てんたかく
はるな


秋晴れてんたかく、
静止した窓のむこう
水たまりを揺らすような声が
こだまする

静止した窓の向こう。

つらなる洗濯物の束の白(いたい)
枕にうもれた
寝顔のただしさよ

(いたい)

アデルは、
あなたじゃないひとが教えてくれた
空の高い日は
鼓動が落ち着くように
かけてくれた

両手をたかくあげて
鼓動がおちつくように

やわらかい壁は
かたちを成すから
だれにも
勝てないんだよ

水たまりを揺らすような声
アデル、
あなたじゃないひと


だれも
あなたじゃない


静止した窓のむこう
秋晴れてんたかく
枕にうもれた
寝顔のただしさよ



自由詩 てんたかく Copyright はるな 2011-09-23 12:27:06
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