影と壁と風の生きものを
藪のなかから鳥が見ていた
朝にだけ現れる生きものの
羽音のような目覚めを見ていた



生きもののからだに光があたると
たくさんの傷が道にひらいた
鳥 ....
霧雨が止んだ午後
兄さんが里山へ 
野いちごを摘みに行こうと言った

空にはかすかな光り
濡れた緑が 濃い空気を吐き出して
後に続く僕の 切れ切れの息を
奪うように纏わり付いてきた

 ....
夜に
夜光虫の海で泳いだことがあります

そのとき
月が出ていたのかどうか

  指先を
  差し入れた瞬間にセントエルモの火

  揺さぶってみた
  舫い綱に冷たい篝り火

 ....
久方の親の家にて
車を借りて
まだ新しいそれは気分がいい
エンジンの音
窓の開きかたも
カセットから流れてきた音楽まで
フォーエバーヤング

65を過ぎた父が
免許を取ったのは5年前 ....
微笑みの半分が翼で
空の半分が月で
呼びあって 呼びあって
微笑んでいる



夜に咲く花
触れられたことのない花
もっと小さなうたを歌う
もっとしっかり小さく歌う
世界 ....
湿った風の残る残暑に
崩れた線が、幾筋も幾筋も
飽きることなく遊泳していて
嗚呼、眩しいばかりだな。


わたしも何とか飛んでみようとは思うのに、
どう真似たってなかなか上手くいかない。 ....
また、曲名をパクッた。でも、仕方がない。てか、俺は、連作しか書けないみたいじゃない!
でも、今、僕の隣にはギターを抱いて寝ている友人がいるんだ。しかも、昨日の夜、スメルズを弾いて寝入った男が。

 ....
月のまわりに
月と同じ輪があり
水平線に沈みながら回っている
輪は海にひろがり
波は光を打ち寄せる



屋根が 鳥が
騒がしく雨を知る
ずっと空を見つめていた目が ....
私の夏はいつも少年の手の中にあった
降りしきる驟雨の中でさえも
ファインダーは彼らを捕らえ
熱い憧憬でそれを追った
自転車は跳躍するように少年を
パステルブルーの中空へ運び
麦わら ....
人にとって理想の体形ってどんなものだろう。

僕は、どうしても痩せ型の体形だ。ごはんを極端な食べ方するし、動くし。無駄に引き締まった体だからよくみんなに過保護にされる。
大体、年下の女の子に「私 ....
ゆうがた、
かみさまにいてもらいたい


アパートの部屋からもみおくれるけど
けど、
そこからはなんかみおくりたくない
ただなんか、

商店街でみおくりたい
はだしで じゃなく は ....
透明に
張り詰めた
ガラス窓から
朝日が零れているよ
覗き込むと
昨日が
音も立てずに沈んでいくところで

空間
四角く区切ったそれを
大勢の息で共有しながら
積み上げられている ....
愁い棚引く九月はゆらりと

恋人のくちびるを

柔らかく止める


ほんのりほてった袂を

上げて私は

そのくちびるへ駈け寄るのだ


吐き出す息がすべて

九月 ....
強い風のなかを
持ち上げるように
持ち上げられるように
地面 空気 歩むもの
地面 空気 馳せるもの
ゆっくりと肩いからせる動きたち
風にぎる指へと伝わってゆく


 ....
天根の辻で水をもらう
日の暮れるには早い刻で
このまま休みたくもあり
まだ行くかとも計り
いつまでもたばこをのむ

新開通の鉄道がここいらを
過ぎ越してさびれた土産屋
小唄の焼 ....
光の細粒が漂っていた
涼しい空気が絶え間なく流れ
そこからかすかに花のような人工物の匂いがする
薄暗い室内には暗澹とした幸福が漂い
天井からはときおり夢のようなものが降っていた
だれか人間の ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい

貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい

高波が何でも持っていこうとするからこわい

クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい

あが ....
また生きている

いまはもうないぼくのうちの
おもい雨戸をごとごといわせて
ようやくに閉めていると
ガラス窓がひび割れた音を立てる
夜の闇に音が駆け出す
入れ替わりに隙間から
夜気が静 ....
昔、陸上部だったせいか、走るのがすき。しかも、すごく長い距離。歩くのもやになっちゃうくらいの距離。
そのときはすごくつらくて、泣いてるんだけど、あのときの気持ちを味わいたくて、また走り出す。マゾだと ....
ちいちゃな芽をぶつぶつと
たくさん出してた 春

嫁いだのに
お前の担当だなどと
親に 言われ

私に 実を選られた 桃

収穫の時を迎え
みためにも 柔らかく 香ばしい

台 ....
枝から枝へ
したたる雨のむこうに
遠く島が浮かんでいる
曇が海をすぎてゆく
光が枝を照らしている
雨はひと粒ずつ消えてゆく



ゆっくりと目覚めるひとを見つめること ....
テールのあいだに開く 欠落は親子別れをジョチョーして
正常な初潮はいつ始まったのか

サボウルの金属板に痛々しく ぼーっとしているね ぼーっとしているねとコンビニの親父が気を使う

扁桃腺の ....
逡巡
ほんの少しの間隔で
手をつなぐ
手をつなぐ
街の角での深呼吸
こんなに苦い空気でも
こころは深く平らになる


よく晴れた日
取り残された月を見つけて
一秒
一秒を
見 ....
不思議を紡ぐ
くちびる

空を沈む炎


ちりり


時が焦げる
明日を忘れる




満ち渡る静かの
眼差し

まどろみの絹


ひたた


無に ....
空夢に遊ぶ僕は
朧気な虹を

鮮やかに刻んだり

君に重なり
君の細胞に潜り込んだり

単純だけが
意味を持つ世界を歩いたり

何億分の一秒を
じっと見つめたり

 ....
雨が降る雨が降る

みんなびしょぬれ猫灰だらけ

あたしは傘の下から上目づかい

雨は戯れみんなも戯れ

傘をたためば良いものを

強風であたしはヒトリ舞い上がる 
遊ぶたましいの
フラフープ

描く線は
深層の知恵の輪

ほどけなくても
いいんだ

高速で
低速で
果てなく回れ

僕のフラフープ
ぼんやりとした広い場所のあちこちに
色 数 かたちを変えながら
光が点滅しつづけていて
指先にしか届かないくらいの
かすかな熱を放っている



捕らえようとひらかれた
片 ....
宵闇、
五線譜の電線 で
輪郭のぼやけた影だけの鳥たちが奏でるのは
誰かの
失くしてしまった、声
あるいは、足音
にも 似て
道しるべにするには あまりにも
不たしかな

風通しの ....
ミネラルウォーターに沈む電球らで
ボトルの中の水面はゆるい光を着込むと
洛陽に染まる
儚い海で
椅子も防波堤になって追想します

波〜オレンジに騒いで
     配線コードも〜鯰〜

 ....
和泉 輪さんのおすすめリスト(1215)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝の生きもの- 木立 悟自由詩404-9-5
傷/回想- 千月 話 ...自由詩5*04-9-5
夜光虫夜想曲- 小池房枝自由詩8*04-9-4
ずっと若い- 落とし子自由詩7*04-9-4
降り来る言葉_XVI- 木立 悟自由詩504-9-3
崩れた線たち- かのこ自由詩4*04-9-2
スメルズ_ライク_テーン_スピリット!- チャオ散文(批評 ...1*04-9-1
波雨- 木立 悟自由詩304-9-1
夏と少年- 佳代子自由詩104-9-1
ロンドン_コーリング!- チャオ散文(批評 ...6*04-9-1
「みおくりについて」- パール子 ...自由詩1404-9-1
記憶に並んで- 霜天自由詩1104-9-1
九月- 松本 涼自由詩3*04-9-1
ノート(つたう)- 木立 悟自由詩204-8-31
天根の辻- 田代深子自由詩704-8-31
_- Aye-Shaluga自由詩504-8-31
海はこわい- ふるる未詩・独白43*04-8-31
また生きている- 刑部憲暁自由詩504-8-30
ライク_ア_ローリングストーン!- チャオ散文(批評 ...3*04-8-30
くる- 砂木自由詩13*04-8-30
ノート(曇火)- 木立 悟自由詩404-8-30
トイレット少年少女- 山内緋呂 ...短歌404-8-29
一足跳びに越えていく- 霜天自由詩604-8-29
赤と白の画- 松本 涼自由詩5*04-8-29
そらゆめ- 松本 涼自由詩2*04-8-28
_- びわ自由詩304-8-28
フラフープ- 松本 涼自由詩2*04-8-27
光の遍歴- 木立 悟自由詩304-8-27
地図夜- 望月 ゆ ...自由詩10*04-8-27
ボトル海- 湾鶴自由詩404-8-27

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