すべてのおすすめ
言葉を許してしまったら
どうにも落ち着きが悪いから
とりあえず
旅に行きましょう
ささくれだった
太い指が
地図をなぞるのを見るのも
悪くない

車窓から
見える景色が
山ばかり ....
ときどき
おるごおるを ひきだしからだすと
ものがなしい おとがする

くらいなかから
ながれだすおと

ゆくえはみえず
かべにあたって
しみとなる

てんじょうの かお
を ....
痛みの庭にしゃがみこむ
すべては照らされ
すべてはまぶしい

誰かが
「」と言っている
私は見られない

うつむくまま
光が透過する
うつろな体の殻

(ここはどこか
という ....
家族の写真がない

両親が離婚すると決まったとき
それでも家だけは誰かが守るだろうと信じ
写真はすべて置いてきた

そしてすべては処分されたと聞いた

いつかここに帰るかもしれないとい ....
私の方向音痴を笑いながら
手を引いて
東京タワーはあっち
六本木ヒルズはあっち
あれが皇居
お台場は向こう
新宿はあのあたり
晴れていたらあの辺に富士山が見えることもある
さて
あな ....
古い写真
同じ年の子供たちが
いっせいにポーズをとって
こちらを見ている
覗き返す
私と
唯一
目が合わなかった
十歳の私

偏屈な子供
いつもみんなが
ガラスの向こうにいるよ ....
壁中に
血痕
が散っている夢を見たとして
それが
結婚
のメタファーだと
言われたら
私の結婚は
壁に描かれた模様のようなものなのですね

言ってみたくなる
言ってみたあとで
 ....
長いこと沈黙していた
アスファルトの隅で
地面のざらざらの下にある
本当の地面を思って

空の底には
まだ底がある
底の底は
地球の裏側の
空の底

夕暮れ
ノアの箱舟に
オ ....
おまえが
にゃあ
しか言わなくなってから
三ヶ月過ぎた
冬の上野公園で
壊れている
おれ
ショウジョウバエが2匹
離れない
ベンチ
に横たわって
斜めに見る
空はどこまでも
 ....
湯船にゆっくり脚をのばす
私は顔をお湯から半分だけ出して
鼻息で作る波紋を楽しむ
沈黙
あなたが入ってくるとき
私は寝たふりをしている
湯かさが増して
鼻で息ができなくなったとき
はじ ....
佐々宝砂さんの「二流詩人7つの条件」とそれに関わる一連の文章を大変興味深く拝読した。コメントはその文章のところに書かせていただいたので、ここでそれ以上感想文なり批評(恐れ多い)を書くつもりはない。 .... 思いきって体を展開
次のうち正しく人体となる展開図はどれか選べ




の中に答えはあるのか
さらに思いきって
らせんを分解
写真1のヒトを示す遺伝子の正確な塩基配列はどれか ....
ボートから転げ落ちて溺れた
一人目の男は
すぐに飛び込みすくい上げてくれた

ボートから転げ落ちて溺れた
二人目の男は
携帯電話で助けを呼んでくれた

ボートから転げ落ちて溺れた
三 ....
(十八歳のノートより。走り書き。)
整然と暮らす人々への激しい憎悪
違和感が劣等感でしかないことを理解して私は身悶えた
一時もここにいてはならないという強迫観念
しかし他にいるべきところもない ....
いい天気ですね
がはじめの言葉だった
G線上のアリアが流れていて
あんまりできすぎたシチュエーションに
笑いをこらえるために
コーヒーを一口すすってから
やっと私は
ええ
と答えたのだ ....
おいしい
ためいきと沈黙の時間に
脇にはベッド
シャワールームには
不思議な大きな女の子の絵が
目隠しに貼ってある
濃密な時間を過ごすための空間

おでんが冷めていく
こういうホテ ....
たとえば
丸の内の横断歩道
腕に巻きつけられた

が刻まれる
雑踏

私だけが自由だった
大きな意味で
宇宙の時間は絶対であるので
自由にはなりえないのだが

もうすぐ昼の ....
赤いセーターの女
ひっつめの髪
きみどり色の閃光
作業
眼鏡
作業

作業
反復
業務



複写機
吐き出される
モノクロ
ドット
三千枚の
「@」の顔
 ....

あなた
あなたから
あなただから
あたたかだから
あなたあたたかだから
あなたあたたかなからだだから
あたたかなあなたはだかだから
あたたかなあなたはばかだから
あかさかはあさだ ....
かなしい
かなしい
かなしい
音が
三回して

水たまりの鯉は
のたうちまわっていました

おたまじゃくしは
海の中で目を白黒させていました

砂漠では
珊瑚が立ちつくしてい ....
何度ささやいたかわからない
あいしている
のうち
一度だけは
「哀している」
と言ったのだ
きみは気づかないが

かなしもまた愛し
あいしもまた哀し

きみが肩に頭をのせているあ ....
わたしにはわかっていた
たのしいだけのまいにちが
しばしば
のこしたすうぷのように
あたためられずに
そこにあって
こんやかぎりのゆめのあと
なんども
めいわくだよね
てがみはもうだ ....
白い砂浜に続く足あとが
あなたの逡巡の時間だった
五月
私とあなたが確かめ合った
ただ
それだけ

テトラポットの陰で
立小便をしていた男の子が
唯一の愛の証人であったことなど
知 ....
あなたに会う前に
体中の毛を剃りました
もっと
私をひりひりさせてください
夜はどこにあるのですか
しまってあるのですか
どこに
すぐそこに
見えませんか
そんなに澄んで見えますか
あなたの見ているあれは
実は
空ではないのです
あれは
ただのふろしき
 ....
夕焼けに
あなたをひたしておいたのは間違いだった
体の重みが邪魔でならないというように
身をよじって窓辺のベッドに横たわる
へそのくぼみから腰骨
肩甲骨
うで
まるく光る乳房
あごの下 ....
愛飢え
丘聞く

濃さ
死す背育ちつ
手となりぬ根の
這ひ
増へ




母屋
射ゆ
獲よ
羽を
倦んでいた
人ごみを避けると風が冷たかった
空の色が変わろうとしていた
古本屋でたまたま買った
サガンの「悲しみよ こんにちは」を
喫茶店で一気に読み終えたあと
いたたまれなくなって
ひ ....
私は拒否された
冷たく重い扉の外で私はゴキブリのようだった

歯の奥でコンクリートがじゃりじゃりする
深夜四時
新聞受けに挟んだ手を抜くこともできぬまま
このまま朝まで過ごすのだろうか
 ....
紺がすりのような夜を眺め
穏やかな一日を思ううち
心は幼年に浮遊して
小さな手から落としたごむまりを
おにいちゃんが思いっきり地面にたたきつける
ぽーん
ぽーん
空を見上げて
追いかけ ....
狸亭さんの岡村明子さんおすすめリスト(35)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
和解- 岡村明子自由詩304-2-29
おるごおる- 岡村明子自由詩604-2-10
痛みの庭にて- 岡村明子自由詩304-1-24
非・定型- 岡村明子自由詩8*04-1-24
標識- 岡村明子自由詩504-1-17
視線- 岡村明子自由詩704-1-15
うらない- 岡村明子自由詩204-1-11
球形の休憩- 岡村明子自由詩403-12-29
木枯らし- 岡村明子自由詩7*03-12-17
湯船- 岡村明子自由詩403-12-12
かくかくしかしか/書く掻く詩か死か__--詩と詩人についての ...- 岡村明子散文(批評 ...4*03-12-11
人が人であることの同一性への試み・思いきって- 岡村明子自由詩603-12-9
溺れる- 岡村明子自由詩1103-12-6
十年後- 岡村明子自由詩5*03-12-4
Air- 岡村明子自由詩803-12-3
「猫」という名のホテルにて- 岡村明子自由詩603-12-2
腕時計私怨-その奇妙な習慣について- 岡村明子自由詩2*03-11-27
その女は派遣で時給千二百円だった- 岡村明子自由詩703-11-22
母音調和- 岡村明子自由詩903-11-16
メルヘン- 岡村明子自由詩6*03-11-15
しぼむ- 岡村明子自由詩1003-11-12
口に出して言えないこと- 岡村明子未詩・独白303-11-12
初恋- 岡村明子自由詩503-11-9
愛している- 岡村明子自由詩403-11-9
ふろしき- 岡村明子自由詩703-11-8
カーテンコール- 岡村明子自由詩603-10-29
五十音の実験- 岡村明子自由詩1203-10-22
十月×日- 岡村明子自由詩603-10-4
むし- 岡村明子自由詩403-10-2
ごむまりの月- 岡村明子自由詩703-9-30

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