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公衆便所で産んだ赤い卵を
明け方、ゴミ箱に捨てました
胎児のように丸くなったホームレス達が
横目でわたしを見ていました

ただいま/おはよう/おやすみ
ガムシロップを唇に塗ってキスをし ....
 とうめい/だった

―.

透明だった、でも紛れなかった
やわらかさを感じて、温度がある事を知った

それぞれが違う形をしていて
それでも丸みを保っていた

誰か、が
誰か ....
プラスチックで出来た心臓はいつだって鏡に映らない

スニーカーの底に穴が開いていて、覗くときみが見ている
怖くて水溜りを踏めなくなった

プラスチックで出来た心臓が唸っている
引っ掻き ....
奇数は孤独でした

時々 胎児を宿す夢を見ました
(目覚める度に 酷く失望して)

奇数は孤独でした

時々 身体が欠ける夢を見ました
(目覚める度に 劣等感に襲われて)

奇 ....
万珠沙華に埋もれた肌の白さ
眩んだので栗の木肌に齧り付きました

露が濡らした唇から爪先の艶かしさ
喘ぐまいと墓を掘りました

落陽に照らされて香るしなやかな黒髪
乾いたので口に含み ....
コップへ注いだ水を飲んだら溺れてしまった

「陸で水を欲するからさ」
俎板の上の鮎が嗤う

だらだら、というよりはすらすらと、皮膚の上を汗が流れていく
視界の隅で蜘蛛が歪む
首筋が  ....
液体で生まれる
混ざりながら/ゆっくりと凝固する
凝固したら溶ける
液体になる
蒸発する

液体で生まれる

あいということ
いきること/しぬこと
熱がある時に観る
テレビのような現実が
頭の端っこで丸くなって
きれいに瘡蓋になる前に
剥がして/痛がって/泣いている
草野春心さんのつみきさんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
赤い卵- つみき自由詩311-10-7
やわらかくあたたかくとうめいなもの- つみき自由詩411-10-6
プラスチック製- つみき自由詩411-10-4
奇数- つみき自由詩111-9-26
彼岸/初秋- つみき自由詩311-9-20
陸で溺れる- つみき自由詩611-9-15
あいということ- つみき自由詩611-9-13
頭の端っこ磨り減らして- つみき自由詩911-9-10

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