寝床につく一歩手前で
眠ってしまった鈍色の子ら
夢のなかに置き忘れてきた
好きで好きでたまらないものを
とんでもない寝相のままさがしにいく
めざめてはねむり ふえてゆ ....
笑っては こらえて
笑っては こらえた
君は もういない
死んでも君に 会えないなら
僕は生きるよ
君の居場所 ずっと 残し続ける
ずっと きっと
独りじゃな ....
遠い、遠い、記憶の中
不安で、不安で、しかたなかった
つないでいた手を
ほどかれたとき
まるで自分の一部を失ったかのように
泣きじゃくった
子供の頃
デパートのおもちゃ売 ....
陽射し朝
眩しさに眼をあけて
何も無い抜け殻になったベッドの温もり
朝のメールは着ていない
また少し息をして
足枷引き摺るように階段を降りていく
朝のニュース
もう他人の不幸も幸 ....
その時 私は恋をしていた
好きな彼が眼の前にいて
その無邪気な笑顔は 私の胸を締めつける
彼の打ち明け話とは 苦痛極まりないもので
そうね、彼女は女同士でも信頼できる
などと私に言わせた ....
愛とか恋とかばかじゃないのって
思っていたんだけど
わたし あなたに会いたいの
人なんか信じるに値しない生き物だし
わたしなんか信じてもらうに値しない人だけど
わたし あなたが好 ....
寄せても、返す気持ちは帰り道を知りませんでした
電車の窓
あなたの手のあたたかさは
窓とわたしの温度を簡単に上げます
ゆっくりと
眼下に広がる青を見ながら
あなたを盗み見るのだけれ ....
草木が色を変える速さで
過ぎ去ろうとする四月
桜前線はまだ北上を続けているのだろうか
何かを引きずるようにして後ろ手をのばせば
はっきりと感じられる
温度がある
それは
得たもの ....
手をつないで
深いところまで、いってしまった
引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、 ....
失ったものは二度と戻って来る事はない
切断した腕のように
失明した目のように
脊椎を損傷した体のように
すべては痛みを伴い
辛い日々を送ることになる
それでも一生懸命リハビリを ....
五月になれば 静かなものたちが風に揺れる
栞の挟んだ読みかけの本を開いてみる
わたしの記憶はそこでたちどまっている
色褪せた光の染みを読むように頁を捲る
その先を読むことも また
許され ....
夕暮れに
ひめりんごの花弁が
雪のように散ってゆき
落ちた先は
あの子の眠る
寒い土の上でした
最期の言葉も
交わさぬまま
突然
冬空へと消えた
一つきりの ....
{引用=
いろんなことは
やりかけた
ままで
どれから
やればいいのかさえ
分からない
いつだって
生きることは
優先順位の
後の方で
国道を危なげに
歩く犬み ....
痩せた身体でうつむけば三日月
足元を眺めれば
いくつもの自分の欠片が光を失いかけている
日々削られてゆくいろいろが
音もたてずに
まるで始めから無かったことのように
やりかけたパズ ....
風が窓を叩く
君…?
夢を見た私は
叩く音に涙を流した
両手いっぱいの月の欠片
想い出でくっ付けて
あの頃の笑顔を作ってみた
君の写真立
ツーショットの数え切れないプリクラに
描 ....
遠い場所のあなたが
しあわせでありますように
桜を見送って
鯉のぼりを見送って
雨を待つふりで
見上げて
私がここにいること
この場所にいることを
あなたは
ずっと覚えて ....
ものすごく悲しいのは
心変わり
誰かさんと新しい恋をする
されたくないから 官能的で
いつも官能モットーで
ちいさなくちびるで
たった一言いえばいいじゃない
失恋した乙女 ....
笑ってくれだなんて言わない
笑えるときに
我慢せずに笑ってくれればいい
それだけを言うためにも
僕ははるかに遠回りをしてしまうのだろう
もしかしたら
あなたの笑顔が好きなんです
なん ....
どうにも身動きが取れなくなる私の
胸の上のあたりで、座っている息苦しさは
行進の仕方を忘れて
隊列に戻れなくなっている
らしい
それは確かにそこに存在しているので
手を頭の ....
雲が波なら
僕たちは深海魚だ
深く、深く、
差し伸べられた手も届かない場所で
温もりも知らずに
窒息している
月明かりは
マリンスノーに似ている
それはただの幻想で
本質は
....
愛の言葉が 傷ついて 泣いている
傷ついた分 輝いてる 恋が萌える
君達二人は そこまで したとして
愛の世界に 二人だけ。
僕はこの真っ暗な世の中で見つけたんだ
僕を照らしてくれる
大きな希望を
もっともっと照らされる為に
光に近づいていく
星の夜には
空から銀糸が降りてくるという幻想を持って
今は亡き
あの人と、あの人と、あの人と、あの子 と
日記のような会話をします。
瞬いた先から、雫が玉のように伝わって
....
宇宙全体を
動かす
一つの
脳があり
僕らは
一つ一つの
細胞のようで
たとえ
アメリカと日本で
あっても
1分程の
タイムラグで
同じ事を
考えていたり ....
ひとつ ひっそり咲いた恋
ふたつ 経(ふ)る間に熱を帯び
みっつ 見果てぬ宵の情事(ゆめ)
今尚 口に 数え歌
水面(みなも)に一つ 涙つぶ
今更 口に 数え歌
冷たき月も ....
肌の匂いが移るほど近くで聞いた あの言葉は
今はもう、遠い過去(むかし)の記憶
あの日と同じ場所に立ち尽くしても
戻らない あの後ろ姿
最後のメールから 季節が三度巡った今でも ....
世界の優しさを浴びて
ことばで光合成する
前頭葉の発芽
それを
できるだけ
大きく
ひろげる
光が射すほうへ
できるだけ
大きく
ひろげる
開花する瞳
....
ぼくは
恋を
失ったわけじゃないのに、
この痛みは
失恋と表現される。
あなたが
おにだから
ここにかくれたのに
みつけてくれなきゃ
いみがない。
わたしの前から
あなたが立ち去った
その瞬間、
わずかな風が生じる
わずか、だ
わたし自身が感じるか感じないかくらいの
本当に微かな風
しかしその何とも言えない悲壮感
わたしは ....
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