痛みを持ち上げて
此処に立っている
へしゃげた首も
切り落とせぬまま
鉄のような水面
なにを想う その心
芯から病んでしまった
水無月の花々よ
重たすぎる花弁を
いついつ散ら ....
逆に
すべてのことを忘れないでおこうと思った。
感傷や復讐の道具になるとしても、
呪いと呼ばれたって
おぼえていよう。
みんないつかは昼下がりの平穏な家に住むんだね。
だから僕は覚 ....
わたしは わたしの中に
帰る仕度をしている
わたしは わたしの中に帰るために
たくさんの本を読んで
否 そんなに本を読まなくても
大丈夫な気はするが
帰る仕度をしている
わたしは わ ....
あなたが暗くならないために
わたしは夏になれば
旅行を計画しなければならない
身体のために
美味しい空気を吸わなきゃならないと言ったなら
わたしは山の温泉を
インターネットで調査する
....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
飛んできた
蚊を
掴めた時の
微かな
満足感の
ような・・
目の前を
過ぎ去りかけた
一瞬の空気を
言葉で
掴む
その
微かな
満足感
....
いくつか 折りたたんでいくうちに
角が たくさんできるから
どこかの角で
会えればいい
続かない我慢が
言葉を避ける
触れるものは きちんと
きちんと きちんと
....
誰も気付かない
雑草に埋もれながら
濁った太陽を浴び
くたびれた大地に根を張り
凛と
揺れる花びら
意地っ張りな道の端
譲れない生き様
誰も振り向 ....
この皮膚
だけでは足りないんだ
さかなのように
うろこをもたない
ボクらは
そんな生き物だから
だから
あらゆる皮膚と皮膚
重ねて
重ねて
夕暮れと
ひとつになっ ....
言葉を並べると世界になるのに、
世界が並ぶと、言葉にならない。
それでも吐き出す夜空に吐き出す。
曖昧を、混沌を、不明瞭を。
紡いで象り溜めて放って―――
それで壊れる。
色も匂い ....
すべてが偽りの世界で
僕は嘘をつきながら
生活している
本当の事は信じてもらえず
偽りだけが曲がり通る現在
自分でもどれが真実であったか
忘れてしまった
必要ないから
消したの ....
しみったれたあんたの背中
パンと叩いて
さよならしてあげる
なんてらしくもない小気味良さで
バイバイ
ヘッドライト後にして
なんとか見上げた空の横っちょ
さっきか ....
好きだったのは
こうして静かに
時計の鼓動を聞きながら
ふたり黙ったまま
くるはずのない奇跡を
じっと待つ時間
それは永遠
無限に続く鍵盤のようだった
あなたがいなくなっても
....
誰が為に
僕は生きる?
自分さえ
救えないのに
誰が為に
僕は叫ぶ?
君の声さえ
聞こえないのに
まるで
世界中で
ぼく
一人だけが
すべて ....
こんな関係やめましょう
それは大人の理屈です
それでもずっと続けたい?
それは子供の理屈です。
日常の扉から ちょっと寄り道して
いらっしゃいませ
荷物をお預かりしましょうか
溜息をお預かりしましょうか
洗い晒しのジーンズを着るように
....
蛍
ちりちりと
夏の焦げ目
忘れたよ 待ち合わせてた 花水木
やさしい声も あなたのキスも
覚えてる? 笑ってくれた あなたのやさしさ
涙も枯れた うつむくわたし
すきだった すき ....
田圃に水が張られ
田植えもほとんど終わった。
これまでの鉄筋巣箱を捨て
庭付き一戸建て官舎に住んでいる。
職場まで車で5分
渋滞など無縁である。
田圃の上を
オハグロトンボがひよ ....
うそつきは泥棒の始まり
あなたが
かわいい、なんて言うもんだから
私は
あなたが誠実に
嘘までついてくれるのを
どうした
私の疑いスイッチ
どうしてあなたに作動しない
あ ....
ヒトに生まれてきたのでした
死を放った放物線に
何も絡ませる事も無く
時の歪むのも構わず
日を含んだ風に戦ぐ葉に
影をゆらす
私が揺れている
火の声を聞くようになってから
いつ ....
からっぽだから
蒼いの
とうめいな翅を
ふるわせて
飛んでいったから
からっぽなの
埋めようとして
あなたが
抱いてくれたとしても
満たされないの
満たされない ....
ワイパーが傷んでいるから
拭いきれない水滴で視界がぼやける
思わず停めたパーキングで
いらだちが募り空をにらみつけた
そう これが私なんだ
些細なことに感情を左右されて
....
あなたがくれた
一度っきりのキス
頬に
夜風
空が微かに剥離する
空の剥離する音をきいている
微かに青い香りがしている
カシャっ
生活はいつまでたっても生活で
ぼくは毎日お腹が空いて
そしてぼくは
sexがしたくなってし ....
もう誰も信じないと 壁を作って閉じこもる
過去の日々が足枷となって 軌跡を残す
あの頃に戻りたいと願っても
時間は戻らず 少しずつ煌きを失うばかり
全てを消去出来たなら
全てを忘れられるの ....
もし いま ここに私がいなかったとしたら
あなたはどうしているのかしら
あなたは
あなたはどうしているのかしら
私のいる部屋と
あなたと出会った世界とじゃあ
....
針はやがて
真っ直ぐに
体に 落ちて
朝は はじまるんだろう
道に ふさわしい風が
崩れた後を 戸締りする
大切なものは 隠され
破けないものは 消した
時刻は
....
暑苦しくて、雨の音が
夜がぼやけた夜に
私を連れて行く。
とろりと濃密な空気。
重ねゆく日々に
適応して
今は今を愛して
一つの夢に、魘される。
咲いた花が
その後どこに行く ....
今日から
明日へと
移ろいでいく
この夜に
一人で行う
誕生祭
あなたが
生まれて
こなければ
僕は
出会うことも
愛することも
できなかった
叶わないことも
あった
切 ....
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