埋没
佐々木妖精

ゴミ
おばあちゃんの黒電話
おじいちゃんの錆び鉈
遠いカレー屋のトッピング無料券
友達が残したワンカップへ花一輪
真っ赤に酔って潰れたマンサクの
             ゴミ

ゴミは勢いで捨てるに限る
助走が長いと捨てられない


愛すべきゴミに守られ生きている
この部屋は記憶そのもの


    ゴミ
だけれど
振り返った瞬間それが
全てが
あの日
帰り道で蹴飛ばした
ここまで連れてきてくれた空き缶
二度と出会うことのできない
かけがえのない存在だったことに
気づく

ありがとう
きみはもういない

      ゴミ



ふやけたペットボトルと
回収BOXでしっとりしてたら分別された
俺は燃えるようだ     


自由詩 埋没 Copyright 佐々木妖精 2007-11-26 22:39:26
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