すべてのおすすめ
平和な世の中
退屈なオートメーションの日々に
のみこまれて
僕はロボットになってしまいそう
相変わらず
テレビの向こう側は
悲しいニュースばかり
なにをもって
正義と言うのか
歴 ....
車のドアを開けて
アスファルトに降り立ち
ゆっくりと
夕焼けを踏む
夕焼けについて書こうと思う
古びて傾いた夕焼けについて
それは人通りのなくなった街道の
傍らに立つ廃屋の壁に
擦 ....
黄昏時
万世橋から昌平橋
煉瓦造りのガード下
ぼーっと浮かぶその灯かり
なぜか涙があふれ出す。
移転した交通博や
やたらモダーンな秋葉の街並に
ヤッチャバの名残を想い出し
なぜ ....
明日はお見舞いに行くのだ
末期がんで抗がん剤投与も止めてしまった
半年か一年に一度くらいの頻度で会ってた
親戚のおばさん
会いにきてほしいと
おばさんの家族から連絡があって
それはたぶ ....
山の裾を ていねいに
両手でならしていた おばあさんの
あれからまた
小さな山が ひとつふえた
新しい山は ひとの形をしている
足のしたで 山は
お腹のように やわらかかった
....
君が運転席に座っているのをぼーっと見ているのが好きだ
車を走らせる君の
いつもより真面目な横顔が
いつもよりカッコイイ
なんてそんなことを思っている
窓の外の景色がするすると流れ ....
さやかで悲しい朝なのに
夏の匂いをかぎました
感謝でむせぶ朝なのに
黒いこころもありました
ひとのこころはどうも遠くて
応酬ばかりのありさまでした
さやかで ....
風は強く吹きすぎて退屈
窓を閉じて知った静止状態
想い過ぎてしまわぬように
隣部屋のテレビを許す
クールビューティー
壊してやりたい好奇心
いけないことだよ、と
呟いたその唇を道 ....
しゃぼんだま
しゃぼんだま
まるくて
ふわふわかぜにのって
とんでいくのよ
まって
まって
おいかけて
つかまえて
はじけちゃって
にこにこ
たのしい
おかあさんがわらって ....
愛がやるせないときは
夢を見ればいい
夢がやりきれないときは
音楽を聴けばいい
音楽に疲れてしまったら
女の子に
カワイイ女の子に電話してみようか
愛がやるせないときは
....
心待った家路の果てに
ゴールデン・プラムの たわわな枝の
くちびるを這わす 実は あまく
ちっぽけなあたしを待っていて くれる
鳥たちを 楽しませないために
そう ジャムにしよ ....
私たちは
眩暈がするような速度で
転がり続けなければならない
変化すること
それが何よりも重要で
変わらなければ私たちは衰退する
そんな強迫観念に
いつの間に囚われてしまったのか ....
遠ざかるものよりも
進むものでありたい
あなたに向かい
深夜
雨に濡れた肩を抱く
あなたの手のぬくもりが
この背中に焼きついて離れない
赤い痛みが沁みていく
離れていて ....
夕暮れ、
窓から
やよいがシャボン玉を吹くと
リーマンや客引きやパチ屋が足をとめて
時々この辺をうろついているドラ猫みたいな顔した「上海ラバー」のママと
自分 ....
・
職場で必ず着用するエプロンには
大きなポッケットが付いています
わたしはその中に
いろいろなものを放り込むのが癖です
ポッケットが膨らんでいないと
落ち着かないのです
膨らんでいて少 ....
俺は通じゃーねぇさ。
通なんてのはデイ嫌いだ。
寿司?
寿司なんざぁ鉄火巻に決まってろうが
コハダなんてのはいい若いもんが喰うもんじゃねぇ。
しなびた年寄りが食うもんだ。あんな生ぐせえも ....
「無」
カラカラの大人を脱いだらギリギリの元気
ギリギリの元気を脱いだらテラテラの苦笑
テラテラの苦笑を脱いだらシワシワの孤独
シワシワの孤独を脱いだら なんにも無い
....
帰る場所を
見失ったのです
後悔を口にするのは
容易い
でも
君が帰って来る
訳でもないし
元の幸せな日々に
戻る訳でもない
いつまでも
本音を言えず逃げる私に
素直な
....
自転車のハンドルと
お母さんの間に座る子供
かわいいだけじゃない子供
カルピスをあげたいな
百年に一度のいけにえにしたいな
僕に歯を見せずに笑う子供
心にらくがきをする子供
ゆう ....
濁った瞳で
君を見ていた。
損と得を天秤にかけて
−+で合計だして
得が多いのなら
その手をとろう。
損が多ければ
さよならしよう。
数字が溢れているこの世界。 ....
例えば園児の初恋のように
互いに思いやることが幸せなら
目を合わせて顔を赤らめることが
どれほど可愛いことだろうか
ドキドキを無邪気に笑って誤魔化した
持ち合わせていない感覚
....
新しい日
未来は浮かんでこない
過去はまた遠ざかって
一人戸惑っている
悪い予感
いつもより夜が濃くて
ぎこちなさが肌に触れる
半分の月
変わることはない
変わらないもの 変 ....
…ありがとう
きっと…来てくれると 思っていました
期待じゃなくて
優しいあなただから なおさら
そうせずにはいられない
…そう、それならば、
今宵はなにも言 ....
「観」
部屋の片隅に置かれたポトスのように
見落とすことも出来たはずなのに
僕はうっかり君と正対してしまった
君のいとおしい傷跡を観てしまった
「葉」 ....
命がひとつあった
命なんていらないと
思ったときもあった
命がふたつあった
どちらかの命が
残ればいいと
思った恋もあった
命がみっつになった
みっつすべて
残ら ....
渡りゆく空がなくても
鳥かごのツバメは夏が行くほうを見る
草ひばりの声を聴きながら
日に当たる頬の熱さは
夏をしっかりと覚えているのだが
頭を垂れた稲の穂が首を振る
入道雲が突然泣 ....
あまくなった
熟れた私は
のばしかけの髪を
洗う。
したたる
雫をなめてみて。
りんごの
香りがするよ。
モーツァルトを聴いて育ったりんご
のように
あまい
からだ。
....
投げ捨てるように
陽がしずむ
衝動さながらに性急な 紅く去る欣求
栓をときはなち、器に受けとめれば 波は
ぞめき うねりとなり
すべての陽と海の 混交体は、
鮮 ....
目が覚める瞬間の耽美、すなわちそれは曖昧な伏線を凝縮した線路図のようなもの
一連の流れは稚児の指先が母親の元に辿り着く前に行われ、
そのことによって絡めとられた誰かの睫毛は
昨日へ帰るように促し ....
過ぎていくだけの
愚かな日々
憂うだけの感情で
私は何を
掴むというの
求める人の温もりが
私の心を刺す
俯いた背中に
涙した心は
不器用故に
素直になれず
自分を押し殺した ....
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