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「夕凪」

遠い昔
粉々になった水平線が
白い海鳥に姿をかえました

白い海鳥の
さいごの羽ばたきで
のばされた夕凪で
ひきよせられる
白い骨



「内緒」

わたし ....
少し横顔を見せただけで
思わせぶりに去っていく夏

雨が 家々のトタン屋根から
ライラックの葉の一枚一枚から
信号機の黒ずんだカバーから
夏を洗っていく

雨が 夜更け ....
夏の香りをコバルトに立ち 足跡はどこへ辿る

慕う人の鮮明な記憶なしに 足跡はどこへ辿る

 これからは通り過ぎる 切なさえ 斬る 泣きながら前へ突き落とす 護衛
 これからが貫き過ぎ 安堵 ....
雨が硝子を 舐めるので
時間すら 舐めまわすので
歩くことの意味や 進むことの意味も舐めるので
この世界には もう 紫陽花しかありません

飴細工のように 雨に舐められて
窓の向こう ....
{引用=
さだめらしき願いを ひとつ知りました


六月の
嵐にひかえる空は
細心のあやうい平衡と ためらいに似た心地なさを {ルビ具=よろ}う


見あげれば
流れは岩にわかれ
 ....
余計な一言が面白いと思っていらっしゃる うすずみ色の
やわらかな蓋を
かぶせられた街で
こまやかな水に
しっとりと懐かれて
わたしの内側は
ほんのり熱を帯びる

うすずみ色の
やわらかな蓋の裏に
みっしり結露した水玉 ....
気がつけば雨は雪。

創造の世界では初夏でも雪は降る。

なんて自由な空間。ぽーんと抜ける空間。

木曜日の午後の喫茶店。

一年中飾られているクリスマスツリーに暖色が宿る。

 ....
進め、進め、力強く。
進め、進め、誰が何と言おうとも。
進んで進み尽くして疲れたら休めばいい。
そしてまた、どこまでも突っ走れ!

偉大な先人達の後に続け。
先人達が創り上げた光の道を ....
れんちゃんは犬なのに
お手もできない

ある日
このぼくにできることを数えてみた
あれと、
これと、
それに、
三日数えても尽きなかった
それで
ふと、気づいて
そうだ
ぼくに ....
「水の中の六月」

錆びた鉄の味のする手摺を伝って
空っぽの水槽を満たそうとする早朝
浸水された浴槽の縁を滑らないよう歩く
生まれた時から水に溢れていた




「駆け落ち」

 ....
中庭の芝生の上に
プリーツスカートを
花のように拡げ
背筋を伸ばし、
聖書の言葉を引用する彼女は
修道女みたいで
美しく聡明なその先輩を
私は崇拝していた
(彼女は廃部が既に決定し ....
 今夜の月は何か変だ

と 思ったその時
小さく ひびが入り
――欠片が落ちた
何かが動いている

 えっ ひよこ?

一生懸命
殻をつついて
転がりながら
可愛いらしい姿が
 ....
紙飛行機雨の中飛んでいる 闇の帝王がその音色を奏でると、聴衆の動きがはたと止まる。
このトランペットの音は全ての世界を超越していたのだ。
そこに新たな魔王が音色を重ねた時、聴衆はもうその場から逃れる事すら困難だ。
夜 ....
  蜘蛛の足が
  多すぎるからと言って
  面白半分に引きちぎる子供

  休みの日が
  長すぎるからと言って
  魚を釣り上げたあと
  血まみれの口から
  針を引き抜く釣り人 ....
爽やかな初夏の朝
コーヒーショップの窓の外では
スズメ達が噴水に集まって
小さな翼をシャンプーしている
音大行きのバス乗り場では
客はバスの屋上に梯子で登り
ピアノを楽譜初見で弾かない ....
水の匂いのする
あなたの
指先の和音で
おどりだす
初夏の背表紙は
水溶性の文字たちの
ぽつぽつと吐き出す気泡で綴じられてゆく


垂直に
落ちてくる六月の
浸透してゆく
素直 ....
とてもぶ厚いページ 一舞 重苦しく 強靭にめくられる
ロックの極秘教科書に乗っている 乗りまくる 舞いロック

喋れない時もあろう音楽分野ロック 外野の声を聴き 囁きしか 返せない 

エレ ....
  耐えきれないくらいに
  煩わしい 日々の騒音

  例えば誰かが
  誰かを蔑む声

  私の方が正しい
  そう主張する声が
  街を包む空気を
  重くするのさ

 ....
君の影が動くと私の影も動く ──わしが死んでも
  この時計は捨てんでくれよ

親父はよくそう言っていた
死んでから
それがたったひとつの
遺言らしきものだったと思い当たる

祖父がやっていた
はんこ屋の店先に ....
大輪の薔薇の下で咲く雑草に語りかける者のはいるのか

せいいっばいに花の姿を真似て見ても
日陰に生きる陰湿な風貌にふさわしい飾りからの残酷な香りは隠す事は出来ない

ひと葉 ふた言、言ってく ....
*壱*マダナイへの手紙

「あの猫の名前はマダナイっていうんだ」と、教えてくれた人がいた。
ああ うわさは聞いたことがある。
明治の文豪の家に 飼われていたという 噂だった。  ....
何故自ら受難者になる必要があるのか?
四度でも五度でも席を譲ればよいではないか!
そして今日は沢山の人を助けられてよかった、と
胸を張って夕焼けを見ればよいではないか!

満員電車の中
三 ....
 なにかになる

 と願いながら、
 まな板の上に

 かみねんどが
 しろく しろく
 うずくまっていて。

 なに者にも
 なれないままに
 ただ 干乾びていく。
 ....
ある場所で
点、として生じた光りが
わずかな距離を移動して
塵となる
それを一生という

かきあつめたもの
握りしめたもの
すべて消滅してしまう
けれども

細い雨のあとの
植 ....
            130613



悪質な内部者情報通報者は処罰されます!
まだ無い犯罪が生まれますから
お金に目が眩んだモラル違反常習者は
くれぐれもご用心
最低限のモラルが ....
きみの小指から熱い砂糖水が滴り落ちてきて
わたしの両の手で受けたとき
ああ、きみは海から生まれた生き物じゃないのだ、と悟る。
根本的に異質な生き物なのだ。
わたしにとってもきみにとっても。
 ....
    {引用=悪いことして、理くつくっつける人間は、用心しなきゃなんねえぞ。
理くつさこいてやってくる奴あ、用心しなきゃなんねえ。
                   「ひかりごけ」武田泰淳} ....
りゅうのあくびさんの自由詩おすすめリスト(2167)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
引き潮/あとさき- 佐東自由詩12*13-6-26
夏の横顔- Lucy自由詩22*13-6-25
夏の護衛- 朝焼彩茜 ...自由詩8*13-6-25
紫陽花と砂糖菓子の関係- るるりら自由詩26*13-6-24
子午線をこえる風- 月乃助自由詩15*13-6-22
余計な一言が面白いと思っていらっしゃる- 北大路京 ...自由詩1613-6-22
水の季節- nonya自由詩22*13-6-22
Relaxin'_〜或る午後に- ヒヤシン ...自由詩12*13-6-22
光の弾丸- ヒヤシン ...自由詩9*13-6-22
ぼくにできること- たま自由詩25*13-6-21
六月の朝に寄せて- 佐東自由詩11*13-6-19
わたしが子羊だった時(詩人サークル「群青」6月の課題「慈」よ ...- Lucy自由詩21*13-6-18
宇宙ひよこ- ただのみ ...自由詩27*13-6-18
紙飛行機雨の中飛んでいる- 北大路京 ...自由詩513-6-18
Kind_Of_Blue- ヒヤシン ...自由詩8*13-6-18
生きろなんて、言えない- まーつん自由詩22*13-6-17
プレリュード- 壮佑自由詩14*13-6-17
水辺で暮す- 佐東自由詩14*13-6-17
BATTLE_WITHOUT_HONOR_OR_HUMANI ...- 朝焼彩茜 ...自由詩5*13-6-17
静寂の泉- まーつん自由詩12*13-6-17
君の影が動くと私の影も動く- 北大路京 ...自由詩513-6-16
親父の遺言- そらの珊 ...自由詩1713-6-16
修治(しゅうち)- ぎへいじ自由詩18*13-6-16
あの猫の名前はマダナイっていうんだ- るるりら自由詩20+*13-6-15
名詩『夕焼け』の娘の感受性- 夏美かを ...自由詩27*13-6-15
やわらかく- まーつん自由詩21*13-6-14
六月のミーティア- 佐野権太自由詩13*13-6-14
あの猫の名前はマダナイっていうんだ、- あおば自由詩8*13-6-14
親しいということ- 凍湖(と ...自由詩213-6-14
悪魔- salco自由詩9*13-6-13

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