
そんなように思う
ひとみに映らないものを見ること
地下鉄の座 ....
首をたれたる山の猫
尾っぽを幹にまきつけて
上目遣いに梢を見やる
たわわに茂った緑の葉
あまねく陽射しに当てられて
葉脈をちろちろ光らせる
峠のふもとの静かな林
暮れるにつれて霧 ....
時期遅れの花見
とっくに散った花びらのかわりに
輝く緑
若き季節の息吹
青空には
果てを知らない鳥たちが舞い 謳う
みなの真似する花見よりも
散った ....
庭に日の差す縁側で
かげろうにゆらりと手をかざす
つかめないな
銀のコップが透き通って
細く光る指先の丸み
着られなかった
紺の制服をまとって
うっすらとたなびくおまえ
好きだ ....
090415
ちょうの付く字は
ちょうだよねと
幼児のような返事を返す
分かったつもりの会話です
お父さんは
会社
お母さんも
会社
お兄さんも
....
うつろな目
うな垂れた首
放り出された四肢
君はいつから
そんなサカナになったの
キラキラ光るあの星も
実は銀紙だって
嘘だらけの世界に住む僕らは
いつだって騙し騙され
それを真 ....
摘みながら歩く
生まれたばかりのあなた
小さな口笛
素足のまま大地を踏みしめる
蔦草はやがて乗り越えられ
くちびる
まぶた
ひとさしゆび
どちら ....
足下の花びらが
しきりにバトンを渡そうとする
あなたも咲いたらいい
そう言っているのかもしれなくて
ただただ季節はめぐるから
がんばれない
そううつむくあなたの額にも
舞って ....
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