2009 06/28 22:19
しろう
>>657
自ら生贄を申し出たからには容赦なく生け贄になってもらいましょうw
まず、二句とも「読者にやさしくないなぁ」と思われる。
主体がどこにあるか、判別するのが難しい。
とりあえず二句目から、
>もの思うまばたきする美女に玉虫
一読して「私」「あなた」「彼・彼女」その他が判別できない。
なので総当たり的に消去法で読解していくしかない。
(…読解過程は略す)
んで読解してみると、
「もの思いに耽っている美女であるあなたがまばたきしたら玉虫色に輝く涙の雫が零れた」といった情景描写に読める。
ならばなぜ「もの思いまばたきする美女の玉虫」とならなかったのかは、
おそらく作者は時間の流れを表したかったのだと考えられる。
しかしながら「もの思う」はおよそ抽象的に過ぎず、読者としてはいまひとつピンと来る物がない。「それは秘密よ」ってな感じは受けて取れるのだが、共感・同調は得られないと思われる。
「もの思う」の部分にはもう少し具体的な描写が欲しいところ。
さりとて「もの思う」にこだわるのであれば、この句の語を使って、
またたきす美女の玉虫もの思ふ
と文語にして入れ替えると少し面白くなるかもしれない。
次は一句目。
これは二句目を読解しないと意味が分からないので、二番目に回した。
>墨流し省エネアートって有り?無いよ
二句目を踏まえれば、
「墨流し」の墨はアイシャドウもしくはアイラインのことであろう。
読解すれば、
あなた「涙によってお化粧が崩れていく塩水だけの『省エネアート』ってどうよ、アリ?」私「無いでしょ」
といったところだろうか。
これは実際の(と仮定する)会話を上手く俳句にしたという点で面白いかもしれないし、「省エネアート」なる語の発案も面白いが、五・七・五にこだわってしまった会話は少し面白みに欠ける。句意通りに詠み換えるならば、
墨流し省エネアートって有り?「無いっしょ。」
または
墨流し省エネアートって有り?「いや無いし。」
など、より現代的な会話っぽさを出したい。
またそれ以前に、返事そのものがウィットに欠けている感が否めない。
「あなた」の涙を流しそうになりながらのウィットに対して「私」は反射的に「無いよ」と答えるだけにとどまっている。「これが女性同士特有のやさしさなのだ」といえばそうなのかもしれないが、ここはさらなるウィットで返したい。
墨流し省エネアートって有り?「有るよ。」
墨流し省エネアートって有り?「アリだよ。」
墨流し省エネアートって有り?「やろうよ。」
など、ウィットで返せればなかなかの乙女だ。
…とまぁ、少し詠み換えたりしてみましたが、最初に述べたように少し読者にやさしくない。「これが乙女の恥じらいなのよ」と秘密っぽさを表現することには成功しているが、情景描写としては成功していないと思われる。
以上、生け贄にしてみましたw
#追記。
#「墨流し省エネアートって有り?無いよ」
#文字数では五・九・五に見えるが実際の音数は五・七・五である。
#誤解無きよう。