アルコール漬けの脳髄が
ひとつ
秋の夕空に浮かんでいる
宇宙はこわれて
とろとろの熊になった
やわらかで許された
ひとりぼっちの熊
わたしが出会うのは
その熊の孫の孫の孫の孫
なのだけど
まだだれも知らない
とろとろの熊しかいない

 ....
なめくじの聞こえない歌声が家の下から聞こえる
なめくじの湿った心がぬるぬるの木屑から立ちのぼる
なめくじがゆっくりと顔をめぐらして食い物を探している
大食いなのだ この楽観論者は

金属質の ....
君の入力した行を
 タイトルに
  変更しますか
変更されたのは
 中身ではなく
  タイトルだけですか
タイトルは変更
 されました 貴方ではない
  誰かの
 手を失った 足によ ....
空きびんのそこに
ひかりをいれるやりかた

まくらについたにおい
夜のしみついた

空きびんのそこにある
ひかりみたいに
安っぽく
安らかで

失われやすい
性質だったな
 ....
 
 
僕の自転車が
僕から離れて
砂漠を横断する
暑くないように
ハンドルに括りつけておいた
涼しい模様の日傘を
ボロボロにして
それでも自転車は
たった一台で
砂漠を横断し続 ....
失いながら朝がくる
おびえながら
いっぽいっぽいっぽ
支えるものなんかない
そんなことを考えるなと
君はいう
同じいっぽをだしながら
よるの
うろこぐもみて
あるいてると
およいでる



生きたい

おもいながら
生きていける
ようになるのは
いつだろう
あるひるさがり
わたしたちは
ひとのふりをして
おしゃべりしていたはずなのに

あなたはとつぜん
てのひらをあわせて
わたしをおがむのだった

どうかじょうぶつ
してく ....
コップへ注いだ水を飲んだら溺れてしまった

「陸で水を欲するからさ」
俎板の上の鮎が嗤う

だらだら、というよりはすらすらと、皮膚の上を汗が流れていく
視界の隅で蜘蛛が歪む
首筋が  ....
死ぬって
いなくなるってことなんやね
もうあえない
あえるうちに
あいにいけばよかった
これからあたしは
何度そう思うんかな
なにがあたしをひきとめたのか
風にきく
太陽にきく
こ ....
夜が明けた。
冷酷な夜の鶏(とり)のサイレンの。
そうそれ無機質な(夜気)にひそむ
明けない呼吸
 
 
選手もいない
観客もいない
ただマウンドの上に
白く滑らかな豆腐だけがあって
時折吹く風に
ふるふるとしている
気がつくといつも
そんな球場を眺めている

 
 
それはいつもそこにあるから
しかたなくて
必死にいのちを擦りあった

てんてんと開いたあなから
すこしずつながれだして
しかたないから
必死にいのちを擦りあった

かなしくもない ....
都会はとても静かで
ちょっとかっこよくなりたくて
屋上に出たりする

前髪があるのも似合うねぇ
と友達が言ってくれた
少しずつ、変わるもの


都会はとても静かで
顔のわきっちょに ....
いすのないブランコが
かぜにゆれている

きっとあれは
おばけのブランコなのだ

ふざけてしゃがんで
ブランコのるふりしていると

かぜのこえが
こどものこえがきこえる ....
探し物をしている
今朝の気がかり
思い出せない名前

探し物をしている
ゆっくりそれでいて少し
あせりながら
だって今日がまた
終わってしまうから

見つけ出せずにいるのは
小さ ....
れいぞうこをあけると
いつかのなつの
せみのこえがきこえる

わたしは
トマトをひとつとりだし
つめたいそれにかぶりついた

れいぞうこをしめると
せみのこえはやみ
ト ....
液体で生まれる
混ざりながら/ゆっくりと凝固する
凝固したら溶ける
液体になる
蒸発する

液体で生まれる

あいということ
いきること/しぬこと
月夜に
クロール

前進は
藍を割って


どこにも
届かない
それでいて
暖かい


指先は
ゆっくり
夜に染まる
ちりちり、ちりん
しゃりしゃらん

秋のはじまりの夜は澄んで
いくつもの水面に映し出される
まるい光を数えて歩きます

ふくらんでいく気持ちが
ぼくの肋骨を、内側から
甘く、うずかせ ....
 
 
カマキリ会社のカマキリ社長は
用件が済むと電話を切る
鎌で電話のコードを切る
以下、カマキリ専務、カマキリ部長、
カマキリ課長、カマキリ平社員
みんな電話のコードを切る
だから ....
さなぎの原はそらの土地
とうめいな樹木のつづらおり
千丈の根にうおの骨、
絡まるたおやかなうおの骨。
おまえを祝ってしんだのです。

さなぎの原は海のそら
わたる針金の雁の群れ
うすみ ....
 
 
月のきれいな公園で
偽物の手品師が
偽物の練習をする
隣のブランコでは
飼い猫が眠っている
昔から偽物だから
何も出せないし
何も消せない
しかも猫すら
なついてくれな ....
夏が去ったあとのがらんどうに
いつしか白く大きな九月階段が出現していて
そして僕らはその段々の上に
蒔かれたように腰かけていた
ただそこで空を見あげていたり
何かを読んでいたり
歌をうたっ ....
まんたもん

もう まんたもん やん ゆうたもん
みやてと まに もに たむいやな
よのやも やのまい ねをめたもん
たんなんね やんとんよ

( ねねねねね 笑 ねねねねね )

 ....
よくみられたい
よくおもわれたい
少なくとも嫌われたくない
そんな鎧は
いったん着てしまったら
脱げないよ

いらなかったのに
そんな鎧をいつから
着てたんだろう
重いのに
脱げ ....
熱がある時に観る
テレビのような現実が
頭の端っこで丸くなって
きれいに瘡蓋になる前に
剥がして/痛がって/泣いている
雪のように
純白ではないけれど
雪のように
この手を
冷えさせたりしないのが
わたしの日々です


埃のように
身軽ではないけれど
埃のように
掃き捨てられたり
拭き取 ....
わたしたちはそこに腰掛けて
ふたりで缶入りのウーロン茶を飲むの
素敵でしょう

すべての終わりに

そしてそれから
あなたはわたしに傷つけられる

信じられないかもしれないけど
 ....
草野春心さんのおすすめリスト(1173)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
孤独- ぎよ自由詩711-9-19
とろとろの熊- はるな自由詩1011-9-19
なめくじ- 非在の虹自由詩3*11-9-19
入力した行、タイトル、- 狩心自由詩311-9-19
性質- はるな自由詩511-9-18
かげろう- たもつ自由詩611-9-17
あゆみ- 朧月自由詩111-9-16
うろこ雲- はるな自由詩211-9-16
おかわり- 小川 葉自由詩111-9-16
陸で溺れる- つみき自由詩611-9-15
いつもの場所にいない君- 朧月自由詩111-9-15
呼吸- こしごえ自由詩2*11-9-15
豆腐球場- たもつ自由詩511-9-14
untitled- はるな自由詩611-9-14
東京タワーのあかいろは- みぞるる自由詩411-9-14
おばけブランコ- 小川 葉自由詩111-9-13
見つけたいもの- 朧月自由詩211-9-13
かたち- 小川 葉自由詩311-9-13
あいということ- つみき自由詩611-9-13
クロール- はるな自由詩511-9-13
明月によせる- 橘あまね自由詩811-9-12
カマキリ会社の皆さん- たもつ自由詩1011-9-12
さなぎのはら- つむ自由詩4*11-9-12
月夜の偽物- たもつ自由詩211-9-11
九月階段- 塔野夏子自由詩22*11-9-11
まんたもん- 乾 加津 ...自由詩9*11-9-10
あたしのまま- 朧月自由詩811-9-10
頭の端っこ磨り減らして- つみき自由詩911-9-10
積もらない日々- 千波 一 ...自由詩7*11-9-9
すべての終わりに- はるな自由詩511-9-8

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