手に手をとって
風に陽に
戯れて咲く
可憐な花の狂い咲き
醜いですか?
愛しいでしょう
あの恋慕の試練から
身を守る術を
無垢な胸は、知る由もなく
狂った瞳は
もう彼の人しか映さず
狂った唇は
....
走って行く風船を
追いかけて
ぼくは手を触れるのでした
手を触れたとき
楽しいものがありました
楽しいものはそこここで美しい時間でもありました
それは見えないものでありました
夏 ....
思い出が居眠りをしているのでした
今日も少しづつ暑くなりそうな感じがしています
揺すって起こそうかと思いましたが
そのままに
夏 それぞれの葉が今にも喋り出しそうな
明るさの中で 震える ....
わかったよ
きれいだよ
初夏の中で
乱れてる
その心も
きれいに見える
咲いた 咲いた
紅く 紅く
全てが淡く見える程に
自分の彩りを見せつける
何のた ....
「絶望を{ルビ殺=アヤ}めてください」
広く遠い
わたしの果てで
またたく星が連なって
高く深い
ゆらいだ空に 光射しこむ。
逢いましょう
契る想いは風に乗せて
あなたの流れへ ....
手をつないで
蛍を見に行ったのだけど
あまりにも きみどりの光が舞うから
僕は天地を失いそうになって
繋いだ手を
ぎゅっと握ったのです
そうすると
君もぎゅっと握ってきたので ....
ときはなして
はしってゆく そら
うでをおおきくひろげて
とけこんでゆく
ほしぼしの そら
もう なにもいらない
すべてのかなたに
ひとつだけ
やさしいやくそくを
く ....
むねにすんでる
やわらかくて
せつないもの
いつでも
せんめいに
さいせいできる
いっしょにすごした
さいごのなつの
はなびも
あか、あお
ぱち、ぱち
さらり、さらり
....
西の空の
あの薄桃色は
今日を
黙って許してくれる
と いうしるし
明日を優しく
連れてきてくれる
と いう約束
大きく大きく
愛されている
ぬくもり
光る機体が
傲慢に突 ....
夜になると
魚は目を閉じて
消えていく泡の行く末を思う
消えていく
自らの姿に思いを馳せ
静かに
目を閉じている
夜になると
魚は目を閉じて
自らの見ることのなかった風景を見 ....
予期せぬ通り雨は
水無月の頃
地瀝青の返り熱は
初夏の頃
夜風の冷たさは
去年の今頃
雨つゆで涙を洗い流したい
君を思い出す{ルビ手掛かり=キーワード}は
たくさんありすぎ ....
すぐに姿が見えなくなる粉砂糖よりも
恨みを残すように溶けていく角砂糖のような恋
そういう関係になりましょう??
どぅ??
間の悪さ 前世の因縁、掃き捨てて
わたしと恋に おちてください
「今だけは」 一言だけが 君の恋
わかってるフリ 気づいてないフリ
奥底に 過去形で ....
自分しか愛せないその人は
満足そうに笑いながら
いつも眉間に皺があった
固く閉ざした
プライドの扉の中の
鋭利な孤独で
冷え切った掌で
きっとワタシは
壊されていたかもしれない
....
感性に年齢は関係ないか。
と、聞かれたら。やはり「関係はある」と答えてしまうだろう。
まだ10代前半の頃、詩(のようなもの)に興味を持ち、作品と言えるほどではないにしても、走り書きのよ ....
{引用=かすみそうの、はなのちいささになく}
しあわせという、うそをついてしまう
ゆうがた、ひとりということにきづく
できそこないという、ほこりをもっている
おわりをみるまえに ....
昨日までは夢だと言う
あなたは夏に向けて静かに融解していく
水をたっぷりと含んだ世界で
それはとても自然なことのように
梅雨の中にいる
紫陽花が咲いた
午後にゆっくりと傾斜 ....
今なお
明日
生きる
いいわけを
模索
して
目を
閉じる
「わすれないでね」
そう言ったあなたの言葉を私は忘れない
「わすれないよ」
その言葉がたとえ嘘になっても
思い出はいつでもやさしい色の中に
水面に映る影だけを私は見ている
要らない ....
静かな雨が
かさついた街を
音も無く濡らしていて
それを見つめる
かさついた瞳も濡れていって
静かな雨の
音の無い雨音を
傘の花が
走り去る車輪が
拾って行って
それが ....
あなたがいなくなって
正直
ずいぶん楽になったなと
思います。
もう、泣いたりわめいたり
行かないでくれとすがったり
不条理にいらだったり
そんなことをしないで済む分
ずいぶん、楽 ....
飛びたくて、飛べなくて、
逃れたくて、逃れられなくて、
おれたちは窓から堕ちてゆく。
毎日と一日と、ありったけの今日。
翼がないおれたちは羽ばたくしかない。
この腕で ....
さらさらと さよならが ながれて ゆきますから
わたしは手に掬ってみるのです
手に掬いますと さよならは さらさらと
さらさらと 儚くも消えてゆくのでした
夏の
陽は さよならの中で
....
やわらかな雨の 中心に存在する 湿り気は
腕に抱かれた幸福
それは太陽のしたの木々のざわめきであり
落ち葉のぬくもりであり
独りきりの雪の中での対話でもある
それは不思議な行列でした
新月の夜でしたのに
ぼんやりと照っていたのです
そこかしこからケタケタと笑い声が聞こえましたのに
誰も笑っていないのです
一行は静々と厳かに歩みます
この世の者で ....
1.
先を急げば
見失うものが沢山あるけど
先回りして
待つのもいいかな
なんて思うこともある
2.
夏の日の雲は
柔らかくて大きくて
わたしの悩み事 ....
何もかもが嫌になって
ここにいる意味さえなくなったと感じても
決して
死んではいけないと思った
悩んで悩んで
いっそ君のことを一緒に連れていこうかなんて
追い詰められていたけれど
....
要するに
たどりつけないということだ
だけどそこにあるでしょう?
そんなふうに
要するに
好きなんだということです
無限に
割り切れないのです
だけど
そこにあるのです
....
青空を
引き裂いたら
タールのような
宇宙が
どろりと
垂れてきた
光を吸い込んだ
その深い艶は
悪魔の
瞳のようだった
そして
今日も同じ
青空の下
....
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