雨戸をしっかり閉める
窓をしっかり閉じて
鍵をかける
電気機器のコードをすべて抜いて
ガスも水道も止めて
明かりも消して
それでも
どこからか音が聞こえてくる
時計の電池を抜いて
 ....
遠くに浮かんだ憧れを 
指を咥えて見ていても 
訪れること無い幸福は 
舌を出して飛んでゆく 

路面に映る人影の 
胸に{ルビ嵌=はま}った丸い水鏡は 
誰もいない夜道を往く 
独り ....
 水面に、静かに輪が広がり、女が浮かび上がってきた。
 そしてその女は、青緑色の沼の表面に浮かび、まるで肘をつくかのような格好でこちらを見た。

 時刻は、薄ぼんやりとした昼間で、のんびりと釣り ....
紡ぎ方を忘れた鳥は、手のひらに何を刻めばいいのか
温度差、呼吸の深い、遠い
渡ることの出来なくなってしまった彼らを
僕らは繋ぐことで
   (手のひらだったのか、どうか)
          ....
人々の行き交う夕暮れの通りに 
古びた本が 
不思議と誰にも蹴飛ばされず 
墓石のように立っていた 

蹴飛ばされないのではなく 
本のからだが透けているのだ 

聴いている

時 ....
かげろふやガソリン一滴惜しむ日々

花散るや小猫は野辺に腐りつつ

病む祖母のひとみ濁れり藤の花

わが胸は花花花とうづきけり

秘めごとは肉の匂ひや落椿

佳き人のお尻は白し夢の ....
『詩の言葉と、僕が知る限りの詩と言葉の境界について』


「わたくしという現象は・・・ そのとおりの心象スケッチです   巨大に明るい時間の集積のなかで・・・ 発見するかもしれません」(宮沢賢治 ....
冴えすぎた身体 仰ぐ瞳にうつる天井の白さだけが無実
帰ったらコッカコーラ飲もう




握る手のチップで繋がれたラブアンドセーフティ
ネオンの微笑みきょうもあいしてる




 ....
俺の会社は、なぜか各大学の空手部、相撲部、柔道部、レスリング部のOBが集まるところで、派閥もいわゆる学閥ではなく、格闘技別と言った雰囲気がある。
ちょっと不思議な会社かもしれない。
俺はボクシング ....
{引用=近道して
とおりぬけた石段に
昨日の雪が つもっている

桜に降る
ちいさな雪が
毛布のように 町をくるむ


あなたは
商店街のゆるやかな坂を下り
あおく ひかる
 ....
   書いては消し、
   書いては、
   消し、


   夜 、
   に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
   雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
「ダックス!」
といきなりいわれた
ソファーでひっくり返って
ノビている姿が
ペットショップで見かけた
ミニチュア・ダックスにそっくりだという
あんなふうにやわらかい腹をムキダシで
無垢 ....
こっそりと
ゆびわをかじると きいん とする
ぽっかりと
ちいさなあなのあいた夜

空の一部を
せろはんてーぷのぎざぎざで
ひかりのかたちに
切り抜く


わたしのへやで
ちか ....
いつもひっそりと
わたしの庭を守っていてくれた
垣根の木
なんていう名前だっただろう
とつぜん気になって
落ち着かなくて
たしか図鑑があったはず
なのに
本棚にも押入れにも
どこ ....
男湯から君に話しかけたかった
石鹸が指からすりぬける音も
手ぬぐいをしぼる強さも
とてもよく知ってた
あの頃僕は独身だった
おそらく君も
牛乳を飲みたかった
 
 
墜落するくだものたちをあなたは笑って見てる
 
 
白い砂をびんにつめるのはながれだしたときの音が美しいから
 
 
二年生の教科書に書き込んだ虚像はわたしによく似ただれかのわ ....
花のあいだで
ゆれている、そらの
うすくひかる すずの音に
目を閉じずに

さよなら は言えず
いちばんかんたんな発音で
ゆびのてっぺんを空に向け
開いたままで

ふいに
 ....
パンの焼けるにおいだけが明るい
苔が吐く息だけが甘い
朝になりかけのままの朝
小石をなげる雨のいたずらに
幾たびも眼を開ける

エメラルドの雨を泳いで渡る
赤い自転車は泣くだろうか
傘 ....
 黒頭巾ちゃんは、電車で2駅の場所にあるケーキ屋へ、クリスマスケーキを注文するためにお出かけしました。
 もちろん、普段の黒頭巾ちゃんは緑の頭巾を被っていますので、黒頭巾だと見破られるようなことはあ ....
きみが少し元気なときに
庭に植えた白梅に
真珠の粒がころころと
それは春の序章とも言える

きみが好きだった春の 前髪が見えて
それはきみの季節とも言えるが
メディアから塗りつけられる春 ....
一。


 この街ではつめたくて、誰もが当然のような顔をして、歩いて、いる。ぼくらは他人のふりをするのが得意だから、みんなすぐに誰かに成り切って、誰にも知られない ....
腕切るわなんて言い出すから、せやったらやってみいよというと、困った顔になって、ほら見たことかそんな度胸もないくせにと笑って冷蔵庫のビールを取り出して、だからお前はいっつも脅すだけで何にもできへんねんな .... 眠りをすり抜けた昨日の喪失は
ぱらり、
白いお皿への林檎と一緒に
落下して
静止する





ぱらり、ぱら、ぱら、手の平から
白いお皿へと、剥いて ....
ただ絶望して
まっすぐ炬燵に落っこちた
寒い夜だ


時雨という
美しい名をした雨が
しとしと降っていた
人はこの名を愛すというが
温度はまるで刺すようで
指はきんきん
 ....
大きなマルが描きたかった
テーブルには収まらず
床のうえにはうまく描けず
壁は論外で
仕方なく庭に出た
引き潮で乾いた土のうえに
棒で線を引いていくと
小石にぶつかるたび歪むので
 ....
噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい


 2004年11月23日制作の上記「噴水の話」から、昨 ....
昨日は水曜日
カウンセリングに行く
きもちのなかでの幅がなくかなしくもないがたのしくもない
記憶力が低下中
なにもおもいうかばず
こころにひっかかるものもなにもない
あいかわらずの毎日がた ....
カラビナ、切っていくんだろ
お前の自我が燃えている
こちらの電車が燃えている
スタンダードな鉄柱の
かすれた声は裏側に
山手線の内側で
正しい摂理を殺したら
徐に雨が降っていた

足 ....
朝ごはんの支度のあいだも
ゆっくりお茶を飲んでいるときも
外がなんだか騒がしくて
庭に出てみると
黄色い風船がひとつ
軒先にひっかかって揺れていた
物置小屋からはしごを出して
なんと ....
(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=168092の冒頭に転載)


映画は時間とともにヨコに流れる「時間芸術」である。しかし、それはときに、一瞬にして強 ....
mizu Kさんのおすすめリスト(286)
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春はワンピースを着て- 森さかな自由詩408-4-10
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●そろもん(あとがき)- みつべえ散文(批評 ...4608-2-17
カウンセリング(テスト)- モリマサ ...自由詩708-2-16
カラビナ、切っていくんだろ- ピッピ自由詩1808-2-11
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批評祭遅刻作品■時を止める—「殯の森」と「ノスタルジア」にお ...- 渡邉建志散文(批評 ...10*08-1-30

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