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ある休日の午後のこと、見覚えのない番号から電話がかかって来て、退屈に任せて出てみたら懐かしい人間からだった、もう二十年近く前かな、同じホームページサービスで知り合った男だった、お互いに詩を書いてい .... 新年 開けて、街 静か
枯れ葉サクサク踏む森も
川沿い遊歩道歩く人も
透明レンズの瓶底を
斜光に照らされ輝いて
無音無音、また無音
青く濃くなる天空を
見上げ私はベンチに座り
ゆったり ....
そう、
僕たちはいつも現場にいる
破片

最低の言葉遣いをする低脳だ

たとえ親が死んでも現場にいるし
無縁菩薩の教えなんてしらないし

5百ミリリットルのお茶が欲しいなんて
誰に ....
さだめなき世に
年古りて
なにひとつ
新しくもない
年がまたくる

十二月
三十一日
午後十一時
五十九分
五十と
五秒

冬の雨が
雪にかはり

廃屋の時計が ....
  旅


こころは
しらないうちに
旅に出る

笛のねに さそわれて
むかし 人びとがすんでゐた
海辺の村で
潮風にふかれてゐる

いつになつたら
かへつてくる ....
ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ

土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ

森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
片恋と
相思相愛は
たとえるならライスカレーとカレーライスくらいに
距離が離れてるのかな

片想いは一方的に直線を進んで
甘く切ない想いは線香花火のようで
儚い

両の想いは遅からず ....
僕の経営するさみしがり屋は年中無休だよ。
店先にちょこんと座り、君が来るのを待ってるよ。
樹間から
覗く冬晴れの青、
ふるふる震え
落ち葉舞い散るこの夕べ、
時はすっかり透き通り
遠い記憶を辿りいく

)何があったか
)細かいことは忘れちまったが
)ただ喜びと懐かしさだけ ....
青、
樹間に揺れ
白い巨鳥、
羽ばたいて
僕は行く
天に呑まれ

光の矢、光の矢!

蒼穹は割れ
漆黒の宇宙が唸っている
最近 鳥の鳴き声を聴きましたか
最近 波の打ち寄せる音を聴きましたか
最近 雑踏の喧騒を聴きましたか
最近 話し掛けてくれる人の声を聴きましたか

ぼくはどの音も聴いていません
聴いたのは ....
夜の入口にて
誰かと誰かが話している 

太陽が無限に没した後
地球という宝石箱はぶちまけられ

夜の入口にて
誰かと誰かが話している

蠢く闇に包まれて
密やかに、密やかに

 ....
よく気にくわないものがあれば
重いとかウザいとか
軽々しく口にする阿呆がいるが

生きていく上で
大抵のことは
重くてウザいものだ

それを覚えておかないと
いつかバチがあたるよ
 ....
パチンパチンと音がする
シュンシュン シュンシュン、音 響く

半端な冬の夜半過ぎ
黒ずみ弾ける二股鞘と
剥き出される真っ赤な種子
街灯に照らされアトランダムに
蒼い地面に撒き散らされ
 ....
巨大隕石が降り注ぎ

業火に焼かれ
砕けた岩に押し潰され
酸素を失い窒息し
彼らは滅びたのだという

破壊された星を包んだ
白い死の闇

長い眠りを経たのちに
再び芽吹くものがあ ....
荒波白波 眼底痛
堪え堪えて書いて書く
笑っておくれよ、地蔵虫
少しの集中で火を噴く目ん玉
だから書けるうちに刻み込む

生きているから痛いのさ?

そんな生半可な答えでは納得せぬ
 ....
目と鼻の先だからと油断しちゃいけない。
象の目と鼻の先って、結構なかなか遠いよ。
のんだくれ男とやさぐれ女
とぎすまされた場所にはそぐわない

だれも無関心のふりの都会で
新宿で乗り降りするほどの乗客

手を繋ぎたい天使が裏帳簿に記帳されて
探している煙草は違ったポケ ....
幸福を満載に積んだトラックも
ガタガタの悪路を走っていたら
荷台から落ちるよ
幸福は縛り付けておけないからさ

人は誰でもするよね

誰かと自分を比較したら
自分は幸せだって
でも
 ....
空疎な空をかかえながら、
掌のなかに空色を握っている。

機械仕掛けの古城に、
冬の点し灯が灯るのはいつのこと?

荒野に風は吹き曝しになって、
人々にマントを被らせる。

皆希望や ....
絵筆ではなく
言葉のペンでするスケッチ

現実からかけ離れた場所に椅子を置いて
そこに身を委ね
手には大学ノートではなく
スマホを持ってる

頭の中で思索を巡らしていたら
そこからみ ....
光に照らされ 透けて見える川底
流線型の魚影が うつくしい
フォーメーション

薄雲が川に陰りを与えると
失われた魚の影
代わりに現れたのは 鱗の煌めく魚たち

わたしは、だれとも 会 ....
まだ6時前だが
ぼくはカウンターのいちばん手前の椅子を引く

マスターが早かったね と言いながら
ぼくのアーリー・タイムスのボトルを出してくれ
磨かれたオン・ザ・ロック用のグラスがひとつカウ ....
くさかれて


くさかれて
 さきへさきへと
  かわりゆく
   れいわのさきへ
    てをのばすとき


きづいても
 つねにふたして
  ねむるよる
   のべのおも ....
くちのなかで飴玉転がし
立ち消えた、
甘酸っぱい感情を
想い返す


作られた梅の酸味は
さらに人工的な丸い味がする

冬は、寒いから、嫌いだ

死んだ人のことも
 ....
 原色の静けさの中ここは湖底。
 月光は青い輝きを紡ぐ糸のよう。
 黄色の象徴は何を思うか。
 息苦しく波打つ湖面に雨は降る。

 血潮に染まる感情の震え。
 息苦しさを抱える貴方が見 ....
零れる優しさの水滴に刺さる
雪風が頬を伝う
最後の嘘を纏った電車の発車音が
膝を殺める
指先が溶けそうな
熱風を吐き出す
初めて素直になれる恋を見つけていた
私と君の
一度きりの絶望の ....
灰の空、
カラスがカアカア鳴いてます

枯れ葉は落ちずに
枝に揺れ
終いの色を響かせて

遠く懐かし高曇り、
鉛の身体を引き摺って
今日も今日とて参ります






 ....
僕はいつも一度だけ改行をする。
その小さな段差に一人で座っている。
KEIKOさんは恵子さんと書くのに
幼少の頃から
けして恵まれては来なかった
らしい

とは言っても
個人の情報の漏洩はゆるされない時代
具体的な記述は避けられているから
確かめられな ....
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