暮れていく夏空に似た恋をして大人になったつもりでいたの
言わないでほんとはもうね気付いてるあなたは優しいだから辛い
どうしても言えない言葉を胸に抱きあなたとわた ....
愉しい夢でした
笑っていましたから
わたしも
人を笑わせられる
それはとても
愉しい夢でした
いつも
昼に見る夢は苦しくて
すぐに
身体は重力にもどるのに
今日 ....
雨の中
彼は一人
一人彼は雨の中
雨の粒の櫓の下で彼は
一人濡れている雨の粒の櫓の下で
そのゆれる髪も手も櫓のような雨の中で彼は
濡れた髪も足もゆれる雨の中でかすれ ....
家に帰ってきた瞬間に雨が降る
そんなことで
ちょっとした幸せを感じるのだから
たぶん、いや、確実に
僕と言う人間は
非常に単純にできているのだろう
ベランダに出て
雨にぬれた犬を見て ....
千年前
好きだった男がいた
自分の名前が
世界で一番嫌いな名前で
あたしの名前が
世界で一番好きな名前だ、
ということを
いつも言っていた
薄すぎる
珈琲を飲みながら
男の ....
はじめて詩を読んだ時
若くて とてもかわいいと思った
しかし しだいに冴え
凍るような苦痛 けど
美しさをまして
貴女は 詩を うとんじていた
悲痛な思いを記す事を 嫌悪し ....
{引用=花火が上がると 君が泣く
瞬間
いつか会えなかった誰かを
そこに見て
いつの日のでもない君は
ここにいて
手は繋いではいけない
誰もいない夏祭り
君が泣くから
....
終わりの時には
しっかりと眼を開けていたい
そこに見えるすべてを
記憶に焼き付けて行きたいから
おとといの午後
娘と二人で近所のスーパーに行って
お菓子売り場でかれこれ30分近く
ハ ....
空を見上げるのが好きだ。全天が雲で覆われている時以外は、外に出ると必ずといっていいほど、空を見上げる。普通の人はあまり空を見上げない。時にはうつむいて歩いていることもある。空を見上げるのが好きな俺は ....
雪女が恋をした
でもその恋は叶わない
一度でも胸が熱くなったら
一欠けらの雪になってしまうから。
両手には武器
マシンガンやナイフ
全身は完全防備
防弾チョッキや大きなヘルメット
なぜかって
こんな時代だからさ
これぐらいしないとね
みんな怖いんだよ
何か持ってないと
....
あなたのこと、見つめてもいいですか?
手のひらの小さな水溜り
そこにかすかに映るあなたの横顔、見つめていてもいいですか?
水溜りの水が手のひらからなくなるまでのわずかな間
あなたの横顔、見 ....
沈みゆく声に起こされて
朝陽昇るカーテンに脳が動き出す
君が横に居たりして
君は首を傾げるね
刹那
夕方まで寝込んでいた私が居て
脳が動かないうちに涙がポロポロ落ちる
君が首を傾げた朝は ....
あなたにもう会えなくなること
悲しいと言えない
伝えられない
わたしは笑う
元気でね
がんばってね
いつもそう
言う
雨上がり湿った空気
屈折した気持ちで見上げる空に
描かれた虹の橋
一つ悲しみを乗り越えるとき
失くしてしまうものがあるとしたら
それはある種の光なのかもしれません
吸収して拡散 ....
現れては、消える
どこか遠い宇宙で
星がはじけるように、生まれるように
現れては、消える
深い
深いとだけ言える心の水面の縁に腰掛けて
切るようにしてつま先を遠くへと投げ込めば
それは確 ....
{引用=桜の頃を過ぎて
ふとした淋しさがこみあげてくる
そんな五月の夕べ
ずいぶんと久しい人へ
したためた手紙を読み返している
前略
いかがお過ごしでしょうか
花見の頃 ....
背筋伸ばしてごはんを食べる
お百姓さんありがとう
米、野菜、肉、魚、卵
残さず全部いただきまして
残らず排泄いたしまして
丈夫な身体を創ります
背筋伸ばしてしゃにむに働く
食うための ....
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
争いは銃からではなく
言葉から始まることを知らなくてはならない
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
言葉の扱いが ....
「僕らは彼らのように毎日そばで触れ合うことはできないけれど」
「僕のわがままだけど」
「君とずっと一緒にいたい。僕の心のそばにいてほしい。」
「大好きだから・・・愛してる」
好きなのに ....
一人で立っている
あなたは
吹きすさぶ風に向かい
横顔しか見えない
見せてはくれない
風があまりにも強いので
あなたは
目をしばたいていて
けれど
目を背けることはなく
....
乱暴に払いのけた手
固く握り締めた拳になっても
殴りつけるものさえ見当たらず
この遣り場のない気持ちと
同じ形のまま
中途半端に宙に浮いている
ほんのさっきまで
この手の中に
その ....
感情が表に出やすいのは
母ゆずりだ
そんなところだけでなく
顔も話し方も似ている
考えていることも何となく
わかってしまうのだ
けれど
母は僕の拒食を理解できない
夕食どき ....
好きな人ならいません
信じられる人ならいません
「誰が正しいのですか」
と訊いた時に答えてくれる人も居ません
この空は遠く遠く限りなど見せてはくれません
ヒ ....
あのひとはあそこにいるのだと
思い馳せてみる二日月の夜
量子テレポーテーションの実験成果を問う
いたって事務的なメールを受信し
月の裏側での勤務を希望する
いたって事務的なメールを送信す ....
あきらめなくちゃいけないことに
ささやかな抵抗をしてみたかった
のこされた時間が 僅かだから
ここにいられる間は
なにも知らない振りをして
いつか またどこかで めぐりあいましょう ....
すべての言葉が本当で
すべての言葉がうそで
言葉と言葉のつながりが真実へと
言葉と言葉の行き違いがまよいへと
僕を案内してくれる ことば達
僕の思いは今
安らげる場所へ
....
どうしようもない気持ちを
家に持ち帰ってしまった
疲れた と体が軽くなるまで
脱ぎ捨てた
未消化のまま
腹の中でムカムカと
この続く感じが
たまらなくいやで
吐き出すように
....
「から」は
らくだね
{引用=晩夏におとずれた出会いを、わたしはいとおしくてたまらなかった。}
最初のデートでどこへ行ったかも忘れてしまうくらい、あなたのことだけを見ていたので、わたしたちにはアルバムをつくる時間 ....
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