朝焼けまでのバランスを
nm6
トビウオがサンマの仲間であるのと同じくらい
パラシュートはビニール傘の仲間であるので
空から降ってふわりと揺れる君の昨日のことばと
肌を冷やす冬の雨を避ける僕のかなしみとは
そんなに変わらないはずで
あまりに味気なくはじけるので
いつもくしゃみをしている季節のことを
布団の中
思い出してしまいました
君はことばのあとをすぐ鼻歌でごまかすので
すこしおかしいですが 僕は
ノスタルジーが頭の中で鳴っているので
あきれ果てた思い出のかさなった重箱のすみっこの夜
くりかえしくりかえし突っつかれて気がつくといつの間にか
もうすぐに空に明るいので
すべりおちてブラインドの隙間の駐車場の端の枝の
赤い実を背後からツンと立つ光が 目にしみるようです
もう眠りますが 明日は 昼間でしょうか
夢の中では季節の 冷たい雨が降る白い空気を
「とりあえず」といって吸い込んで吐いて
詳しいことはそのあとにします