入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
いま泣いたら
なぜかもう二度と
笑えなくなるような
そんな気がしたから
空に向かって入道雲を
ググっと睨んでやった
まひるに嘘をついたりしてはいけません
善良なあたしは
....
この手には限りがあることを
渋々から卒業をして
潔く
承知出来るようになったんだ
五本の指は五本でひとつ
二本の腕は二本でひとつ
一生懸命になるのではなくて
一生懸命にならざ ....
あたし達は多分
できかけのべっこうあめみたいに
ぐにゃ、ぐにゃ、してる
べっこう色、
きれいな固い肌も
もってないし
白い上白糖の、
さらさらした柔らかさも
なくしちゃったし
....
恋をしたあなたは
前よりもどこか優しく
少しくらい意地悪を言っても
笑って許してくれる気がした
恋をしたあなたは
ときおり冷たく
今までみたいに言ってはいけないことが
あるような気が ....
昼寝から目覚めるとぐるり真っ青になっていて
真っ青になっていてでんぐりがえった僕の眼球
眼球から涙は流れず一滴の血もこぼれない
かなしみ
僕は何しているんだろう?何もしていない僕のほころび ....
バスルームの飾り棚に
置き去りにされていた
JAZZの香
蓋を開けた刹那に
よみがえる記憶
ああそれは
一年も前のことで
そういえば私は
まだ泣いてもいなかった
梅雨の夜風に混じり込む体臭の湿気
雲にまいた砂混じりの渇いたため息
無気力にぽっかりあいた満月の
光子すらはらんで
みな本当の風を知らない
それらをすっかり失われた
古代の技術で精製し ....
寒冷に順応できず
やがて
命を奪われかけて
それゆえ
灼熱
灰と 火柱と 黒煙と
好き好んで
化身となったわけでは無いのに
ただ
寒さに耐えられず
ただ
冷た ....
目をあけると、昼間の太陽が僕を迎え入れた
そんなに眠っていたつもりもなかったのに
何気なくそとに出てみた
何をしようとは思わない
ただただそとに出た
そこに理由はなくて
からっ ....
{引用=
空から
ぶら下がっている
スイッチの
紐を
一緒に
引こう
月が
常夜灯の
ように
琥珀色に光って
僕たちの
最期を
しばらく
映 ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう
あめ色の古机の上 ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる
空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
さあ なにを言う
きらきらと
輝き疲れた
君らに。
なにを言う
風の香りだけを
語る俺が。
なにを言う
蛙と
野ネズミと
そして
向日葵の咲く
この土地で。
ひまわりと眩しさ競い痛み分け
あなたと私の間に
こんなにも近く届かない距離がある
この街で生きていくことは
距離を取ることだ
と
私を見下す太陽は
説教をする
説諭する
どうしようもなく
見渡せないほどの遠くなら ....
やさしさの
形は何かと尋ねたら
君は丸だと答えたね
金柑蜜柑夏蜜柑
すこやかに香り
夕暮れの
色は何かと尋ねたら
君はまっすぐ指差して
....
あなたの
遠くを見やるまなざしの
その先に
コロン と
僕を置いてきたい
にぎりつぶせることを
しっているので ては
づっと こぶしのままだ
ひらいたら
つかみかかって
ひきづりだして
やるか
やられるか
てをださないかぎりは
てを ....
想い髪を切りにゆく。
君が嫌いだったこの長い髪。
君に逢うために切りにゆく。
あれから一度も切っていない。
そんな泣かせることは言わない。
何度だって切っているし ....
私よりあなたが
あなたより私が
愛していると
愛の深さを
背比べ
きれぎれの雲 とうめいな空
あなたがここにいないということ
元気だよ
ちょっと
へこんでるけど大丈夫
いつか また
夜の密度を
あなたと感じられたらいいね
違った角度
違 ....
花の命いづれ散ると知りつつも咲く
夜を飲む
悲しみから
夜を飲む
とてつもない失敗から
失敗などないのかもしれないが
粗末にしてはならないものがある
ぎりぎりに追い詰められる毎日でもそれは勝手な僕の事情で
ゆるやかな ....
月も霞み掛かっててしまって
君にも届きそうにない
街は流れる光であふれて
僕は溺れそうになって
色んな事そんなふうに
眩しく見えるのは
君の残していった影がまだ
この部屋に落ちている ....
雨の中
けたたましくロックンロールをかき鳴らしてよ。
どこかなつかしく、憂うつな景色を
打ちのめすみたいに。
泣きたくないのよ、今は。
ずっと夢中でいたいのよ。
そうして忘れていきたい ....
随分前から
分かっていた
崩壊、この先に
あるのは
崩壊だけだ
あの分岐点まで
戻る気力は
もはやない
守ってきたもの
すべてが崩れ落ち
その瓦礫の中を
進ん ....
{引用=ゆーびきーりげーんまーん
うーそつーいたーら はーりせーんぼんのーます
ゆびきったっ!!}
小指と小指の間で
約束はつぶれて
死んじゃうんだって
だから
約束は守 ....
強くなると言う事は
自分の弱さに
うまく付き合っていけるようになる事。
手のひらの中のことばしか
私はうたわない
振り絞る
ようではだめで
あじさいの
集めたあさつゆは
いつか
消えていくように
そんな
出会いだったと思う
それは消えた ....
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