あまいお酒が沁みてるケーキ
まるであたしの脳みそみたい
ねじがゆるくて軽やかだから
きみのことも縛らない ぼんやり見送るの
旅のおみやげは 自慢と ジョッキに一杯のぐちと 
アンゼリカみたい ....
いまだに風は
冬を吹聴していくが

すでに光は
春を祝福している

押し黙る蕾は
華やかな企みを内に秘め

気象予報士を惑わせながらも
季節は巡ろうとしている

代り映えの ....
お骨はゆうパックで送れるんだって
へぇ
そんなわけで叔父の骨を預かって
春と夏が過ぎた からんと
最近は近所に犬を見なくなった
骨を差し上げるあてもなし
わたしが咥えてしまおうかしら
叔 ....
さて 一度だけふり返り
降りたばかりの船を見る
木犀の香が夜に{ルビ水脈=みを}をひく
徒花とは呼びたくない

旅の仲間が好んでた
南洋の煙草が髪に残る
裏町の匂いだと笑ってた
襟の正 ....
雨の子になってみたいな 魂が渇くことなく笑えるでしょう

レインツリー 逃げ込んだなら枝の下 母に似た君に会える気がする

さぼてんが奏でる音色レインスティック 何かと問う声ふるえは止まず
 ....
黒いスニーカーに 赤い爪を隠して
きみの隣で揺られてる 私鉄 日曜午後八時
窓に映る顔が白くて 目ばかりが大きくて
きみの隣で疲れを見せてる こんな自分がいや

さっき呑んだ梅酒
リト ....
ある時
自分という存在は無い
と思った
こう思ったことで自分の大切な部分を守ったのだ。
今になっても時々
自分という存在は無いと思う。

五月のなかばをすぎた頃
夜、水を張られた近くの ....
わかれの歌が、近づいて わたしの口に
  入ろうと するも留守です。
きた甲斐もなく 歌、引きかえそうとして
  北風にうたれました。来たばっかりに。
ライラックの花が くちびるにながれて、
 ....
手を合わし目をつむり
「みなさま
 今日も一日 ありがとうございました
 今日もこうしてお休みできます
 ありがとうございます
 みなさま
 お休みなさい またね」
と夜の布団の中で声を ....
ものわかりがよくなったような顔で
笑いも怒りもせずに
人の話を聞き
夕暮れに詩なんか書いて

夜には酔わない酒を飲み
寝つきの悪いベッドに入る
真っ暗な部屋に少しだけ目が慣れた頃
掻き ....
雪の溶けたアスファルト
ゆっくりと歩く、ふたり
街灯の明かりが斜めに遠ざかって
少しまえの、ぼくが
きみの影を踏む

通り過ぎるヘッドライト
ビルの窓から漏れる光
降りだした春の雪
 ....
 梅の花が好きな人は
 ひとりに強い人です
 でも
 もうすぐ東風が吹く
 この季節には、いつも
 ゆらゆらと降りしきる
 窓の外の雪を見つめながら
 梅が見たいと言ったあなたの
 声 ....
そっと、やりすごす

3月に降る雪のように
待ち焦がれた春のぬくもりを
追いやってしまっても

身の置き所もない苦しみも
雲間から射す刹那の空想も
砂浜に打ち寄せる静かな波が
押して ....
君がまだ6か月のとき
君の夜泣きが止まらず
私は泣きながら君を抱いて
夜中の暗く細い道路をひたすら歩いてた

このまま車にひかれてしまいたい
そんな無責任なことを考えていた


特性 ....
花野誉さんのおすすめリスト(2006)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
サバラン- 福岡朔自由詩8*24-4-10
二月十日土曜日- 夏井椋也自由詩10*24-2-10
お骨の味噌汁- 松岡宮自由詩14*23-12-29
よろしく候- 福岡朔自由詩7*23-12-25
雨のうた- 福岡朔短歌7*23-11-30
秘めるが花- 福岡朔自由詩4*23-11-13
幽霊の話- こしごえ自由詩5*23-4-5
どんなに夢中な世界だって隙間はもっと広い- 菊西 夕 ...自由詩3*23-2-5
お礼- こしごえ自由詩9*21-8-29
夕暮れに詩なんか書いて- 高林 光自由詩619-4-9
かげにかくれて- 高林 光自由詩119-4-6
梅の花、ひとり- 高林 光自由詩319-3-29
やがて空に星と月- 高林 光自由詩619-3-26
感謝- 桜 歩美自由詩6*09-12-13

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