サフランの香り涼しや夜のふち

扇風機にて線香花火ゆらす

弱い灯が近づくように見え自戒

弱いまま独り唱う君を愛す
　

死神に庇貸す雨の夕

鎌振りて振りて居りユリシーズ

誰しもか誰もがにテロメアよ

古時計首狩りのペンデュラム

主（あるじ）のみ刻きざむ夏館


＃実験的「五・五・五」五句シリーズ・其の四
　

午前五時オオカナダモはまだつぼみ

朝七時オオカナダモの白い花

午前五時月は糸月ツバメは一尾

午前五時朝日に輝く止まれ標識

朝日浴びて透明な糸を歩く蜘蛛

昼夜反転明日は職場だどうしよう

降交点目掛けて月が駆け下る

昨夜見た星はペガサスペルセウス

朝帰り猫とともに寝る夏の朝
　

大気圏光学現象コンテスト

虹コンペ審査員への一次試験

ミニトマトそのものはとても背が高い

アマサギの羽メノウ色ミニトマト

カサブランカ百合の花粉の油浸標本

カサブランカなぜかさばるか置き場所に
　

夏の女子トイレあふれるポトスのパトス

定型をも呑み込んでなお歌いたい

この風は百合が呼んだか揺れる蕊

型というどの型よりも深く律して

ハガレンと侑子さんの対価とドラえもん

拍に依らず寄りかからずに言葉たち

ミニトマトそのものはまるでミニじゃない

結晶が成るように句も生らせたい

薄雲をものともせずに夏の木星

拍も律もものともせずに万象開闢
　

海猫去ぬ糸断ち切れぬまま


＃実験的「六・九」俳句。
　

枯草生草混ぜ焼く目に沁む


＃実践的「四・四・四・四」俳句。
　

風強しブラックベリーいい日旅立ち

風強し十種雲形いい日旅立ち

風強し洗濯ものどもいい日旅立ち

風強しいつもの電車もいい日旅立ち

風強し百合の振り子も振り切れて

風強し欠けきれば日を隠す月
　

未舗装のまっすぐな道負けじ

水鏡の渡り雲踏みつける

落とし穴誰が為にマンホール

ブラジルの沖に出て穴深し

ヘラクレスオオカブトひょいと出て


＃実験的「五・五・五」五句シリーズ・其の三
　

かたつむり勝ててるつもりで殻の中

食堂はタベルナ星はアケルナル

天の川オオカナダモの白い花

ひと一人バケツプリンとオバケちゃん
　

生贄の玉虫ケフィア冬虫夏草
　

水族館 魚を見ているひとを見に来て

気をつけて増水期間の水族館

サムクラゲ何人分のプリンだろう

コティロリーザ チュチュすみれ色のバレリーナ
　

省エネのアートきどって墨流し

夏は夜月に群雲墨流し

蛍雪の功とげ玉虫色の富

虫愛ずる姫と玉虫姫の恋
　

感想の感想。読者に不親切、というのはああ、そうとも言うかと。
私は一読、分からなかったので作者氏の種明かしを聞いてみたいなと思っていました。二つが対というか続きになってるのかどうかも。ですので、一応、リクエスト。合評スレにならえば、作者氏のあれこれ発言はなしってことになるのでしょうけど。
でもって感想。墨流し省エネアートのほうは、素直に「会話だなぁ、わかんない会話だけど」って思いました。マーブリングとか検索かけて調べてみちゃったりして。
美女に玉虫のほうは、ええと、玉虫って昆虫のタマムシですよね。玉虫の厨子物語、等の。私この虫ってぶーんと飛んで来たところをひょいっと捕らえたらタマムシだったというのが初めての出会いだったので、うーん、美女のところにも飛んできたのか、うーん、ぶーんか、と･･･。
せっかく物思いしていた美女のほうもびっくりして目をしばたいちゃったのかもしれません。誰か想いびとの、あるいは何処かの男の魂、さらには仏様か何かの（失礼！）化身であるのかも。きれいな虫なので玉虫姫って女性の名前でもあったようですから美女自身の分身、っていうのもありですね。
　

>>657

自ら生贄を申し出たからには容赦なく生け贄になってもらいましょうｗ

まず、二句とも「読者にやさしくないなぁ」と思われる。
主体がどこにあるか、判別するのが難しい。
とりあえず二句目から、

＞もの思うまばたきする美女に玉虫

一読して「私」「あなた」「彼・彼女」その他が判別できない。
なので総当たり的に消去法で読解していくしかない。

（…読解過程は略す）

んで読解してみると、
「もの思いに耽っている美女であるあなたがまばたきしたら玉虫色に輝く涙の雫が零れた」といった情景描写に読める。
ならばなぜ「もの思いまばたきする美女の玉虫」とならなかったのかは、
おそらく作者は時間の流れを表したかったのだと考えられる。
しかしながら「もの思う」はおよそ抽象的に過ぎず、読者としてはいまひとつピンと来る物がない。「それは秘密よ」ってな感じは受けて取れるのだが、共感・同調は得られないと思われる。
「もの思う」の部分にはもう少し具体的な描写が欲しいところ。
さりとて「もの思う」にこだわるのであれば、この句の語を使って、

またたきす美女の玉虫もの思ふ

と文語にして入れ替えると少し面白くなるかもしれない。


次は一句目。
これは二句目を読解しないと意味が分からないので、二番目に回した。

＞墨流し省エネアートって有り？無いよ

二句目を踏まえれば、
「墨流し」の墨はアイシャドウもしくはアイラインのことであろう。
読解すれば、
あなた「涙によってお化粧が崩れていく塩水だけの『省エネアート』ってどうよ、アリ？」私「無いでしょ」
といったところだろうか。
これは実際の（と仮定する）会話を上手く俳句にしたという点で面白いかもしれないし、「省エネアート」なる語の発案も面白いが、五・七・五にこだわってしまった会話は少し面白みに欠ける。句意通りに詠み換えるならば、

墨流し省エネアートって有り？「無いっしょ。」
または
墨流し省エネアートって有り？「いや無いし。」

など、より現代的な会話っぽさを出したい。

またそれ以前に、返事そのものがウィットに欠けている感が否めない。
「あなた」の涙を流しそうになりながらのウィットに対して「私」は反射的に「無いよ」と答えるだけにとどまっている。「これが女性同士特有のやさしさなのだ」といえばそうなのかもしれないが、ここはさらなるウィットで返したい。

墨流し省エネアートって有り？「有るよ。」
墨流し省エネアートって有り？「アリだよ。」
墨流し省エネアートって有り？「やろうよ。」

など、ウィットで返せればなかなかの乙女だ。


…とまぁ、少し詠み換えたりしてみましたが、最初に述べたように少し読者にやさしくない。「これが乙女の恥じらいなのよ」と秘密っぽさを表現することには成功しているが、情景描写としては成功していないと思われる。

以上、生け贄にしてみましたｗ



＃追記。
＃「墨流し省エネアートって有り？無いよ」
＃文字数では五・九・五に見えるが実際の音数は五・七・五である。
＃誤解無きよう。
　

苦学して人道外れ墨流し

美女に瞬く珠玉の玉虫王
　

蛙鳴く匂いで梅雨も半ば過ぎ

テクノスケープに生命なきわけもなし
　

菌糸がな見えたんだ嘘じゃない

空に月影はなし菌糸あり

菌糸とて繋がれば碇なり

暮れなずむ帰り道菌糸のむ

菌糸すらスポイルや禁止ある


＃実験的「五・五・五」五句シリーズ・其の二
　

>>654
「秘密；真夏の湯水なり」だったら★をつけたかった…

＃追記、バレ句なのは分かっていました。面白い句だと思いました。
＃ゆえに「かな」よりも強い調子が欲しかったのです。
＃「づく」でもっと面白くなった☆
　

山ゆれる朝夕となく欠ける月



嫌悪感そらしてしばし雨宿り


テスト前夜と秘密のはずの秘密


ぐうたらのまま固まったイチゴゼリー


君と過ごした不運は梅雨に似てる


二人でもまだ欠けており雨夜月
　

赤薔薇は日に病まぬ般若面

白薔薇の立ち枯れしデスマスク

どこからも終末が始まらぬ

猫の蚤人も咬む焼き払う

垂乳根の紫陽花を藍に染む


＃実験的「五・五・五」五句シリーズ・其の一
　

蝋燭の皿まで食べよラプンツェル

砂時計塔を倒してラプンツェル

人類の謎その髪よラプンツェル

困ったら頼めばいいかラプンツェル

いずれ即身仏となりしラプンツェル
　

ひとすじを晴雨計に乞う金の髪

＃多少の違反･･･。目安「一度には十句まで」を三回で56句は果たして"多少"か･･･。
＃いつもお世話になっています。これからも宜しくお願いいたします。
　

#このスレは多少の違反なぞ気にしないでよろし。
#セクハラとか脅迫とかしない限りは。
#おお、ここは現フォで最初にセクハラ撲滅をうたった先進スレだったんだあ！
#俳句じゃないからsage
　

あさがおに釣瓶とられてラプンツェル
ろくろっくび幽体離脱ラプンツェル

その子二十櫛に流るるラプンツェル
マドモアゼル･ラプンツェルかじるプレッツェル

人魚姫の姉さま達の長い髪
12時のガラスの靴より長い長い髪

アルラウネ アラクネそしてラプンツェル
メデューサと鉢かつぎ姫とラグトーリンと

アリアドネ 絹糸それとも金の髪
アルフ･ライラ･ワ･ライラ語れよラプンツェル

＃ラプンツェル、引越ししました。すみません。
＃どしても萬草庵に持って来ておきたかったので。
　

あしびきのやまどりの尾のラプンツェル
夜目遠目ラプンツェル遠く塔の内

オンディーヌ海まで届く長い髪
黄金は髪にラインの乙女達

100年を髪は野ばらの壁の外まで
ラプンツェル 王子を漁どる100の方法

イラクサの上着にあみこむ金の髪
白鳥よ今年も彼女の霞み網

ラプンツェルのランプ彼女が灯台守
ありとあらゆるアニマ囚われておいで
　

ラプンツェル究極超人ラプンツェル
サイボーグ００くのいちラプンツェル

ラプンツェル魔女とロミオとジュリエット
ラプンツェル鳥啼き魚の目に泪

ラプンツェル チョコボのダンジョン塔の地下
ラプンツェル ニョロニョロの渡り遠く眺める

ラプンツェル髪系ポケモンどんな技？
ライチューの電撃に透き通る髪

ラップンツェル静かに静かに歌っておいで
ラプンツェル船が沈むよとても遠くで
　

昨日からくしゃみ連発ラプンツェル

#ラプンツェルスレになってしまったぜ
　

ラプンツェルその白髪の三千丈
蜘蛛の仔を風に散らせよラプンツェル

図書館の鍵をあげようラプンツェル
ラプンツェル「天文対話」とガラスを贈ろう

ベレニケの髪の毛あふれて銀河かな
塔の四季 巡る星 眠るラプンツェル

ラプンツェル夜明けのＥＯＳ投げかける曙光
ラプンツェル小鳥の巣材に髪を少し

行け！ジャック 待っているのは鵞鳥じゃないさ
ラプンツェルに見せたい色づく秋の森
　

十月はたそがれの国ラプンツェル
ラプンツェル霧笛に迷った竜がいる

ジャックイン サイバーガールズ「ラプンツェル」
方舟は海が割れてもロウが溶けても

近未来 軌道昇降機「ラプンツェル」
メーテルが囚われていた銀河鉄道

ラプンツェル金色の髪のシャンブロウ
胃の頭町のマドンナ ラプンツェル

おじいさんとおばあさんとラプンツルの恩返し
春日の釣果はいかにラプンツェル

＃ラプンツェルも食べただろうねラプンツェルを
＃幸くあれ君も子供も魔女も王子も
　

＃萬草庵いつも楽しませていただいています。
＃今朝もNo.639 貞子ラプンツェル、思わず笑ってしまいました。
＃上の一連は自由詩カテゴリーに投稿したものですがラプンツェル俳句です。御笑覧下さい。

ラプンツェル オオミズアオの繭を編む

ラプンツェル？塔を登れば美髯公

ラプンツェル オオミズアオの繭つむぐ

ラプンツェル赤兎馬に髪を靡かせて
　

髪切れば話は終わるラプンツェル

塔にうがつ穴ひとつありラプンツェル

魔女も恋をして当然さラプンツェル

盲いた王子を癒すなかれラプンツェル

子の髪はまめに切ること！ラプンツェル

イラクサのシャツを着なさいラプンツェル

月光を梯子になさいラプンツェル

永遠に十一歳のラプンツェル

老いた魔女と酒を飲もうぜラプンツェル




わたしはラプンツェルだった今は魔女をやっている
　

ラプンツェル三つ編みほどいて貞子

ラプンツェル梯子代わりで傷む髪

王子がこないラプンツェルもいるんだ

関羽の髭なんて目じゃないラプンツェル

薄青い花をつけるのラプンツェル

魔女はラプンツェルに話し相手になってほしかった

逢瀬のためラプンツェルは髪が好き

荒野に住むラプンツェルには髪が邪魔

子どもは男でも長髪ラプンツェル二号

王子もラプンツェルみたく髪伸ばす
　

ラプンツェル御前には過ぎた名前


ラプンツェル仔牛の命犠すように


ラプンツェル背い高のっぽの馬鹿としぬ


ラプンツェル瞳染む一面のルビー


ラプンツェルたったひとつ天からもらった


ラプンツェル引き裂かれる喜び


ラプンツェルラプンツェルラプンツェル


ラプンツェルラプンツェルラプンツェルラプンツェル
　

ラプンツェル三つ編み一つずつに野茨

ラプンツェル ヴェールのすそは月面に

纜を解くように嵐 ラプンツェル

長き午後 オオタニワタリとラプンツェル

星占いラプンツェル座とラプンツェル型

ラプンツェル ノアの洪水 蜘蛛の糸

ラプンツェル バベルの塔にて招くもの

バビロンの空中庭園ラプンツェル

漆黒の黒髪の桎梏ラプンツェル

ラプンツェル下駄と妖怪アンテナも似合う
　

日光眩しせめて北東へ歩き


授業中にリャマの横面ひとなで


呆れつつ逆恨む彼の頃のうた


カツカレーより旨いものおよそなし


だが食堂のオヤジの小盛りぶりよ


他に書く言葉なかったか中途採用


昨夜の合コンは混声二部合唱


上手く選ぶひとりじゃないひとりきり


声だして行こう愛しい弱いもの
　

朝虹そろそろ咲くかコビトの花


テスト前とりあえず部屋は整い


パフュームのＤＶＤを六周目


涼風さわわ動物のある静物


好きな人が疲れている五月晴れ
　

１０円が貸さないという五円玉

エコカーが通り過ぎて麦を刈る

好きな風麦わら帽子も追いかける
　

白きシャツ墨汁こぼしてホルスタイン
　

麦秋の野を断つ道をひた走る

いざ友よ麦秋の風を受胎せよ

麦秋と書きしその手が痙攣す
　

大気圏突入して超自我を濾過

ロッカーに夢300円で鍵リリース

椅子取りゲームヒトゲノムのＹのほう

＃※しりとりシリーズ。十句続けようと始めたところ、三句でもう飽きた。
　

新月をみせてくれろと泣く子かな
　

磁力線リコネクションそら飛んで行け
百万年前の熱核遊戯今降る

太陽は五分周期の変光星
ニュートリノ質量あっての軽やかさ

光あれ暗闇もあれビッグバン
星間風ヘリオ坊主の天気予報

セレスエリスハウメアマケマケ冥王星
二尾の天津キツネ汚れた雪だるま

古富士山現富士山と新富士山
銀河系メリー２.５億万年
　

避雷針導雷ひらりと飛来する
「アミノ酸あれ」海にそう言って陽が射した

燦々と散乱洞窟青を漉し盗る
フラミンゴ･スープ飲み干しフラミンゴピンク

マリンスノー下方彼方の北越雪譜
大循環陽の目も見ずに２万マイル

皆既食黒き太陽コロナ羽ばたく
午後の恐竜地球カレンダー閏秒

クロスニコル スライドガラスにグランドキャニオン
午後の恐竜地球カレンダー新年好
　

天上より放たれ、我が手に青虫

混同する苗まばらに植え笑う

平成元年から鍛えた指先

せっかく買ったシマリス哀愁漂う
　

罪深く大地割る紫陽花の欲


カイワレは我に貝は我々に割れ


愛おしむ玄関前の星の夜


宇宙は広がり我の恋の意味は


長々と喉鳴らす海越える句ら
　

紫陽花かまた来たか梅雨かもう咲くか

＃季重なり
　

ひとんちの家紋はやっぱり詠みにくい

江戸の世にこんな朝顔もあったとさ

めでたやなもしも金銀すなごなら

たれぱんだすあまを乗せて待ってるよ

ジャイアントパンダもおいで萬草庵

笹もまた常磐の緑いや重け吉事

＃笹の葉だ。ささ、ささ、ささ、あ。ささほうさ･･･。
　

夕方に天気は地獄へ落ちにけり
雨音に金魚は空まで泳ぎいる
雨ぽつぽつ私は一人ぽつねんと
　

そろそろ初夏なので背景変更。
九枚笹と申しましてうちの家紋です(いよいよネタが尽きてきたらしい
　

金持ちは５万だして古着買う
　

母の日に川面をながめる腹がへる
　

舌の根にできもの／猫も黙っている