潮音、拡やかな幸福
海の縁に腰かけていた
中埠頭は青くあり
ごうごうと鳴るごとに
背骨のきしむような気がして
足首をさらう水音で紛らせている


波間に叫ぶようなことばを
持ち合わせ ....
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070919/135317/

http://business.nikkeibp.co.jp/fb/ ....
両の指を痛い位絡めて
錆びたフェンス越しに友を見ていた


立ち入り禁止区域
思い切り高く遠くへ放った
僕達の鞄
一瞥して走り行く
君の ズザザと力強い
足元の埃


駆け上が ....
                        4 涙

あたしの名前を告げた
相手は
品のない言葉を何度も何度も
うれしそうに並べ立て
思い出したように奇妙な息遣いで笑い
かと思うとと ....
どく、どく、と
森と、甲虫を熱くした樹液の脈拍の
どく、
夏の最後の一拍、
の響き終わったあとの静けさが
そっと割れて、孵る、
リ…、ひとつ、
生まれたての、震える鈴が
震 ....
全てを飲み込んで許し
傷つけ吐き出す


片足がほろんでいる男の
肘にぶら下がる女

際限なくせばまり風にうずまく砂は
常に何かを形作ろうとし瞬間
走るように崩れ去り
うめきすら ....
本当の入り口はどこだったのか
わかったのは
いつだったろう

どこまで上昇しても
融点はなく
波はひきかえしてゆく
そうやって
のまれても、のまれても
打ち上げられるしか
なか ....
晩夏の草むらに足を踏み入れると
かわいた空気がひび割れて
よれた、真っ白いシーツが敷かれ
見たことのない男が横たわっている
あばらの上には、何本もの{ルビ径=みち}があり
そのどれもが、わた ....
花嫁衣裳でパーキングを疾走する。
シャンパンは、あまい劇薬の味がする。
シャッターは、押さない。

煽動家は、シニカルな微笑を浮かべない。
ストッキングは、ときに利便な凶器である。
シャッ ....
あるお腹が空いた日
しょうがなく戸棚を開けた
何もなかった
幸せすら
見当たらなかった


あるお腹が空いた日
雨粒を一掴み口に入れた
なんの感情もなかった
ただ
冷たくなった雨 ....
{引用=

金色が ふる

まちがすこしずつ
つめたいもようをかさねた ゆうがたのこと



きみが
道路の真ん中で
おおきく手をふっている
さけぶ声はきこえなくて
きらきら ....
もうダメなのかもしれませんが…
とりあえずみなさん、これ読んでください。
『詩学』バックナンバーのぼくのお薦めは、伝説の「西脇セミナー」と
いうのがあって、西脇順三郎さんと詩人が集まって、『Am ....
夕刻の鉄道駅では
通勤客の
ポーカー
フェイス達が
ごった返していて

自動改札機に
ようやっと
迎えられ
財布から
定期券を
ジョーカーを
引くように
取り出し

鉄道 ....
 
 
まだ夜の明けないころ
街は少し壊れた
機械の匂いがする
昨夜からの断続的に降る雨が
いたるところ電柱にも
あたっている
いくつかの窓の中には
ささやかな抵抗と
使い古された ....
                        3. 猫

なんにも感じなくなりたいと
いう願いは
叶ったのだと思う

ごくまれに
昔に出した童話などのつながりで
仕事が来る
童話は ....
小石がはねた
みっつめのところで
沈んでいった
それはそれは
穏やかに
すこし左右にゆれながら
底を目指して
落ちてゆく
水面に
たくさんの輪を残して


さような ....
駅へ向かう道すがら
はいいろをした四本足の生き物が
とぼとぼと歩いていた

(   )駅では
列車が遅れていることをみんな知っていて
でも
みんな口をつぐんでいた

恋人たちは
別 ....
                        2. 顔

電車の揺れかたは
嫌いじゃなかった
外を流れる景色にはしゃいで
シートのうえで
ぴょんぴょん跳ねるたび
おとうさんに注意された ....
マシュはとなり町の病院で死んだ
マシュが愛した
マシュの本屋では死ななかった


マシュは本屋だった
この町一軒の本屋だった
マシュの店は正方形
そこにふるびた黄色い本
この ....
             -「戦後」に


手足が期待のようなものに透け
それを静かに束ね(斜光が胸を薄くする

「きみ、腕が痩せたね
「僕、肩が落ちてね

窓の外から
母たちのお ....
昨日は忙しい時間に 
トイレに座らせたお婆ちゃんの 
下ろしきれなかったパンツが 
お尻と便座に挟まって 
無理に脱がせると 

  びりり 

両手で持ったパンツには 
小銭の穴が ....
おじさんをたずねていくと

いとこの女の子が大きくなっていた。

久しぶりなので小遣いをあげると

喜び跳ねて菓子屋に行った。

秋入梅のなかで、妙に晴れたこの日に

おじさんはや ....
川上から
くちびるも切れないような
と、いう言葉が流れてきて
あわてて口角をぬぐう

せっかく飲んだ酒を
鴨川に吐き捨て
突っ込んだ手が、宙ぶらりん
いびつな弧を描いて
よどんだ虹が ....
                        1. 雨

そういえば一度も
バケツをひっくり返したことなんて
なかったと思う
ああ
冷蔵庫を窓から投げ捨てた
ことがあった
そんな雨が ....
  は
   なので
  しないでください


通りすがりの商店の
入り口の看板
赤い文字のところが脱色して
(何故たいてい赤なんだろう)
黒い文字だけが残った

「葉なので ....
ほら みて
ふってるよ


あなたが言う

窓の外をみると
ぎゅ っとひざをかかえた雪 
みたいな雹が
こつこつと
じめんにおちてきた


なんだろうね これ

ひょう ....
 (カテゴリの分け方が難しい。これはここでいいのかちょっと不安です。)

 小さい頃の私はとても気難しい子供だった。好き嫌いも激しく、頑固で、寝つきも悪かった。よく親に「山の中の一軒家で暮らせ!」 ....
とってめかしいリンパの流れに、
ストップウォッチは疾走する。負け
ないようにCD―Rを回し投げ続け
たら、白樺の木を切り倒す結果にな
った。カミナリから我が家を守り続
けていた白樺の木。
 ....
あれからどのくらい経ったでしょうか
もう長い事ぼくはこうして
ここに座って何かを考えています
答えは出たり出なかったりして
相変わらずの堂々巡りです
それでも
一応元気にやっていますよ
 ....
焦点をぶれさせるため朝はある 指のすきまに宿る色彩

眠り明け 耳鳴り低く響くので 夢のはしから余白を殺す



むしられる前のつぼみに似たひとの、首をしずかに傾けるさま

唐突に遠さ ....
mizu Kさんのおすすめリスト(286)
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無題- 石畑由紀 ...自由詩14*07-10-10
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