テレビが湿っている
ただで人からもらった
のだから仕方がないけれど
水分をたっぷりと含み
少し軟らかい感じがする
付属のリモコンも
ただで人からもらったから
同じように湿って
チャンネ ....
 春五月、気持ちの善い日曜日、
昼食を食べ終わったわたしは街のヨガ教室に行く。

 ガムランが荘厳に鳴り響く部屋に、
クール・ビューティな痩身のヨガ講師が現れる。

ヨガ講師と共に正座して ....
鼻を打つといつも、
はながみさまがやって来る。
はながみさまは襤褸を着て手に薄紙を持っていて、
薄紙はごわごわの紙とぬわぬわの紙のふたつで、
わたしは何故かいつ ....
最初に雨を見たのは
ぼくだった

みんなはそのとき知らなかった
窓に一筋の雫が流れて
静かに落ちていったのを
最初に雨を見たのは
ぼくだった

風はなかったのかもしれない
ただ水が ....
限り無く空に近い
水平線の向こう側で
少女は空になる、と
言ったもんだから
 
僕は黙って
海に潜るしかなかった
 
 
何処までも青いだけ
そんなことはもう
ずっと前から知って ....
よく覚えていないが
知り合いの知り合いが盲いたそうだ

その機には親族が集い
里芋や菊の花を毟ったものを
軽々しくさっくりと揚げた

盲いた知り合いは油モノは苦手だったが
その日だけは ....
いまさら詩人になりたいなどと
言われたって遅い
きみのして来た事がきみの今だ
時間が過ぎれば何だって腐る
ロープだって約束だって


あの顔をまた見るようになった
自分でも忘れていた悪 ....
素晴らしい名曲を
聴くことは大切だけど
自分の歌を口ずさめば
それは生きている
たとえそれが
上手く歌えなくても
それは生きている
自分の意味が生きている

感動した言葉を
覚える ....
テレビの画面いっぱいに
モザイクがかかっている
娘は笑って見ているから
面白いアニメか何かなのだろう
低俗なものはきちんと排除され
僕らは安心を手に入れる
新聞の記事にもモザイクはかけられ ....
今夜
あの曲がり角の向こうには
たくさん星が落ちていた
親切な人が手を引くから
もつれそうになる足を
必死に動かして
自転車や空き缶
硬いゴミが浮かぶ
汚れた川の隣
破れたフェンスの ....
何回叩いても反応が無いドアの前で
一本だけ煙草吸う
全部が灰になる前に出てこなかったら
帰ろうと思う

疲れちまった
そんなに多くの季節を越えた訳でも無いけど
この階段も幾度となく昇り降 ....
ここに
銀色のエンジンがあればそれと

あと太陽の動きのような一時間半があれば

ぐるりを周りきれるほどのちいさな島
四方からの潮風にさらされ続けていて

そこで何本もの縄を編んではほ ....
擦り切れている背表紙を
後生大事に持ち歩く
付箋に躓くことを繰り返してしまった

左手には一束のシャレード
紐解いている間に
夏の森は
微笑や涙やトキメキを頬張って
色彩を奏ではじめて ....
残虐な貌も一瞬、穏やかな
蒼いヒヤシンスの花に埋もれ
ゼピュロスの風、//そして雷。
 ――ドドンガーガー!

くちづけをし、離れれば「死、
昼も夜なくつづく 愛撫の舌

首筋の、永い ....
瞳の湖には魚が住んでいる
普段はのん気に暮らしているが
ときどき湖が氾濫して
涙の滝となりそんな時には
湖から流れ落ちぬよう
人知れず遡上しているのだ
この事実は案外知られていない
つら ....
むかし、
いやなことがあったりすると
よく近所の公園の砂場に来た
 
いつも靴をぬいで
はだしになって
そっと 冷たい粒にふれた
 
ひんやりとして
きもちよくて
なんだか心が落ち ....
ちょうど今日のような能天気の日に、いつものようにシーラカンサス。
あいうえお、
あい、    ゆえに、

独禁法、レディースディと口走る軽薄な女、

コーカサスオオカブト、
視力検査で右 ....
あの町の夕暮れにはカレーの匂いが良く似合う
大体
二日目
ジャガイモが煮崩れてるぐらいで丁度良い

あの夕暮れの町には
人は流れていなくても
夕凪にてろてろとした
柔らかさが流れていて ....
小さい頃からお世話になっていた診療所には
セイコさんがいた

しなびた手のお年寄りで
診療所の奥で薬の調合をしたり
患者がいなくて暇な時は掃除をしたりしていた

小さい頃はよく風邪をひい ....
ことし

目を落とした

植え込みに

つつじ、つつじ汚れる

五年まえより

きょねん

気づいたときより

植え込みに

つつじ、つつじ汚れる
美しい交通事故でした
交差点での
高級車同士の
派手な
豪華な
品よく切れのよい
輝くばかりの
正面衝突

破片を頂いて参ります
貴方への
貴方のお母様への
貴方のお兄様への
 ....
友達が象を飼い始めたというので
見に行った

五匹の象がいた
大きいのや小さいの
ひとしきり眺めたり触ったりして
友達の手料理をご馳走になり
楽しく喋ったりもして
遅くなったし、そろそ ....
 いずれは誰にでも
 やってくる終わりのときを
 誰が教えてくれるわけでもないけれど


それはまるで
人生という山に積もる雪が
まさにその季節に向けて
静かに融けてゆくように
 ....
遠いところへ行く
だれもいない所へ
わたしという存在を
消すために

紫がかった夕暮れ
落ちていく太陽を
目で追う
暗闇が訪れた時
わたしは、無に帰る


砂の混ざった荒れ ....
はじめて春の木漏れ日をデッサンする人は
黒いスポーツキャップをかぶっている
背骨のひとつひとつが明瞭で
白い服をさらさらいわせ
にぎやかな空白に
筆をさしこむ

そしてパレットの虹は ....
        2007/04/29


            
郊外電車の
つりかわが
ぶらぶらと
ぶらさがる

丸い土俵に
手を下ろし
はっけよい
相撲力士は
たちあが ....
遠くの雲が寄ってくる
僕はそいつに親しみを覚える

心の中の気まぐれな破天荒は
あの雲のように
高くなったり
低くなったり
見えなくなったり


目を細め、濃淡の薄まった視界の中で ....
沈黙とは磁石のように引き寄せるもの―

 マグリットは間一髪のところでサンドイッチを掴み取った。
パンの耳がついていたことを記述しておく。それから電話の
ベルが止んだ。向こうから、ぼそぼそと声 ....
三十過ぎて 
忙しさを言い訳に 
すっかり運動不足の僕は 
最近腹筋をはじめた 

しばらく鍛えてなかったので 
体を起こすたび 
床から上がってしまう両足を 
しっかりと抑えてくれる ....
とんこつラーメン屋のにおいが 
真昼の生ぬるい風に運ばれる 
新宿の雑踏を歩いていたら 
ポルノ映画館の看板下で 
自転車に乗ったおばちゃんが転んだ 

どうしていいかわからずに
ぼくは ....
はらだまさるさんのおすすめリスト(2278)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
バケツ- たもつ自由詩1707-5-1
素晴らしきヨガ- 黒猫館館 ...自由詩207-5-1
「_はながみさま。_」- PULL.自由詩7*07-5-1
最初に雨を見た- ぽえむ君自由詩14*07-5-1
水平線の向こう側で- 山中 烏 ...自由詩1107-5-1
陽が沈むころ- 錯春自由詩407-4-30
創書日和「縁」_伏線- 大村 浩 ...自由詩7*07-4-30
自分の意味が生きている- ぽえむ君自由詩10*07-4-30
モザイク- たもつ自由詩3107-4-30
流星- さき自由詩507-4-30
螺旋階段はもう夏なのさ- 虹村 凌自由詩6*07-4-30
島_きょうかいせん- 水町綜助自由詩23*07-4-30
夏の鍵盤- 藤丘 香 ...自由詩42*07-4-30
春の嵐- atsuchan69自由詩5*07-4-30
遡上- 小川 葉自由詩7*07-4-30
原点(公園の片隅の、)- 倉持 雛自由詩1307-4-30
シーラカンサス- ひろっち自由詩4*07-4-29
夕暮れ町- ねなぎ自由詩607-4-29
セイコさん- ふるる自由詩13*07-4-29
つつじの汚れ- 吉岡ペペ ...自由詩207-4-29
- A-29自由詩2*07-4-29
象を飼う- ふるる自由詩907-4-29
名残雪- ベンジャ ...自由詩807-4-29
白の世界- 今田コボ自由詩7*07-4-29
春と夢を描くはなし- soft_machine自由詩13*07-4-29
トランポリン(改稿)- あおば自由詩4*07-4-29
ライトブルー- チグトセ自由詩5*07-4-29
水のないバスタブにサンドイッチを手にした男が座り込む- プテラノ ...自由詩5*07-4-29
風の声_- 服部 剛自由詩23*07-4-29
新宿小景_- 服部 剛自由詩8*07-4-29

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