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体液の水たまりのなかでまだあたたかい動かない体を揺さぶって果てた
土を掘り埋めたあとでその上で何日も寝起きした
最初の三日は泣きそのうちの二日は雨だった
僕たちの関係はいったいなんだったのだろう ....
わたしは空に興味がありますが
そこに住む鳥も
そこを通る飛行機も
特に興味がありません


だけど、あなたが
「あ、飛行機だ」
というと
今の時代
さして珍しくもない
飛行機など ....
背が高いとは限らなかったよ
ちいさいやつもいた

まあちいさいのもでかいのもばかだった
さわらなきゃいいのに火にさわるのはやつらだった
火傷したくなけりゃ
火からすこしだけ離れていたらすむ ....
跳ねてみると
地面はそう遠いものでもなかった
すとんと落ちる

それは人間だけかもしれない
犬がジャンプするともっとズドンと落ちる
落ちながらその四本の足が、次のジャンプに備えている
鳥 ....
ゆびさきで
おそるおそるふれた
ぎんいろのフルートにうつる
じぶんがはずかしくて

おと
おとをかなでるなんて
ぼくにはできないだろうとおもった
くちびるをあてても
 ....
中学は十時半消灯で
どきどきしながらラジオを聴いた
ラジオは抜き打ちでよく没収された
そのたび新しいのを買った
イヤホンからもれるのが怖くて
布団をかぶった、秋だった
小さな巻貝の奥に
灯りがともる
小さな海の人が
書き物をしている
波から聞いた話を
青いインクでしたためる
書き終えると
小さくてごく薄い紙片を
丁寧にたたみ
小さな封筒に入れて
 ....
私の小鳥が死んだ
何度か獣医さんに診てもらったりしたけど
これが胸騒ぎなのだろうか
部屋の錠を開けるのももどかしく逆光に沈む鳥かごへ駆け寄れば
初夏の陽射しのなかで彼は小さな亡骸と化していた
 ....
あの時
何もかも終わっていた
終わっていなかったのは
心臓が動いていることだけだった

ゴールはもっと先にあると信じて
走り続けた
体力はありあまっていると信じていたが
実際は何も残っ ....
どかどかうるさいロックンロールバンドが
多摩蘭坂を越えて町にやってきたあの日から
僕の心に響き続けてきたスローバラードが
ついさっき聞こえなくなった

どうしたんだ
機嫌直して
いつ ....
求めている/
近くにあるのに遠くしている/
いつも僕の欲望のせいだ/
みんな頑張っているのに/
駄目かも知れないから/

外灯がお花畑のようだ/
ビールを飲んだのは僕だから/
きみを忘 ....
                    090502



試合最中にさぼると叱られる
罰の指導を受ける前に
注意されて
もっとがんばれと奮起を促される
勝ちたいと願わない選手はいない ....
{引用=さっきから
同じ音
同じ声
同じ言葉

きこえるかい、
きこえるんだ。


嫌気がさしたりしないかい
光は射したりしないかい

それはないな、
ないな。

 ....
いっそのこと
子供みたいに泣きわめくことができたなら
どんなにか救われるだろう

だけど今の僕は
涙を流すこともできず

ただただ
心が闇に閉ざされてゆく

本当は
こんなに暗い ....
野良猫を叱るために
名前をつけた
せっかく咲いた花の匂いを
ふるびたさかなの骨で
台無しにしたからね
眠れるはずの夜は
色が薄くて
もう愛想が尽きた
昨日歩いた川べりで
 ....
電車はもう乗り終えた
飴の袋もからっぽ
歩き出す
足元の道はごつごつしている
日の光は花や木にばかり当たっている
ような気がする
水が飲みたい
と思った矢先に
湧き水の立て札
山深く ....
           090501


回転木馬を回す

裏側では
大変なことが起きているのも知らずに
木馬から落馬して
笑われたりしている子らの歓声
ねじが外れた
早く停止しない ....
             090430





ギョッとして振り返ると
魚の目をした人たちが
疲れた顔をして
ロムを焼いたり
ICを差し込んだり
コネクターを差したり
抜 ....
落ちた数を数えるよりも
水滴の生まれた場所が知りたかった

ささやき声も空気を振動させるような
ぎりぎり均衡を保っているこの小さな空間で
破裂する寸前の風船みたいな緊張感の中
今、きみが生 ....
わたしの、やわらかいところは
羊水のような液体のなかで、うかんでいる

わたしの、やわらかいところは
いつもたくさんのことで、満たされていて
それをとどめておくことに疲れると、忘れてしまう
 ....
                    090429

バナナの実をもいで
大人たちが笑う
バナナは
食べられても
痛くない振りをしている
南国の
強烈な太陽で
鍛えられているのだ
 ....
 寂しむザリガニが一匹、紅一点鮒達の中で泳ぐ金魚に見蕩れていた。今まで見た事の無かった金魚の美しさに唾を呑みながら、ザリガニは近寄る事のできない自分にもどかしさを感じていた。
 そこに金魚が、鮒達の ....
風を凌ごうと咄嗟に
破り捨てた五線譜でビバークする
知っているよ
その風の強さを
その風の冷たさを

君の涙が乾いていく

音楽の軽さ ゆるやかに
流れるように声を重ねて
君の痛み ....
人生は旅だ
旅のようなもの、ではない
人生は、間違いなく、旅だ
私たちが生まれるまえ、じぶんで買った旅なのだ


そのイメージはこうだ
私たちは生まれるまえ、お金を貯めに貯めた
そのお ....
なんですかこれは
腐りかけた肉です
腐りかけじゃないですよ 腐ってるじゃないですか
すみません
腐った肉なんてダメですよ
そんなつもりじゃないんですけど
そんなつもりってなんですか どんな ....
涼しげなアルゲ・バムの遺跡も
――今は、もうない。
たとえビールや焼酎を十杯飲んだって
大酒豪のこの俺だったら、
酔っぱらったりはしないのだけれども
渇いた唇が泥の水を啜り、
若者は全裸に ....
                   090426



くじ運が悪い
クジを引く度に思う
どうせ当たらないのだ
すべての運は生まれるまでに使い果たしたのだと
思うことにしているが
 ....
きょう友達の披露宴があった
二十年来の友達だ
数字にすればそんなに経つのだ
東京はあいにくの雨降りだった
みんな大人だからスピーチで触れるひとはいなかった
友人代表でスピーチをしたけれど触れ ....
弦が弾かれて
その指先を求める
懸命身をやつして
華は昇りたいのか

姉と呼ばれる人たちの風船が
大気圏の向こうに焦がれる頃

妹と呼ばれる人たちの噴水が
地殻の感触を求める

 ....
私は女ですから、髭を剃るようなことは一生ないものだと思っていました
私はいま髭剃りを手にしているのですよ
少女の私が聞けば目を引ん剥いていることでしょう
何でも機械化する時代ですから
剃刀の刃 ....
佐々木妖精さんの自由詩おすすめリスト(1175)
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