1.
内ポケットに入り込み
しっかりとボタンを留める
頭を膝にうずめて
もれてくる光が無いことに
安堵


2.
予感と習慣から
ふいに
ひたいに張り付いた前髪をかきわけ ....
俺は

あなたに何か言って欲しかった

あなたが旅立つ時そばにいたかった

俺が

息を切らせて

駅にたどり着いたとき

あなたは1本早い列車に乗った

月の美しい夜
 ....
磨きたての線路が

最初に摘み取るのは

車輪が裂いた

誰かの手向ける

紅い花

深夜二時

時計回りの線路研磨車

棺の中を流れるような

排気をもらす構造は ....
僕は好きな池のほとりに

一人たたずむ

その昔

美しき姫が祈りを捧げた池

氷の花を咲かせ

冷たく微笑む

心痛めた者だけが

その冷たい微笑の奥に咲く

優しき ....
実をいえば

俺は

電話ってものが好きじゃないんだ

その俺が

真夜中に

水に浮くキャンドルの

揺れる炎をみて

無性に誰かと話したくなった

誰でもいいって訳 ....
この闇が続く限り

きっとどこかに

眠れない心を抱えた誰かがいて

その誰かもまた

違う誰かを求めてる

私もその誰かになりたくて

こうして今夜も眠れずに

昨日と地 ....
ぼんやり 新聞コラム 眺めてたら
女は 存在 男は 現象
つまり 全ての基本は女 だから
はじめに女ありき との文章

これはもう 現代常識である
聖書の記述は 間違えたのだ
好きに ....
あなたの瞳が
私に慣れてきた

そしてそれからの
私が虜のホログラフィーは
茎を傾げた優曇華の花びらが
リアス式の高い海岸段丘の上で
凪だけど揺れ舞う景色

瞳が放つ言葉は
緩急を ....
みんな
まだ覚えているかい?
白い自転車に乗った少年の神様を
くすんだベレー帽を耳までかぶって
よくとおる口笛でポルカを吹いていた
あの痩せっぽちだよ

少年の時代がかった白い自転車 ....
絆ってものが

本当にあるのなら

目に見えればいいと

俺は思う

結ばれているのを

確認したいぜ

でも やっぱり

目に見えないほうがいいと

俺は思う

 ....
(?)

夜の路地裏で
また一歩
靴音が連れ去られていくのを見ていました
静寂の胎で
わたしは叫びにも満たないのです

壁にもたれて煙草を吸いながら遺された足跡に浮いた灰汁を眺めていた ....
君の笑顔は椅子に似ていて
笑うと誰もが顔に座りたがる

散歩途中のお年寄りや
旅に疲れた旅人
アイスキャンディーを持っている人
ただ夕日を見ているだけの人

誰かが座ると嬉しそうにする ....
わたしは投げ出す
わたしは拾う
手は銀になってゆく


つばさ失く飛ぶ火が越えてゆく海
ただ音だけで造られた海のむこう


骨と魔術師との対話
夜に生まれ
朝に消え ....
俺の翼が

ボキリと折れた

痛みがなくて

音で気付いた

もう

お前の所へは飛んでいけないぜ

俺の翼が

ダランと下がってる

痛みもなくて

自然に抜け落 ....
薄い光が
瞼の縁からにじみ
あまねく人々は夜をなくす
かくも永き不眠

頭骨の隙にガムテープを貼り
モジュラージャックから脊髄を
抜いて試みる

眠れない人々は言おうとするだろう
 ....
A case of Noble Dry Disease in our hospital


【緒 言】
稀な疾患である貴腐死病(NDD: Noble Dry Disease)の一例を経験したの ....
浮かばない灰皿と程近い場所に 浮かぶ私がいる
沈まない煙を見上げた反動で 沈む私がいる
ここです ここです



ずっと
私のありかを伝えるために
耳のありかが知りたくて 知 ....
おつきさんのえだが
するするおりて
わたしのかみを
もてあそぶ

おつきさんのこえは
ほつほつしてて
わすれたころに
きこえてくる

おつきさんのはっぱ
やわっこくって
 ....
俺の部屋は

足の踏み場もないくらい

散らかってるけど

本当は何にもない

会話も無く

微笑みも無い

ここで過ごすようになってから

俺は

少しずつ

石 ....
セロリは食べたくない

俺の眼前にセロリが出てきた空間は
覚醒と蹂躙のプレリュード
でも あの
他者が食べてる様から醸し出す
俺だけが感じる音は好き
水が注がれた透明のガラスのコップに
 ....
白い花瓶が割れて

白い花が落ちた

僕ははっと驚いたよ

もう君はいないのに

君に何かあったのかと思ったよ

君は白が好きだった

花も白い花が好きだったね

初めての ....
  はやく給料持ってこないかしら
  接待だから仕方ないのさ

三日に一度四人の家族は揃って食卓を囲み
おのおの世間話を披露する

  これで二日は帰ってこないわ
  あの女は気が狂って ....
僕は父親の顔を覚えていない
写真でしか知らない

母親もよく覚えていない
写真はないよ

不幸な家庭の不幸な子供

そう呼ばれていた

僕は色々なものを
失ったよ

夜空に刺 ....
悲しみてぇもんは
大きかろうが
小さかろうが
とんでもなく重たい荷物

持主にしかどんなに重いかわからない
かわりに持ってやる事もできない
置いていこうにも手からはなれない
とんでもな ....
冷たい水の熱さに触れ
公園に立つ冬を見る
檻のなかの時計と噴水
公園に歌う冬を見る



風は痛く
水は閉じる
風はたくさんのものを集めている
誰もいない道を
ひとつ ....
たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます


午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとで ....
あきらめたものは

余計にほしくなる

あきらめた人は

余計にあいたくなる

俺は

弱っつちいし

あきらめが早いから

いつも

あきらめたものが

あきらめ ....
白いテーブルクロスに

赤いしみをつけちまった

俺が愛飲する

300円の安ワイン

それを飲みながら

真夜中

無音の部屋

離れ小島みたいに

静かな中で

 ....
拝啓 個人の集合として社会を見るのではなく、
社会の一つとして個人を見てしまうあなたへ

お元気でしょうか。
衣食足りて礼節を知る、という言葉の通り、毎日、新聞の一面を見ては
「長島さんが脳 ....
かわいいウェイトレスが
おれの投げだした脚につまずき
仔犬のような目で「もうしわけありません」をくり返す
こんなところにまで
潜在的な暴力の根がはびこっていたのか

びくびくしちゃいけ ....
和泉 輪さんのおすすめリスト(1215)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
毎朝が来るまで- 湾鶴自由詩504-3-25
☆85_ワカレノトキ- 貴水 水 ...自由詩304-3-24
夜に銀の自傷- 田川修作自由詩304-3-23
★49_ボクノスキナイケ- 貴水 水 ...自由詩504-3-23
☆82_デンワ- 貴水 水 ...自由詩704-3-22
誰かの誰か- 快晴自由詩11*04-3-21
存在と現象- 狸亭自由詩1804-3-20
優曇華- 純太自由詩404-3-20
白い自転車(オラシオ・フェレール「白い自転車」より)- 角田寿星自由詩504-3-20
☆80_キズナ- 貴水 水 ...自由詩4*04-3-19
秒針とのコンポジション- 前方後円 ...自由詩604-3-19
似顔絵- たもつ自由詩18*04-3-19
銀の手- 木立 悟自由詩704-3-19
☆79_オレタツバサ- 貴水 水 ...自由詩304-3-19
不眠- 田代深子自由詩504-3-18
当院における貴腐死病の一例- たかぼ自由詩1404-3-18
耳のありか- A道化自由詩804-3-18
月の枝- 湾鶴自由詩804-3-18
☆76_石ニナリタイ…- 貴水 水 ...自由詩504-3-18
セロリサディスティックバンド- 純太自由詩604-3-17
★44_シロイハナ- 貴水 水 ...自由詩504-3-17
狭い海- 長谷伸太未詩・独白6*04-3-16
★43_ボクノモノガタリ- 貴水 水 ...自由詩304-3-15
旅路- 長谷伸太自由詩7*04-3-15
- 木立 悟自由詩504-3-15
肌寒い格好で出てきてしまったこと- nm6自由詩904-3-14
☆75_キヌノイト- 貴水 水 ...自由詩204-3-13
☆74_ヤスワイン- 貴水 水 ...自由詩204-3-13
社会の一つとして個人を見てしまうあなたへの手紙- I.Yamaguchi自由詩304-3-13
港町ろきしい★チャンピオンズ- 角田寿星自由詩604-3-13

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