遠くにいくあなたを
わたしは深呼吸で静かに見ていた
興奮しないでと
自分に言い聞かせながら
ベッドの中でわたしがあなたをみつめても
何も見つけられなくなったのは
あれからすこしまえ
....
これまで
受けた
ココロの傷
あなたに
優しくされるたび
ひとつひとつ
消えていく
あと少し
もう少し
あなたと
一緒に
時を過ごせたら
私のココロに
咲く花は
綺麗に
....
それぞれの空があり
それぞれの海があるように
それぞれが少しずつ違うからこそ
世界と呼ばれるものがある
ぼくらは
お互いを知るために
生まれてきたわけではないけれど
傷つ ....
泣いてるだけじゃ どうせ ダメだって
口をそろえて 皆 言うけれど
あたしは それ以外 出来ないから
せめて 上を向いて 泣こう
でも
すぐに 泣いてることが ばれちゃうね。
平均台の上を歩くみたいに、生きてる
両の手を横にのばして、バランスをとる
あせってはだめ
はしるなんて、なおさら
足もとばかり、見ている
けど、前を向いたほうがキ ....
明け方の薄い空の下で
やわらかく湿った地面の上で
何か、いいものを見つけましたか
たとえばきれいな色の小石
たとえばいい匂いのする野草
星屑のなめらかさ、夢で出会っただれか
その眼 ....
おもいではいくつかぞえても どんな過去も おなじになるから
ときどき、かなしくなる
かなしいうたを、うたいなさんな
あけがたをみつめて
やっとねむりにおちて
すべての扉を閉ざしても
あなたの底から
見つめている
あの日確かに
善と悪の種を抱き
母なる海から
夢も絶望も
朝も夜も
混沌と在る空の下へ
....
いつか、白い雲に乗ってどこまでも旅する夢をみた
ふわふわのその乗り物は
ちぎって食べるとおさとうの味がする
あのころ
月の大地にはうさぎが
花のつぼみには妖精が
虹のふもとには楽園が ....
その花は
涙をあつめた
毬のようで
降りつづく
雨の重さに
身を委ねて
香りもせず
散りもせず
ただうつむき
けれど私は
その毬から零れた
微かなうたごえを
た ....
あなたを好きな気持ちが
思わず喘いでしまうほど
襲ってきたの
だから
私はそれが過ぎ去るまで
あなたにしがみついてたの。
だれも傷つけない言葉は
だれも救えない
誰かを救うという
ことは
だれかを傷つける
ということ
その罪を背負う
勇気を
持つということ
この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。
窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から ....
君は
占いに出てくる星座しか
知らないというのに
アルタイルとヴェガには
とても詳しくて
毎年、同じ物語を
飽きもせずにロマンチックだという
私は
二星間、14.428光年を
冒 ....
愛されるということは
やはり気持ちのいいことで
だからあなたが私のことを
愛しているということは
私があなたを愛するということの
理由の一つにはなるのでした
....
ある日
自動ドアの前に立ったら
開かなかった
押しても引いても
やっぱり開かなかったので
慌てて君を呼んだ
ちっとも開いてくれないんだよと言いながら
二人並んで立ってみた ....
どうして離れてるの?
何で一緒にいられないの?
さみしくて つらくて 崩れ落ちそうだよ
私を支えてくれてるのは あなただけなのに
こんなに好きで 愛し合ってるのに
やさし ....
夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする
ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
あと何度
逢えるかなって
数えたことが
君は ある?
あと何度
抱きあえるって
考えたことは
君は ある?
あと何度
夜が
ニュースを運ばずに
静かに明けていくだろう ....
今にも泣き出しそうな空
鬱屈する憶いまで塗り込めていく
しらちゃけた大地に空が投げキスのダイブ
待ち詫びた花弁にもジャンプ
透明な繭になって落ちてくる
ぽたぽたと追憶を綴る
忍び込む甘 ....
今あなたに手紙を書きます
この手紙が届くまでの間に
私はここから旅立ちます
今あなたに想いを伝えます
言葉が伝わるまでの間に
私はここから逃げ出します
幸せを求めるあなたの
眩しすぎる世 ....
時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
やわらかい めせんで
てを にぎる まどろみ
くうかんが ゆるんで
ほどけてゆく
カーテンからの こもれびも
なだらかに ながれる じかんも
このてに おさまる ぬくもりと
....
雨粒を数えては
いけない
それは
川のように
流れるだけ
人間を数えては
いけない
それは
地球のために
流れるだけ
たった
一つの
ボクらを
引 ....
しろとくろ
きみが名づけたイタミはそれだ
不安になったらこれを読めばいい
痛くなくなるおまじない
しあわせにしたい、なんてごうまんだ
人は他人がおもうより
ずっとつよいいきものだ
そ ....
私の瞳は閉じていた
あいているのに閉じていた
少し痛いと思った時
まぶたを閉じてみて気が付いた
今まで見ようと思っても見えなかったものたちは
不思議と見えていた
確かに見ていたはず ....
平気な顔で煙草を吹かせば
ほら、もう大丈夫
私は私で支えているし
あなたなんて目の前から消えてしまっても
どうってことない
涙も目に入った煙のせいに出来るし
嗚咽までも気管に入った煙のせい ....
明日の朝も僕は
バスの後部座席に重い腰を下ろしては
昨日のメールで君が励ましてくれた言葉を思い出し
リュックの中から取り出した本を開いて
挟んでいた君の写真をみつめるだろう
遠い町に住む ....
魂の一粒を失ったひ
そらがうみを吸収した
愛したそらも愛したうみも
愛の意味も変わり果てたのに
同じ青だけで泣いているのか
魂の一粒をうしなったひ
夜と朝とが入れ替わった
流れ いき ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた
それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
....
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