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曇天の下、

足早に通り過ぎていた街並みが

ぱたんぱたんと倒れ出す

書き割りの如く呆気なく

次から次に倒れ出す

後に残っていたものは

果てなく続く大地のみ

俺は ....
黙って手の指を見つめる
いかにも繊細すぎる指が伸びる
まるで毛細血管のよう

心も考えも何もかもが細かく
脳のシナプスのように連なる

見えない何かに怯え
聞こえない神の声もキャッチす ....
南の空に黒雲が立ち込める
殴り倒したい怒りに支配されても
沈黙し自分を責める

こころ

根底に潜む憤り
怒りが俺を蝕み
死をもたらそうとする

西の燃える空に
最期の三日月が突 ....
色褪せたクリーム色の壁、不自然なほどにしんとした空気―わたしはたまにこの景色を病室のようだと感じることがある、でもここは病室ではなくて―まあ、そのことはあとで話すことにする…道に面した壁はすべ .... みたこともない  
みなみのくににむかって
いっせいに とびたつ とり

ないかもしれない
あした にむかって
ゆめを 放つ

たどりつけるのかどうか
じつはわからない
ふゆのむこ ....
近づいて来る人
去って行く人
巡る日々のその中を
波打つ光に包まれて
優しい笑みを浮遊させ

車椅子の老人が
彼方の蒼穹仰ぎ見て
運ばれていく秋の午後
わたしは独り心のなか
静かに ....
もしも、
ああ、もしも、ね
もしも願いが叶うなら
もしも、
ああ、
もしも許されるのなら、
今年のうちに

すべてを忘れてしまいたい

古い記憶から
あの日の寝室の記憶ま ....
失くしたものは
清らかな意地


血まみれで
無様で
嘲笑われ
下を向き
見つめたい
想いの力が幸せと
かつて信じて
強くあれ
そう
言い聞かせ
ただひとり
泣いたりする ....
粉雪が降って
誰もいない夜、

心の花を枯らした
おとなしい哀しみが
うつむく

林檎の木から
甘酸っぱい香りがする
幻想世界、
真っ新な空気が
喉の奥まで冷やしてくれる ....
美しいもの。

鉄塔のあいまからこぼれ落ちた夕暮れ、
逆光のなかに貌のない雑踏、
砂時計をころがす赤児、

美しいもの。それは指揮者のない調和、
影のない演奏の旋律。
開いた本の頁が
ほんのり茜に染まる頃
太陽は傾きながら爆発し続け
西空はやがて色彩渦の奔流となる
わたしは本から顔を上げ
地上の夕べの目眩く一瞬を
遠退く意識に刻み込む

夜闇が忍び込 ....
涼やかな風吹き抜けて
水辺のススキ銀に揺れ
水面に君の顔ゆらゆらと
浮かび消えては透き通る

まことに秋の時は行く
静かに確かに冬を呼び
幼いハリネズミの背に
指を乗せると
ハリネズミが言った
あなたの針は
おかしい
西の空が
赤銅色に燃え残り
薄暮が辺りを包む頃
俺は拳を握りしめ
一心不乱に進んでいく
胸の辺りに蟠る
抑えがたい不安感に
鼓動激しく息を継ぎ
夕闇の道を進んでいく

西の空が
 ....
流出する

網戸から ひんやり入って来る冷気のなかへ
私は流れ出し溶けていく
生きている 実感だけが鮮明に
意識をうっとり抱擁し
私は刹那 居なくなる

流出し続けるわたくしは、
自 ....
晩秋の日差しの中
庭先の洗濯物が
風に揺れた

わたしは黙っている

不安と静けさが同居する部屋で
神と向き合う

やがて平安に包まれるよう
愛に包まれるよう
ただ黙って待ち望む ....
ああ、こうしているあいだも

どこかの山脈は

星明かりにだけ照らされている

追い抜いたら歩をゆるめるひとの

かかとをなんとなく故意に蹴った

復讐みたいなことをされている
 ....
色画用紙をひろげて
影をうつす
木炭でなぞる
しばらく眺める
笑いがこみあげてくる
なんと へんなかたちなのだ
俺といふやつは
俺は笑つた
笑つて 笑つて
笑ひ尽くした
 ....
オヤジに土瓶蒸し、食べさせたかったなぁ、

って、思い入れたっぷりの言葉を聞いて、
オレも、そうだなぁ、と
しみじみと思ったよ。

って、
オレも食べたこと、ないじゃん。
 ....
終わりそうで
終わらない人生よ

しがみついて
よろけて 倒れても
下を向いても
終わらせたくなくて

また歩く

いつまで生きるのか
何処まで生きるのか

あきらめない
 ....
波、持ちあがり砕ける
持ちあがり砕ける、波
 
 わたしはいない どこにもいない

陸続と
波波
優しいケーブルがあって
ぼくに電気愛を教えてくれて
コネクターを集めるようになったんだ

優しい先生と不躾な仲間がいて
痛みと妬みと苦しみを中和するてだてを
覚えさせてくれたし

いつ ....
谷底から
這い上がって来る強風は
この山の頂きで
ぽそぽそと降る雪となる
郵便脚夫のこの俺は
向こうの国に郵便を
届けにこの山を
越えねばならない
いかにも陰気な顔をして
日に日に何 ....
足で漕ぐのは
オルガン
という名の舟

音符の旅
息でつなぐ
ときおり苦しくなって
とぎれる
生きていたという波の上
気配だけになった猫
ふんわり鍵盤の上を渡る

秋の日は
 ....
垂直尾翼より
右側にはたくさんの人々
左側にもたくさんの人々

まさか
右に傾けば戦争?

まさか
左に傾けば内乱?

何もなくても
毎日人は死んでいる

垂直尾翼より
右 ....
細胞の中で狂気は水棲生物の卵のように増殖を続けて、そのせいでこめかみの内側は微妙な痛みを覚え続けている、尖った爪の先が終始引っかかっているみたいな痛み―軽い痛みだけれど忌々しい、そんな―俺はい .... 父の夢を見た。
背広を着た元気な頃の姿を。

頭を撫でられて
何か言いたげに口元が動いても
声を聴くことは叶わない。

目覚めたら
今日は私の誕生日であることに
気が付いた。
日々 ....
妹がママになると判った日
母の手を取る彼女の傍らでは
今は亡き父が佇んでいた。

孫の誕生を共に喜び
元気で丈夫な子供に育つよう
そっと見守り続けているかのように。

私はほんの一瞬
 ....
光が充ちて来る
悪夢の奥から
光が充ちて来る

足場は崩れ
まさに死の淵
その時肩を揺すぶられ
目覚めて見れば顔が浮かぶ
灰色工員帽と蠢く闇
部屋の白壁が唐突に
無機質顕にのっぺら ....
瓦が白く光っている

烏が一羽とまっている

広がる朝の光の中を

烏と瓦が交わっている

互いの輪郭守りながら

光の海を泳いでいる
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大地- ひだかた ...自由詩1218-11-12
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