彼岸/初秋
つみき


万珠沙華に埋もれた肌の白さ
眩んだので栗の木肌に齧り付きました

露が濡らした唇から爪先の艶かしさ
喘ぐまいと墓を掘りました

落陽に照らされて香るしなやかな黒髪
乾いたので口に含みました

全てを/閉じ込めたい と

「潰して」
いいえ
押し殺しました

虚ろな瞳を舐め上げて
その舌を切り落として埋めました

陽射し掠れる初秋/慕情も暮れる頃に







自由詩 彼岸/初秋 Copyright つみき 2011-09-20 10:36:41
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