何処までも続く田んぼ道を
傘を差しながら歩いていた
泥濘に足を捕られ
踏み込んだ足音に
ため息が一つ、呼応する
辺りはすっかり暗くなった

バスの停留所が見えるまで
ひたすら途方も無 ....
 下宿の上階に女郎が住んでゐた。
 座敷に出てゐる時の女がどのやうな格好をしてゐるかは知らなかつたが、開け放した窓から上体を乗り出した姿は馴染みのものだつた。
 案外に短い髪は肩で踊り、着崩した着 ....
冷やし中華が
静かに終わった奥の方
特別なこともなく
人をまたぎ
人にまたがれ
狭い柄模様のシャツが
時々きれいだと感じられた
入口の貼紙には
かつての文字のようなものが書かれ
それ ....
夏の名残を雨が洗うと
淡い鱗を光らせたさかなが
空を流れ
ひと雨ごとに秋を呟く


九月は
今日も透明を守って
焦燥のようだった熱や
乾いた葉脈を
ゆっくりと
冷ましながら潤ませ ....
さかなやさんがやさがししてる
やさしいおさしみつくるひと

やさいやさんがめさいやうたう
いざやいざなえやそのくに

ささらえおとこはきにさわる
ささゆりささやくささめごと

ささら ....
* 文体について

文体といっても、たとえば仕事のメールならば、誰が書いてもおよそ同じものになる。
ビジネスの場では、ぼくらは常に非人格的な振る舞いを要求されているからだ。
しかし、マニュアル ....
最初の 真昼の 星が

ことばの 紀元前に またたいて いる

やってきた 9月

地には ことしの 豊穣を

やくそく した 稲穂たちや 曇った空

透明な 稲びかり ....
老人介護の
問題提起は
現代社会の
人間関係の
希薄さを
我々全員に突きつけています。

地域の
福祉は
善意の
奉仕によって
まかなわれるものの
やはり
現代社会の人間関係 ....
くちびくろさんぼ

銀星を憎む製図コンパスについ
た小さい鉛筆のぼくだ
おっかけこする心臓がつぶれそ
うなくちびくろさんぼのぼくだ
くるくるまわるタイガーの春だ
空から桜が散るよ叶わない ....
  {引用=
  めちゃくちゃに頭がキレるのにひとつだけ
  熟語の読み方を間違えている友人がいて、
  21世紀の学生らしからぬ高尚な論議に花を
  咲かせているときに限って彼がその言葉を
 ....
ますます狭い部屋に
閉じ篭もってゆくわたしを
あなたは窓の外からチラリと覗いて
さも知った風に
典型的な自閉症だね
なんて言うから
わたし おかしくて
おかしくて
うつむいて肩を震わせ ....
さよなら、さよなら、


記憶を解き放って 
遠ざかる夏の
四角く切り取られた 空


枠からはみだした場所では
かなしみによく似た顔の
ぼくたちが
今も、酸欠になっている

 ....
パンの いる 午後

滑るように わたるように 遠投...

その 距離は 長く 零の領域で 黙秘 して いた

コバルトの 蜃気楼の むこう から

泣きながら 出て い ....
・無駄使い

 もしも、ひとから「特技は何ですか」と尋ねられたら、「無駄使いです」と答える。
 お金にしろ時間にしろ体力にしろ、別に有り余るほど持っているわけではないのだが、
 自分が自由に使 ....
真夏の陽炎の向こうから
短い編成の列車はやって来る

そのいっぱいに開かれた窓から
ショートカットの後ろ姿が見える

列車の外から
車両の様子は
ありありと伺えて
制服の脇に置かれた ....
                070805



一人前500円
それ以上は駄目!
経理担当に釘を刺されて出てきたが
500円のお弁当は少し貧弱
食欲旺盛の人たちにはもの足りないと
 ....
 どうも批評というものは、ネットのような有象無象が集る場所ではかなり誤解されているようだ。批評を作品に対する単なる悪口と同義に思っている人がいるらしくて、びっくりしてしまう。その程度のものだったら「批 .... 41

市民会館の大ホールを
ゼリーは満たしていた
屋外では雨が
土埃の匂いを立てている
観客の思い浮かべる風景は
みな違っていたが
必ずそれはいつか
海へとつながっていた


 ....
軽いものからゆっくりと重力を失いながら空中に溶けていく
見えなくなっていく
オゾン層のところでオゾン層を破壊しながら
悪意が宇宙に滲みだすが
宇宙の方では自業自得くらいにもおもわない  ....
あさ
ゆうやけ色のやさいたちを
こわしてゆくときに
ふと香る 昨夜の
ねむりにおちてゆく、
やわらかい
眩暈



きょうはいつも きのうの続きだから
きのうの夜も
まくらにほ ....
ケトル・
薬缶をコンロの火にかけている
台所には西日がさしこんで
それは雲と雲のあいまに
ほんのわずかのすきまがあって
そこから覗いたもので
束の間ってやつ
台風は過ぎていったようで
 ....
こちらにいらしたあをの過程さん、がいなくなって、
私にはどうしてもどうしても、彼を、とか彼に、とかの詩や散文は書けない。
ただ、これから私が書いていく詩の中に、少しでも良いものがあったら、
そこ ....
あおい月がしずかに沈むのを防ぐために、どれだけの灯
りが必要だろうか。どんな空の下でも、繰り返される息
があり、その色は見えないが、あかでもなく、みどりで
もなく、あお。それに限りなく近い色だろ ....
大覚アキラの詩は油断できない。
分かりやすい言葉で書かれ、親しみやすい内容かと思わせておいて、
必ず後半にドキリとさせられる。案内されるままに無防備について
ゆくと、突然振り返ってナイフを突きつ ....
半ば くらい世界を 見たよ... と

おもい あがった 少年

トマは 12歳

素もぐりで もぐっては

金の さかなや 銀の 貝を すなどった

伸び あがった  ....
ふだん
ねむっているひとに
いきなりの乗馬は
たぶん
きびしいから
南瓜に
窓を




そのままいのちのような
生ぬるい 風はまだ 
うすまった春を連れていて
や ....
東京、ぼくの見た東京
髪や服に滲みついた煙草と、酒と青春と


01/06/2007
イヤフォンは四六時中、質問を繰り返す
だから答えばかり眺めている
きみのいないところで
間違い ....
柔らかなシーツのうえで目が覚めて
ああなんて暴力的なまいにちなんだろう
とおもった

日記を書く習慣はあっというまにモノクロになって
美しい夢物語ばかりが微笑んでいた

彼は
嘘をつく ....
http://www.avantgardeproject.org/
http://www.avantgardeproject.org/archive.htm

名前がそのまんまだけど
結構古い ....
きみ
                    目次

              はんたいがわから
                 しんだふり
               これっ ....
mizu Kさんのおすすめリスト(286)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
母の上空- 佐藤清児自由詩507-9-16
下宿の上階。- ヴィリウ散文(批評 ...307-9-15
冷やし中華終わりました- たもつ自由詩707-9-14
浜辺のうた、かた- 銀猫自由詩34*07-9-12
おさしみ- 小池房枝自由詩12*07-9-12
文体について、経験について- んなこた ...散文(批評 ...407-9-12
天国の子どもたち- モーヌ。自由詩16*07-9-7
やさしいうたはうたえない- しゅう未詩・独白2*07-9-5
くちびくろさんぼ- m.qyi自由詩1007-9-5
おっぱい- れつら自由詩307-9-1
- 明楽自由詩207-8-27
やさしみ- 望月 ゆ ...自由詩42*07-8-27
モノクロームな_セリスモス- モーヌ。自由詩10*07-8-18
八月前半- んなこた ...散文(批評 ...107-8-18
夏列車- 銀猫自由詩23*07-8-6
ポケットに速度- あおば自由詩3*07-8-5
批評について、ふたたび- 岡部淳太 ...散文(批評 ...14*07-8-4
「その海から」(41〜50)- たもつ自由詩1407-8-4
- モリマサ ...自由詩907-7-23
あさのつづき- はな 自由詩22*07-7-20
ケトルか薬缶か- 水町綜助自由詩707-7-15
あをの過程さん- ふるる散文(批評 ...12*07-7-14
The_Blues_Are_Still_Blue- 岡部淳太 ...自由詩11*07-7-14
「用意していたナイフ」−大覚アキラ「水族館」- 木葉 揺散文(批評 ...8*07-7-11
海の児のうた- モーヌ。自由詩16*07-6-22
南瓜の馬車- はな 自由詩15*07-6-17
東京無音日記- はらだま ...自由詩32*07-6-8
目を瞑る- オオカミ自由詩707-5-29
AGP(音楽カンケー)- 黒川排除 ...おすすめリ ...207-5-11
きみ_(連詩)_(1/2)- アンテ自由詩5*07-1-3

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