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六月の雨が
育ち盛りのスイカをいたずらに誘う
でも、今年の梅雨は少々しつこくて
早くも冷夏の予感がした
ナスビもトウモロコシも痩せたまま太らない

繁茂するのはスイカのツルと葉っぱばかり
 ....
太陽の嘘を
夜が暗殺する
一瞬の未来がもう過去になる時のなかで
眠らない傷痕だけ
硬いソファで微睡んでいる
絵のない絵葉書が届く
ことばのない詩が書かれていた
ピアノソナタが雨に溶けて
コスモスはうつむき顔を覆う
山の精気が少しだけ薄められ
ものごとを前にしてふと
過去からの声に手を止めている
 ....
     わたしは帰る
     猫の住む我が家へと
     服も靴下も脱ぎ散らかし
     ひんやりとしたベッドへ
     もぐりこむ
     鼻先の生温かなけものの匂い
 ....
駆けた
夜の夢を
君のために
その熱量は
人生で一番荒いから
足が燃えた

賭けた
指差す方向どちらに
行く方が正しいか
それに答えはないので
手のひらは燃えた

掛けた ....
戯れが過ぎたのか
名月が遠い 待てない心臓が加速始め

この訪れの麗らかさを

深呼吸トクトク鼓動にはもって上体を反らして

螺旋の儚い軌道を静止飛んでいる

ひたひたの心に ....
眠れない夜だったから
架空の国へ出かけた

王位継承
森の魔物
結界の霧雨

本を閉じると
外も
いつのまにか雨

この雨が結界なら
私も連れ去ってくれ

見わたす現実の
 ....
あんた証明したい
なんにも 
嬉しいね卵持ってかえりなよ
釘打ってごらん釘
ぎったんばっこん傾いて
地球も発泡してら
ああ君ら目から艶墨ちろちろ流すが
猫がしどろもどろだね
あんた主張 ....
蒼い蒼い秋の空の下
地の涯から
君の名を喚ぶ

蒼い蒼い秋の空の下
地の涯から
君の名を叫ぶ

叫べども
叫べども
声は届かず
蒼い蒼い秋の空に消えていく

空は遠く
蒼く ....
臨死の正夢が
それとなく
覆いかぶさってくるのだろうか
少年の 青春の 壮年の 年月日と
そして 卒寿となった 
ゆがみかけた 四次元が
いまや 逆夢に翻弄されて
夜ごとの枕をぬくめ
 ....
おとこのこたちが
あいしあうのを みて
オナニー してる
あたしは
この世で いちばん
愛に あふれてる
あふれすぎて
殺伐 そして
とても ホット
ファンタスティックでも
あるわ ....
ひかりのあたる角度によって
ものごとは綺麗に反射したりえらくくすんで見えたりもする

シャンデリアのある素敵な応接間
ある生命は空間を得るために代償を払う

それを得られない一部は
高速 ....
箪笥の奥深く秘められていたいくつかの小箱
おそらく母の物であろう歯の欠けた櫛に
出合ってわたしの心が波立つ

そして 夭折した兄たちの名に混じって
ボクの名が乾ききった小箱

それは ....
夏のあいだ僕らは
危うさと確かさの波間で
無数のクリックを繰り返し
細胞分裂にいそしみ
新学期をむかえるころ
あたらしい僕らになった
けれど
ちっぽけなこの教室の
ひなたと本の匂いとザ ....
政府にとっては

決定事項なのだろう

しかし

国民は

政府の部下ではない

主権は誰にあるのか

「衆」は「愚」なのか?
歩いてくる人の音楽
マンションの音楽
電車の音楽
実際に空気を振動させる音とは別の
抽象的な音楽が流れる

抽象的な音楽は
視覚的イメージによって構築される
細胞のような構 ....
しにがみにあいました

しにがみは おおきな かまをふりあげて
わたしのくびを はねようとしました

おもわず めをぎゅっとつぶると
いつまでたっても いたみがないので
おそるおそるめを ....
きみの取扱説明書をみつけた
ちょっと古びて
もう保証書もどこかへいってしまった

皮膚を剥いでゆくように
すこしずつものを整理してゆく

基本性能だけでいいのだ
死ぬまでにデフォルトの ....
雨は降り続け雨は降り
雨雨雨雨 降り続ける

雨が降り続き雨が降り
雨降り続けて秋深まる

雨雨雨雨 降り続けて
蝉の死骸は濡れ溶けて

濡れ腐る蝉の死骸は空
雨雨雨 只降り続ける ....
いつついたのか大きな傷
裏切った裏切られた
どっちが先にやったのか
今じゃあいまいだ
とても知りたかった
ひどいことする理由
道端の石を蹴るようなつもりだったかい
はなについたことはなん ....
ことばを吸い込むと、
身体中の血管が弾けて、
なみだになって流れていく。
そのなみだが、
地に落ちて、
灰色のキャンバスの上に落ちていく。
キャンバスの頬に
薄桃色の赤みが ....
今はもうないくだものを
ないお皿に山盛りに載せ
今はもうないお屋敷の
ないお客様に振る舞うため
両手に捧げ
運んでいく

彼女はもうない白いエプロンを着け
もうない芝生の上に
テーブ ....
痛い痛いと泣きながら
ひたすら和らげようと
体内に入り込んだ異物を
被膜で包みこむ

吐き出すことができないので
長い年月をかけて
耐えぬき
堪えぬいた苦痛を
結晶にする
海の底の ....
神がきみをさらってしまわないように

大好きだよと抱きしめる






こんなにも神が怖かったことはありません






どうか連れていかないでく ....
ある日 
水槽の中で泳ぐ
熱帯魚が
テレビに映った 
青い南の海をみた

こんな狭い
水槽の中では
すいすい泳げない
テレビに映った
広い海に憧れて

ここから
逃げ出そうと ....
かつて まつげに
マッチ三本載せてみせた
少女は
そこへ
小さな蒲萄を
たわわに実らせたという

おとぎ話は
完結してからのほうが
むしろ真実だったりする

まばたきのたびに
 ....
家の目の前が川だから 安心だ
泳ぎ疲れても すぐに家に帰ることができる
天井川沿いに建つ我が家までは
ほんのわずかの距離なので
帰り道は スクール水着のまま 裸足で家に帰る
焼けついたアスフ ....
通勤途中に猫がしんでいる
そのそばをわたしはとおる車で

みなけりゃいいのに
毎日それをみる
毎日

しんでいるなあとおもったり
ごめんなあとおもったり
なんともおもわなかったり
 ....
どれだけの言葉を用いても
伝わらないでしょうが
今わたしはとてつもない力で
あの日の時間を刻み込んでいます

すべてを

幸せだとか切ないだとか
そんな表現が陳腐に感じてしまうから
 ....
光と樹木が交差する
あの夏の濃い陰りを抜けて
ヤンマゆくよ

感光した記憶の傷痕なぞり
迷える樹海の鬱蒼を越えて
ヤンマゆくよ

うすい双翅に光彩を弾き
風の流れを遡り
この目が耳 ....
りゅうのあくびさんの自由詩おすすめリスト(2167)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝の日記_2015夏- たま自由詩21*15-9-5
太陽の嘘- ハァモニ ...自由詩7*15-9-5
秋・逡巡- ただのみ ...自由詩19*15-9-5
金の目と金の月- 石田とわ自由詩16*15-9-4
かけた- 瑞海自由詩8*15-9-3
小さな秋の戯れに- 朝焼彩茜 ...自由詩17*15-9-3
冥府の門- ガト自由詩11*15-9-3
萌えて悶えて- ただのみ ...自由詩7*15-9-2
蒼い秋の空の下- 渡辺亘自由詩315-9-2
緑門_⑤- 信天翁自由詩215-9-2
パール- イシダユ ...自由詩715-9-2
蛍日記- 梅昆布茶自由詩1915-9-2
臍帯- イナエ自由詩22*15-9-2
コピーアンドペーストエンド- そらの珊 ...自由詩23*15-9-2
まるで上司- 眠り羊自由詩1+*15-9-2
抽象的な音楽- 葉leaf自由詩415-9-2
黄昏の会瀬- 愛心自由詩515-9-1
空っぽについてのマニュアル- 梅昆布茶自由詩1915-9-1
雨は只- たけし自由詩815-9-1
- 黒髪自由詩5*15-8-31
分身- あおい満 ...自由詩10*15-8-31
山盛りの果物の大皿- Lucy自由詩10*15-8-31
宇宙の異物- Lucy自由詩8*15-8-31
_- 小原あき自由詩615-8-31
【_熱帯魚_】- 泡沫恋歌自由詩25*15-8-31
まつげに盛られたファンタジー(或いはモナリザの微笑み)- そらの珊 ...自由詩15*15-8-31
川岸- るるりら自由詩10*15-8-31
猫へ捧ぐ- 朧月自由詩715-8-30
告白- AquArium自由詩715-8-30
ヤンマゆくよ- ただのみ ...自由詩18*15-8-30

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