寝苦しかったゆうべの夢と同調するようなしがらみ

とろんとした灼熱の一日がまた 切って落とされた

熱さと湿気は陽炎たち世の中にもやもやと存在する

みどりの上には透明なビーズとなってキラ ....
ああやっと見つけたお前はそんなところにいろ

ドアを開けたり閉めたりして
出たり入ったりしろ

振りほどいた手は振りほどきっぱなし

アクセルを踏んでブレーキ

両手でつかめるものは ....
ところで
夕暮れはもう間近に迫り
みんな精一杯に迷っているので
その足元を照らす明かりも
その足で踏みしめているものも
記憶は近さも見せないくらいに
空で燻るものだから
こうやって今日も ....
 


海に近い砂の丘から
無数の骨が突き出している
かつてここで倒れた巨大な生き物の上に
浪に運ばれたものが積み重なり
石でできた枯れ木のような
蒼白い骨の森を造った
海からの風に ....
渇く渇く渇く潤う
行き止りのない道を
いつまでも

忘れていることがあるにせよ
それは帰れない{ルビ道程=みちのり}であって
忘れていることなど何もないのだ

あどけないうすい影は
 ....
 


見わたすかぎり
群青の花が咲いている
鉄を打つ二つの人影
冷気が恐怖をはらい
からだを重くする
静かに笑み
花のなかに
降る水の暗がりに
はじめて地を踏むように立つひと
 ....
静かすぎるよって
背泳ぎをしながら呟いてみると
空には立派な
夏らしい雲
陽に焼けた
男と女の睦み合う
そのすぐ横を泳ぎ去るとき
波立つ水から
微かではあるが
女の性愛の匂いがして
 ....
恋人よ
その安らかな寝息をまもれるのか
わたしは
同じ所に{ルビ止=とど}まっていられない

飽和した
硬質な怠惰の
夏の深奥に
ワイシャツが青く干されていて
ノイズの走るレコードが ....
空の不思議な明るさを眺めていた
午後のしん とした静けさに
誰もが固唾を呑んで、音が止まるふりをする


脂汗を拭って、開け放った窓に手を掛けた
そろそろ雷子がやって来る
彼女はいつ ....
驟雨だ

突然、空が明滅し
絞らないままの雑巾が
今の私

打たれてはじめて
体温に気付く
人間はそんな生き物

百貨店に駆け込み
ぬくもりを求めても
空気圧縮機がはき出す冷気 ....
 


病めるものたちが
殺めるものたちが
羽の手に触れようとやってくる
細く赤い髪の毛が
かすかに肩を撫でている
ひろげたふたつの腕のなかには
目を閉じた笑みが咲いている
ほとば ....
小声で呼ばれて小声で教えられた


(左左、ミミズが傘を差してる)


顔を向けようとして止められた


(向いたら気づかれる)


目の端っこで何とか見る
確かに紫色のミミ ....
寄ってきた子供達に
お菓子をふるまってた 米兵に
自爆テロがつっこみ
多数の子供と兵士が
亡くなられたという

手をだす子らは
わざと 足止めしたわけではないにせよ
いつもそう ....
空に高く 灰にひとり
思い出の外へ繰り返すもの
夕暮れのない夕暮れを見る
銀の鱗の目に指をあて
器をめぐる光と火を聴く
底にはじける姿たちを聴く


波を走る白い炎が
し ....
カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂

今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
星空が大好きだった子供はいくつもいくつも
星座の名前を言うことができるのが自慢だった
13歳の夏の夜何気なく夜空を見ている途中
それは突然にやってきた
「無限」
彼はその高さ、深さ広さをその ....
カレンダーが
隙間を 埋める

いちいち 並んだ文字
規則正しく
色までついてる

ななめに さいて
ずらしても

あくる日は 書いてなかったように
きちんと くる

時 ....
生まれた日のことを覚えている
ちらちらと雪が降って
がやがやと人の声が聞こえた
そして何度か暗くなった
明かりは穏やかに灯った
鳥の声が聞こえた
硬貨の匂いがした
笑っていた
抱きしめ ....
あなたはわたしの何もかもを知らないし
わたしはあなたの何もかもを知らない
それでいいと思う

それでいいと思ったら
夏の柔らかい部分では
雨の方で都合をつけて
わたしとあなたを
水たま ....
私は宙にいた
ずっと空を聴いていた
私を支えていたのは
ただ蒼い闇ばかりだった


ゆれる森
立っている人
言葉をめくる声
降りてくる色


暗くやわらかな
 ....
十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
  チョコレート

チョコレートの包みを
あけたのは
退屈なカエルが
土の中から這い出て
鳴いたから


  スカーフ

ほめたら{ルビ白髪=しらが}まじりの
老婆がくれた
 ....
雨ですねぇ
雨ですねぇ

夜中にふる雨は
なぜか
さわがしくてしずか

布団の中で
ほくほくときいているのに
冬の雨は
身にしみて
つめたあい音がす
 る

ぽと ほと と ....
遠き田の隅に孤独は佇みて親しきわれの呼ぶ声を待つ


白きゆり手折る微々たるゆびさきの力でわれをあやむるおまえ


君が代をふたりで唄うさつまいも甘き田舎の夏の縁側


 ....
 ボク

ボクは、僕といわない。
それは、シモベとよむから。

一羽の蝶が飛んでるよ


  あなたとわたし

わたしは、あなたから生れた。
そして、母も父も
わたしにはいない ....
朝に刈られた草は低く
鉄路から来る風は遅く
火花の熱は溝へと至り
冷たく通りすぎてゆく


触れることのできない飛沫のように
緑は道から放たれてゆく
遠い遠いものばかり ....
どのくらいの広さで降っている雨なのか
心は探りに行く
夜に出てゆく

けれど心は気持ちでしかないので
体の外のことは何も感じられない


雨の立てる匂いの遠さと近さ
水の滞空時間
 ....
朝六時
七月の光が窓から差し込む
最愛の恋人の微睡を照らす
TAIYOOの声に
挨拶を交わす
白くはためく洗濯物たちに
神の存在を感じる
美しい寝息のリズム
天使の胎内の世界の中の
 ....
夏の情熱の裏側に
すらっと伸びた少年少女の
腕がつかみそこねた{ルビ目差=まなざし}を
冷たく崩れてゆく陽炎

囚われた脈動は
透けていく意識となって
{ルビ中性花=ちゅうせいか}の宙吊 ....
たおれるって 
あきらめることでは なくて
おきあがれない こと

かよわなくなった こころ
暗く 憎しみばかりつのる時

灯は しずかに 病みを照らして

今は 夜
ただ ....
和泉 輪さんのおすすめリスト(1215)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
*梅雨明け宣言*- かおる自由詩2*05-7-19
忘れるな- ふるる自由詩8*05-7-19
水底の、走る船の- 霜天自由詩1205-7-19
調音- 木立 悟自由詩1105-7-19
主婦- こしごえ自由詩12*05-7-17
羽のはえた籠- 木立 悟自由詩405-7-17
背泳ぎにて見上げる- 黒田康之自由詩605-7-16
待合せ- こしごえ自由詩8*05-7-16
雷子の居た夏- 千月 話 ...自由詩6*05-7-15
雨粒のハインゼンベルグ- たりぽん ...自由詩6*05-7-15
つばさひめ- 木立 悟自由詩505-7-15
ミミズが傘を差した日- ヤギ自由詩10*05-7-15
恐い- 砂木自由詩11*05-7-15
白炎- 木立 悟自由詩605-7-14
クライシス- こしごえ自由詩11*05-7-14
見ることと知ることと- クリ自由詩105-7-13
ぼん_ぼぼ_ぼん- 砂木自由詩12*05-7-13
生まれた日- ヤギ自由詩10*05-7-13
siranai- tonpekep自由詩22*05-7-12
外の原へ- 木立 悟自由詩805-7-12
トーキョータワー- 霜天自由詩4305-7-12
冬眠- こしごえ自由詩15*05-7-12
リズム- こしごえ自由詩9*05-7-12
転向。あるいは秋のいかづちの降る- 本木はじ ...短歌1205-7-12
ウソとホント- こしごえ自由詩9*05-7-11
水緑- 木立 悟自由詩605-7-10
雨の日のアメリア- 小池房枝自由詩2205-7-10
モーニング- 六崎杏介自由詩705-7-10
ドライフラワー- こしごえ自由詩12*05-7-10
- 砂木自由詩20*05-7-10

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