すべてのおすすめ
誰かに遊ぶために作られ 飽きられて捨てられ
それが彼女に用意された運命
みんなから忘れ去られた彼女は
薄暗い物置にガラクタと一緒に押し込められていた
ある日 僕は彼女を見つける
埃を ....
アナタ トテモ ツカレチマッテ イル ラシイジャンカ
ユビノサキマデ シビレチマッテ イル ラシイジャンカ
ソレハ タイソウナァ クロウダァ クロウダァ
ソレヲ ダレカニ シッテモライタイッ ....
それは厳しい冬が終わり
春という文字が輝きを放ち
草も木も鳥も犬も
厳格な父も口うるさい母も
街行く人がすべて
やわらかい日差しの恵みを受けて
天国に近い場所でのことだった
....
人の道は
けしてますぐではなく
それでもえんえんと続き
忘れた頃に
ふと千切れたまま
二度とはじまらないだろう
だが
人と人との道は連なり
たまに交じる
そのときに呼吸の音が
深く ....
せっかく色がついたのに
わたしにお声がかからないので、
欲望ばかりが成長しました。
(隙が無いといけない模様、本にそう書いてありました)
なので大きく育ったこのセイヨクを
ぷちん と ....
事情をしらない猫はあくびする
歯車のなかでせいかつするぼくは
くだらないことで悩む
そんな僕に猫はひざにのって
あくびする
事情をしらない猫はえさをねだる
しがらみのなか ....
今日という日は
あなたにあたしを差し出す日
それだけのために今日という日がある
どこからでもどれだけでも
あたしをあなたの思うとおりにしてください
そのためにあたしは
もうどれくら ....
メモ帳を開けて
売り上げを認める。
肥大した大地で
クシャミしながら
朝来た道を辿るので
ギンガロン ギンガロン
はみ出し野郎が目を覚まし
冬の浜辺で貝殻を踏み砕く。
胸がないので
胸をください
ぴったりとこのおもいや
ことばがおさまるような
ひきだしのたくさんついた
おちついた形の
胸がほしいのです
ごめんなさい
たったいま売れてしまいまし ....
目が覚めたらベッドにいたと言う方が
目が覚めたら浴槽にいたと言うよりも
自然なように
あなたの微笑みは
驚異的に自然だ
あなたは別れを告げに来たんだ
というのが今朝の大発見
乾い ....
君との 日々は せつなくて君は 変わっていく 気配もなくて ただ あたまに よぎるのは ふたりで 探したちいさな アパート
そこで しあわせ に 暮らすのは とほうもなくて わたしは むかし ....
眠れないから仕方なしに詩を綴る
湧いては出てくる苦く不愉快な思い出
かき消す呪文は
どうでもいい
運が悪けりゃ死ぬだけさ
ほんの少し勇気を出せば
今の生活から抜け出せ ....
古い灯台が、
巨大な台風に、
朝から怯える。
仲良しのカモメは、
草陰に身を潜め、
じっと空腹を堪える。
雲は黒い塊となり、
人々を弄び、 ....
そいつに
名前をつけろ
祈りと祝福の
すべてをこめて
そいつに
名前をつけろ
そして
その名前を
口のなかで
いとおしむように
つぶやけ
その名前を
耳元で
....
ふと 目を上げると
天井に 音のない音が
漂っている
終わったお祭りの
ざわめく色を
見ているようでもある
何かが せきたててくるのだが
今は 動かされたくないので
お茶をいれ ....
薄暗い午後、
部屋の中にひとりでいると
不満、不安が沸いてきたので
十糸子のように
オレンジを買い、食べる事にいたします。
服を脱いで、リノリウムの床に座ってオレンジを掴む
ぼんやりと ....
一緒にご飯を食べようというから
着ていたコートも脱がずに
慌ててまた、路地へ出た
老夫婦のいとなむ定食屋では
旅の話をした
遠いところに旅に出たいとは思わない
今が旅だから
あなたは ....
昨日 男が欲しかった
非常に発情しているのがわかるの、”らん”は左側から排出されていてよ。
けれども赤く、流れてしまった
あなたが早く来ないから、流れてしまった
お会いできるの ....
風が通って行きます
窓を全開にして
玄関のドアを全開にして
冬の朝のすがすがしい風が
火照った頭を冷やしてくれます
ただそれだけのことなんですが
ただそれだけがうれしいん ....
ぼくが
みぎひざをいためたら
すかさず
ひだりひざをいためてみせる
ぼくが
あたまに
未破裂の動脈瘤をつくったら
すぐに
6センチの脳髄膜腫を
つくってみせる
きみの負けん ....
ほうむりさられた ことば
いしのへやのなかから
とつとつと とりあげて
いま ここで
ただ ならべる
ときと ひとと よる
みずは ながれる
あさは まだ
こない
あいは憎しみ
あいは憎しみ
やすらぎ
なんて誰が言った
とり憑いて
焼き払って
せかいが
すべて灰になるまで
もう
愛したりしないんだ
....
何事にも関わらず
こだわっていない、と言うのは嘘だ
それは自分を偽っている
それが真ならば、怒りと言う感情はありえないし
その怒りもその実歪曲された性欲だ
もう少しでキミに手が届く
・・・・・・・はずなのに。
つかんだと思ったら木の枝だった。
「孤独」
僕は孤独に気付いていない様で、
他人の言う孤独とは違う所について孤独に気付いており、
しかし僕が気付いていない所でやはり僕はしみったれた孤独なのだろう
枯葉の様な孤独 ....
僕の償いは 食器を洗うこと
僕の償いは お米を研ぐこと
僕の償いは 掃除機をかけること
僕の償いは 洗濯すること
僕の償いは 買い物に行くこと
僕の償いは ....
窓には柵が無いので 宵月の真ん中
を見ようとすると バランスが取れなくて
危うい
落ちるまで手を伸ばそうが 届かないから安心
幾夜に渡って一途に見つめても
月は降りてくれないから 代わり ....
雪に閉ざされて一人
燃える暖炉の前で
お人形を作るの
一つ
二つ
作り過ぎたら暖炉にくべて燃やすわ
ねっ いいでしょ
神様
淋しさの屋上に幽かな
夕焼けが照らし続ける赤い星
病んでしまった日記帳や
駅前の木々までも染め抜く
まだ朝早い空を見る
しんと冷えた空気をうけて
手先から足先まで肌に朝を行き渡らせる
ペダルを蹴って
まだ朝早い空の
紫の雲に朱が広がり染まるのを
日々異なる角度から瞳の奥に閉じ込めていく
....
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