恋愛ごっこ
美柳 章

「口数の少ない女性ヤツが良いぜ」

「野性的な男性ヒトが良いわ」

まるでファミレスのメニューを広げるような出会い

会計が済んだらこっそりテイクアウトのオバチャン

シャワーの音が止まるのならば

愛だけが欠落しているしらけた夜

ぐるぐる回るベッドに身をゆだね

二人は狂ったように延々と一連の動作をこなす

ピストン、

ピストン、

ピストン、

ピストン・・・

白い雨に打たれ全て忘れ

オマエは正気を失う

適当に指を動かすだけで

悲しいくらいオマエは叫ぶ

成果のない夜は思い出にもならないのだろう

自分の犯している罪に

夢を失い愛を弄ぶ行為に気づいたオマエが

血も流れない夜に

涙を流したのが

唯一の救いサ

でもどうせ、恋愛ごっこは終わらない





自由詩 恋愛ごっこ Copyright 美柳 章 2003-11-20 04:30:32
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