{ルビ涯=はて}を{ルビ悟=し}っている靴はさいわいである 説明して
今すぐに
わたしに
女の子のわたしに
それをする必要があったのかどうか

でも

説明なんてしないで
理由なんて持たないで
女のわたしに
説明なんて
しないで
 ....
夜、は
首筋からこぼれ落ちて
かすかに甘い蜜のにおいを
隠している

命令に逆らいたい鳥たちが
もうじきそれに気づくだろう

囲いはすでに
万全なのだ



風がかく ....
それから、わたしたちは
たわいもない話をした
例えば
太陽熱の行方であったり
入道雲の裏側についてだったり
陽炎みたいな
曖昧な、話ばかり選んで


窓から顔は出さない
直線的に切 ....
かつて、
さよならをしたこと
あいしているよ

それはむかし
わたしがにんげんらしかったころ

いまはある

いまがある
夢の中に美人女優が現れたので 
ふら〜りと吸い寄せられていったら 
ぱっと姿が消えて、目が覚めた。  

隣には、妻が小さい{ルビ鼾=いびき}をかいていた。 

起き上がって、ソファに腰を ....
幕開け前の誰もいない舞台に 
一つの卵が置かれている 
(あの中に、瞳を閉じた胎児の私がいる) 

ぴしっと殻を破り 
世界に顔を出す瞬間を夢見て 
(胎児の小さい心臓が、高鳴っ ....
ソリッド!

砂浜を駆ける女子男子
明日みたいな陳腐な思い出よりも
永遠に続くモラトリアムを
(信じていたい)
目隠しをして希望を叩き割り
絶望につかまって海を泳ぐ
日々大地を揺らす裏 ....
芯と同化して立体となる。
直立するための平地の上で、立体となる。

直線が曲がった軌道を描くように
この芯もまた
曲がった軌道を描くことができるはずだ。

(幻の引き手の人)
芯の曲が ....
ある種の恋愛をすると、わたしはかなしくなってしまう。それが順調にいっているかそうでないかとは関係なく。むしろ順調にいっているときに。途方もなく、きりもなくかなしくなってしまう。意味もなく、理由もな .... 動かないで。動いたら動かされてしまう。動かないで。動かさないで。動きたいけど。動かないで。絶対に動かされてしまう。そうして次には自分から動いてしまう。そうなってしまうから動かないで。わたしを愛さないな ....  
 
駅前に無料相談所があった
男の人に相談した
普通の感じがする人だった
無料だった
銀行強盗を終えたきみと待ち合わせて
涼しい喫茶店に入った
二人でチョコのパフェを頼んだ
周り ....
鎖につながれたまま
ぼくは海へと落とされた

からだが腐敗していくよりも
錆びついてしまうような、
そんな気配が恐ろしくて
頑なに
ぼくは目を見開いて
泳ぎ去る魚のひれなんかを ....
轢いてしまった
かもしれない
と思って
何度も道を戻る
時間を永遠に
くり返している
澄み渡る日、

やわらかい音

ひかり

いつも、いつも

待ってる
日が暮れて
大勢の人が家に帰った
私たちは研究棟を出て
砂浜に下りる
波ひとつ立たない
海を眺めながら
思い思いに飲んだ
ソルティ・ライチ
かわいそうね
かわいそうね
きみはもういないのね
ぼくは天才だから

かわいそうね
かわいそうね
きみをみているとかなしくなる
ぼくは天才だから

高い山にのぼってね
そこか ....
ピアノたんたかたん
ぼくはひけないしうたえない
楽譜もよめないまま
ここまできちゃったのです

のぼりつめたの?
おちぶれたの?
ここがどこだかわかってる?ふりをして
とおくをみつ ....


うちのトイレにはアインシュタインが住んでいる
排泄する度べろべろと舌を垂らしながら
私を蔑んでいる



私が眠りにつく前に
息子の顔に二、三度キスをするのだけれど
息子の ....
たったいま
この詩をよんでいる
あなたがきらいです

わたしに言われて
どきっとした
あなた
名前はなんと
およびすればいいでしょうか
あなたの名前は
あなた
ではないはずなの ....
{引用=ああ、ここは遊泳禁止だったのか
足が着かなくなって気付いたよ
ヘラの母乳は少し苦いね
俺もここでおしまいなのかも
日本語の「さよなら」は
おかしな響きだね}



ラブホのネ ....
ペットボトルで
金魚を飼っている男が
近頃は断水が多くて
ままならないという
言いながら口をつける
そのボトルの金魚が
今飲まれるか
今飲まれるか
気になって仕方ない
夏の底では
夜が冷える

縫い合わせた理性では
この泥濘は超えられぬ

凍ったラムを
コーラで溶かす

溶けきる前に
罵倒しに来て
赤子のように

愛したひとがいた

しあわせだった


はじめて知ったひとの乳首を

赤子のようにさがした

姿が見えなくなったり

声が聞こえなくなったりすれば

泣き ....
 
 
陸地では使われなくなった文字が
水槽に降り積もっている
僕はエスカレーターから
その様子を眺めている
前の人の袖が
風のようなものに揺れて
明日になれば
おそらく別の人の後ろ ....
さっき捕まえた蛾が
腹をひくひくさせていて
卵を産むのかと思う
葉の上に置いてやると
動きが止まり
腹を破って
なにかの虫がこぼれる
その虫が世界に広がる
 日本海にしずむ
 落陽は
 おおきくて美しい
 と、ラジオでだれかが言った

      *

 かつて
 五島灘にしずむ
 落陽を
  ―― オレンジ色のおおきな
 ....
橘に
誓う

この
想い

橘に
祈る

この
想い

橘に
遠くを過ぎていく船
雲の波紋
今日も川岸で一人
友達のいない私は
一人なのだと思った


誰もいない
遠い街で
私は喫茶店でエッチな小説を読んでいた
誰かが 私のことを待ってい ....
白熱電球の下で
彼らは蛾の分類をする

人魂は寂しげに
天井の隅を漂っていた
草野春心さんのおすすめリスト(1173)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- もっぷ自由詩711-8-12
説明して- はるな自由詩211-8-12
漆黒- 千波 一 ...自由詩3*11-8-12
休息- あ。自由詩6*11-8-12
象潟- 自由詩211-8-12
妻の寝顔_- 服部 剛自由詩511-8-11
誕生_- 服部 剛自由詩211-8-11
プシュケ- ピッピ自由詩511-8-11
矢芯- yuugao自由詩3*11-8-11
奪うのこと- はるな散文(批評 ...311-8-11
動かないで- はるな自由詩311-8-11
水槽の下で- たもつ自由詩311-8-10
ブルー、もしくはブルー- 千波 一 ...自由詩4*11-8-10
事故- 春日線香自由詩211-8-10
昼間- 自由詩211-8-10
ソルティ・ライチ- 春日線香自由詩111-8-9
kiri- ゆうと自由詩211-8-9
リハーサル- ゆうと自由詩411-8-9
アインシュタインの罠- ゆるこ自由詩311-8-9
あなたというあなた- 中川達矢自由詩19*11-8-8
8月7日(七夕)- ピッピ自由詩411-8-8
断水- 春日線香自由詩511-8-8
ラム- はるな自由詩211-8-8
赤子のように- 吉岡ペペ ...自由詩311-8-7
追いかけっこ- たもつ自由詩711-8-7
拡散- 春日線香自由詩411-8-7
洛陽は落陽の果てにあって- 石川敬大自由詩19*11-8-7
- りり自由詩1*11-8-6
淡い唇の幻- 番田 自由詩211-8-6
浮遊- 春日線香自由詩111-8-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40