すべてのおすすめ
今夜の雨は悲劇に酔っている
私だけは違うといいながら
誰もが同じように濡れている
無邪気すぎるから
傷付けられたことさえ忘れて
私だけの痛みが欲しいと
傘を風にあずける
焚き ....
網目のような夜の波間のノクターン
オールをこいだ波の上で
ぱしゃり、とはじけた憂鬱を
必死で波間に溶かして
トビウオ達の群れが
空を渡っていく光を見ている
街の光は黙ったままで空を飛び ....
雨をひらいて いくつもの声のその中へ
飛び込んでいければいいと思った
軒下からしたたる雫が はねて、
とりとめない心に降りかかる
泣いているの、とたずねる人の
声がしたような気がして
振り ....
だれかを傷つけたり
SOSを聞けなかったり
たいせつなひととはいつも
まずい別れかたばかりしている
ひとは事実ではなく、言葉に反応する、
二年まえいったセミナーで覚え ....
駆けて来る
駆けて来る
薄氷を割るように
静かなギャロップで
はるかの足並みで
銀のたてがみをひるがえし
地上へと駆けて来る
お前の目の中で火が燃えている
お前が見つめると
....
「急に泣きたくなる」
という設問を読んで
泣きそうになる
つきつめると
あふれてしまうので
空みみのふりをして
「いいえ」に丸をつける
+
淡い花のきもちになって
窓の外 ....
金色の銀杏の葉が
車道の上で
巻き上げられて
流れて
はしる
オートバイの
吹きすぎる
排気に
何か書き込むなら
こんにちはと
さようなら
なんて
テキトーに
誰も聞いちゃな ....
道端にひっそりと咲いていた
花の名前を知ることはなかった
知らない間に消えてしまった
空っぽの風がそこに吹いていた
期待されて生まれた命と
期待されずに生まれた命
蒔かれた ....
君が始まる時を待ち望んで
君が終わる時にはいつもの階段を登って行こう
何か無くても
何かが無くなっても
嫌なんだ
ジグソーパズルが欲しくてたまらなかった子供の頃のような
風船を手離 ....
あるいは「執着の向かう先、発火点」
1 嚆矢 あるいは 発芽
もし私が
あんなところに
あんなかたちで
登場しなければ
知らなくてよかったのかもしれない
なにも知らずに ....
遺憾ながら
いつもながら
おそれながら
およばずながら
かげながら
ゴドーを待ちながら
さながら
さりながら
さることながら
卒爾ながら
とはいいながら
涙ながら
花柄
はば ....
チャイナドレスからのびた白い足
細くて綺麗で素敵
ジュリアナ扇子 どこで売ってたの?
時代関係なくモテ期
君のこと シンデレラぐらいに思っているよ
嘘じゃないさ 大袈裟だけれどね ....
放課後の教室で
きみは階段をつくっている
けしごむやペンを並べて
足りなくなると
ぼくのまで使って
ふでばこも教科書もかばんも机も
なんでも使って どんどんのぼる
きみが あんまり必 ....
夜の暗さ
海の暗さ
そこのあるものの 暗さ
波が
うねりを繰り返し
何度でも打ち寄せる
夜の海
釣り人の
投げた重みが
ふかく沈む
あなたと
指を重む
その温度の確 ....
教室、
ずんと構えた黒板に見張られた僕ら
先生はちっぽけで
虚勢を張っているがチョーク持つ手は小刻みに
震えているのが見えたから
僕らはくすくす
意地悪な空気が教室を包んだ
ねえ、先 ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか
水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
とうとう袋になりました
中で赤子が
手足を動かすのもわかります
なにしろ袋ですから
でもいま
手が動いたのか
足が動いたのかはわかりません
透明ではない袋なんです
どんな顔をしているの ....
好きな人が生きていた
何度も死ぬと、言っていたのに
ばたりと出合った街の角
生きていないのかもと思っていたのに
生きていたから悔しくなった
生きていたら言うことを
たくさん抱えた唇 ....
なみだの夜
夜のひかり
俯瞰されて
群青は濃く
きみの着信
会わないよ
ぼくはもう
会わないよ
なみだの夜
夜のひかり
俯瞰されて
....
僕らが蒼に染まるとき
感覚のない海に浸って
僕らは巡る
どこか知らない
暗いとも明るいとも分らない
手を伸ばして届く範囲の
永遠に届かないトコロに
僕はどこか遠い世界の住人と
1つ ....
思うのは
私は才能に抱かれたいんだということ
嫉妬もあるんだるんだろう きっと恐れもなしてるんだろう
届かない そんな場所に
女の武器を使って 近づきたいんだろう
....
いつでもよみがえるし
いつでもそこにゆける
天体の運行は
まだ気象みたいに
崩れてないから
五年まえの金曜の夜
冬の星
こんな散らばり方してた
きみ ....
流れる水辺にあって、冬の光が
点っている。てらてらとここは
静か。見えないものに、触れた
ことのない。めくらの。薄く紅
挿す頬のあどけない。水掻きの
広く、長い指の掬えない。指間
指間から ....
081119
100年に一度の津波ですと
テレビが
怖いことをおっしゃるので
海の方を眺めたら
金融危機のことだった
一人あたり12000円の定額給付金 ....
「この病室は、眺めがいいねぇ・・・」
ガラス越し
輝く太陽の下に広がる
パノラマの海
ベッドの上で点滴に繋がれて
胸の痛みに悶えながら
なんとか作り笑いをする祖母をよそに ....
秋鮭って捨てるところ無いんだよね
骨や皮まで美味しくいただけるし
そんなこと話してみたら
「人生だって同じだよ」
あなたは秋鮭のルイベを美味しそうに頬張った
だと良いけどね
な ....
世の中って不思議だね
土もないのに葉っぱが咲いてる
きらめく夜に
月とオリオン、その他の
きょういちにち
清く正しくがんばったから
ひとびとは不思議な家族だね
....
胸まである雑草を分けて歩いた。
蒸し暑い夜だった。
夜だったが妙に明るい。
藪を抜けて
野球場に出た。
グランドに白い照明があたっている。
白いシャツの男達が集まっている。
新しい野球チ ....
よくあることで
よくあることすぎて
ぼくのまいにちはおわってく
取るに足らないことだった
よくあることで
よくあることすぎて
だれも気に留めないし
ぼくだけが泣いている
よ ....
詩を読んでいるとたまに
良いことがある
不意打ちでイった時みたい
前戯は必要だけど
前触れはできれば欲しくない
あの頃聴いていた曲は
なんだったろう
思い出しかけただけで
胸が ....
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