まちあわせ
こしごえ




種は零れる
つゆの光る朝に
手紙を黙読する

ゆき場のない言葉を
ほほに風そう庭のお墓に埋めた
涙に黙礼をする

血筋を経た
自分が今ここにいることを
みつめれば
温もりが
冴え返る

星星の光り始めた
昔を
黙って
通った
ゆるい傾斜の果樹園の
深く厚い手紙は
しんなりと書かれた
円卓で
しっとりと読まれた
しめった暗さの
おさえ切れない
声のする
小さい小さい
銀河の

花が咲いて実る
惑星が自転している
しんしんとする 小径で
いなくなる
落ち合うために















自由詩 まちあわせ Copyright こしごえ 2013-12-29 17:36:53
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