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曇った窓の水滴
悲しそうだから
笑って欲しくて
指でなぞってみた
表面張力の君の笑顔は
もうこれ以上
笑っているのが
つらそうで
張り詰めた思いが
寄り集まって
耐えられず ....
予期せぬ通り雨は
水無月の頃
地瀝青の返り熱は
初夏の頃
夜風の冷たさは
去年の今頃
雨つゆで涙を洗い流したい
君を思い出す{ルビ手掛かり=キーワード}は
たくさんありすぎ ....
右も左もわからなくなったら
手のひらをみればよい
右の手にはひらがなで
「て」と書いてあるから
そうやって教わった
あの頃まで振り返る
何かこの先に進むための
ヒントがあるよ ....
その日 二人の間にあったのは
「愛」ではなく
「コーヒー」だった
しかしすでに冷めきっているという点では同じだ
彼が口付けたのは
「私」ではなく
「コーヒーカップ」だった
どんな味か ....
どうしようもない気持ちを
家に持ち帰ってしまった
疲れた と体が軽くなるまで
脱ぎ捨てた
未消化のまま
腹の中でムカムカと
この続く感じが
たまらなくいやで
吐き出すように
....
君が流した涙の粒を
宝石に変えてちりばめたのが
今夜の空だよ
悲しい夢を見ないように
どうか涙を拭いてください
その時 私は恋をしていた
好きな彼が眼の前にいて
その無邪気な笑顔は 私の胸を締めつける
彼の打ち明け話とは 苦痛極まりないもので
そうね、彼女は女同士でも信頼できる
などと私に言わせた ....
わたしの前から
あなたが立ち去った
その瞬間、
わずかな風が生じる
わずか、だ
わたし自身が感じるか感じないかくらいの
本当に微かな風
しかしその何とも言えない悲壮感
わたしは ....
「何でこれがこんなところにあるの?」
「あ・・・片付けます{取消=って私は使っていないのに}(失われた言葉がある)」
「どういうつもりなの?」
「申し訳ございません。以後気をつけます。{取消 ....
先程から
君のしていることと言えば
修復しようと努めているのは解るが
例えるなら
火傷の水疱の中の組織液のようなもので
傷を負っているこちらとしては
痒くて仕様がないんだよ
怖々 ....
自分のことでないことに
時間を割くことが
なぜか自分のことになってたりして
そんな不確かなものを
運命だと信じてみたりして
かけがえのないものと信じてみたり
バカみたいと言い放って ....
22年間詩なんてもんは書いたことなかった
というのは嘘だ。
こんなことがあった。高校生の頃の話。
一年間の間に何度も、担任が 「次の作品展どうする?」と聞いてくる。
私は 「今回は、見 ....
君がお風呂で
お湯が水になるまで
待っていたことを僕は気づかなかった
君は泣き
水があふれそうなくらい増えていて
そのうち君は水に溶けて
紛れていったのにも気づかなかった
僕はう ....
彼の嘘を
嘘と見抜く力が私にはある
彼の嘘を
嘘と知りながら知らぬ顔する
私の顔も嘘の顔