黒・クロ・赤茶イロノ土・ネムル・光ガ射シコムアレハドコカラノ光ダロ
ウカ・眼ヲサマス・青イ泡・ぷりずむ・白ノ研究室ヨリワレハ旅立ツ・赤
茶イロノ土・燃エユク・赤ノホムラ・おー?ぁ・ホムラハ散逸シ地 ....
満月と星たちが次々と、深い海底に落下して、
水鏡には黒褐色だけが見える。
孤独になった空は雲を身篭って、
粉雪を定まらない海底に落としてゆく。
きのう、海辺の空を眺めて笑っていた僕は、
今日 ....
?
あなたは白い直線を引いてある水面です。
わたしは、赤い曲線を水面に描き込みました。
其 ....
21
アリストテレスと荘子の対話
アンデルセンとジェイムズ・ジョイスの対話
モーツァルトとフレディ・マーキュリーの対話
カフカと稲垣足穂とダリとガウディの対話
地球と月の対話
....
11
「地球は二酸化硅素の体を持った生物である
ことが最近になって判明した」と
夢の中で見たプラカードに書いてあった
地球が寝返りをうった 地球がくしゃみをした
その際に起こりう ....
1
「静かの海」に移り住んで五年
いつしかぼくは
ブロード・ビジョンに映される
地球の姿を見続けていた
何も入っていない写真立てを
そっと伏せる
ゆっくりと死んでいく巨 ....
こわれてもいいよって
ヒツジがさみしく笑った
夕方の風にのせて
少しなぐさめてあげたい
鉄棒の影が背中に届くと
校庭は静かに冷えていく
ハーモニカを吹く少女よ
クローバーは伏し目がち ....
とりあえず20年後か15年後ぐらいに総理大臣になろうと思う。
日本初の詩人兼総理大臣になる。
いま考えている公約としてはまず首相官邸をゼネコンとかでなく
日本全国の各市町村の腕利きの棟梁たちが集 ....
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある
前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした
「死んでやるー!」と何度 ....
みずうみに滑る風が微細な音を鳴らして、
朝は呼吸している。
絶え間ないひかりを厳かに招き入れて、
夜のしじまを洗い流す。
目覚める鳥の声の訪れと共にあらわれる、朝霧の眩さ。
真っ赤に湖面 ....
焼き払われて
焦土と化した故郷の村に還ってきた
いちめんの砂地に転がる骨のオブジェたち
あたしの家のあった場所に
炊煙があがったような気がして
駆けよってみると
テントのまぼろしの ....
降りるんだ
地上へ
見せかけじゃなく
水面下へ
沈むなら羽田沖
沈めるだけ
沈んで
10月は過ぎ
11月は過ぎ
手には
しなびた無花果
怒りが必要だ
チダマ ....
私らは 呼吸を しない
一匹の 呼吸が 惨殺された
誰からも 見放された
無学の ために
呼吸は 刺殺された
私らは 人工呼吸 によって
生きるために
一匹の 人間が 射殺された
....
毛羽立っているのも気にせずに
永遠に着古してしまいそうだから
新しいジャージを買ってあげよう
うんと肌触りのいいやつを
味付けの配分がわからなくなって
調理器の前でしかめ面をするので
....
今日コンビニのおつりでもらった
平成17年産まれの100円玉は
驚くほど輝いていた
昨日道端で拾った
昭和産まれの100円玉は
それが世の常だというように
薄汚れていて
....
呼ぶ声は誰のために
呼ぶ声は誰のために
遠くから来た人は家を建てた
終(ついえ)の住み処に
なるとは知らずに
往く人は誰のために
往く人は誰のために
墓碑に添えられたコップ
....
満天の振り子時計の催眠術 そしてあなたも地球を忘れ
寝る前に目覚まし時計を仕掛けなさい 冬眠なら苗床でしなさい
哲学者と詩人と恋人達のため囀り止まぬプラネタリウム
窓際の ....
君は言う
もっと愛して欲しいと
僕は
まとわりつくでもなく
突き放すでもなく
つかず 離れず
そこはかとなく
君を愛す
君は言う
あなたの夢はなんなんだと
僕は
....
闇夜に 嘶く
「そんな つもりじゃ
なかったんだ」
って、
言ってみたって
きのうまでのわたしを
簡単に
捨ててしまったんだ
いつのまにか ....
海上を突っ走るマリーノ超特急は
どこまでも青い廃虚やら波濤やらが
混じりあったりのたうちまわったりで
車輌の隙間から
夜が入りこんでくる頃には
俺もアンちゃんもいい加減しょっぱくなる。
....
カーマイン、スカーレットにマゼンタの三人の魔女空で焼かれた
瑠璃色の勿忘草はまみどりに染めたの白をあきらめたから
人魚にも羽はあったと焼け跡の肩甲骨をさわった指で
当たり ....
ガッツ星人にやられて
爆発炎上してしまったウィンダムに
ウルトラセブンは 別れのことば ひとつかけてやれなかった
次の瞬間には ウルトラセブンは闘っていたのだ
地球を侵略者の手から救う ....
青いものばかりあつめた僕達の歓声あおく響いた校舎
青色が好きな僕らは青色に好かれてもいる たとえば空の
上履きを脱いで廊下も授業中 ひたひた音楽ひんやり化学
教室で停電お ....
茶碗についた
食べ残された米粒のように
一人になって
通り雨が残していった
淡い湿気にたたずむカエルになる
きっと
この悩みが晴れようと晴れまいと
君が居ようと居まいと
....
岬の陸続きに密生する森には、たえず湿ったカーテンがかかっ
ていて、それが灯台の守りをするぼくらとの境界線だった。上
から下へ、あるいは奈落へ、数字のように降り注ぐ水のカーテ
ン。けしてぼくら ....
私は引きちぎられ 微かに残ったあなたに出会う
あなたは既に身体のほとんど失い
息はどうでしょう もう止まってるかもしれない
私は強引にけれど 結果的に私の望みどおりにあなたに触れる
....
夕立が無色透明装って世界の色を塗りかえていく
夏草で作りし花冠捧げればいろどり添える幼い香り
真夏にしか開かない扉見つけ出す触角のばせ跳ねる子供ら
縁側で午睡のさなか風鈴 ....
かくとは
どういうことだ
なまくらの安包丁
長く使い過ぎ
先がひん曲がって
薄肉を切るにも逸らされる
研石を買ってはみたが
いま切るのには役立たない
天井に匂いが立ちこ ....
+TATOOの悲しみ
水商売をもれなく売女と呼ぶ
その在庫表の端には
くたびれたドラえもんが描かれている
規則正しく働ける
抜け目ない線とスイッチの裏の
せわし ....
くらげはもう水みたくなって
やがて海になるだろう
溢れる 空想を両手にとって
きみは穴を掘っている
隣で海を耕しながら
私はそれらを見つめてあげる
....
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