ほどよく冷えた桃の
皮が剥けるのも
待ちきれない様子で
傾いでゆくあなたの
日焼けした首筋

滴る果汁か
それとも
戯れの残り香か
甘い匂いが
鼻腔の奥に絡んで
涙させる理由
 ....
時間のなかに棲む蟻が
別の時間を描いている
滴と傷をまたぎ
影を喰んでは歩む


曇が廻りつづけている
鳥と光が
光と鳥をくりかえし
曇の前をすぎてゆく


時間が ....
青の彼方に君は消えたんだ
僕は独り彷徨っている
赤の彼方に君は暮れたんだ
僕は病に平伏している

怯えて眠った
夢の中では其の顔を見せて
セージを燃やして眠るから

君の好きな匂いで ....
砂まじりの夕焼けが
河口の水面を鏡にして
車のクラクションまでが
赤方偏移すると

空がどこにあるのか
行方を見失ってしまい
だんだん宇宙になるその正体を
冷たく知ることになる

 ....
みどりいろに見えた空は
そりゃ当たり前みたいに青いわさ
そうやって
きかれりゃあ
そりゃあ

なんかいちまい
目に膜が
かかっとる
うすくて
透けとるのが

はがしてみやあ
 ....
息をひそめて
(葉も揺らさぬように)
焚き火が揺れる

煙の中でも煙草を吸う君は
跡形もない言葉のままで
髪先を星座に投げる

傷跡だけを残すために
遠くの峰でわき上がる
季節 ....
届かない、ところへ
ささやく
あきらめではなく
染め抜くように
静かに
いちばん遠い胸の奥で


  月夜をおぼえているかい?
  欠けた鏡のまぶしさではなく
  影の地平から昇っ ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
雨に吸い取られるように
街から見上げると
あしもとの同心円は
忘れてしまう
私ではないあちこちを中心に
広がる波紋の重なりで
まちは夏の終わりに濡れて
遠い港の潮臭いしぶきまで
思い起 ....
電話番号占いって知ってる?
って唐突の質問
教えてよっていえば
じゃあここに番号入れてと
携帯を差し出すあなた
結果はどう?って訊いたら
明日運命のひとから電話があります、だって。
 ....
 
 
やさしみの
さかなが
しずかに
みなもをおよぐ

やわらかな
さざなみは
しあわせなきおくを
みたそうとする

やきつくされたあさ
さいれんがなりひびく
しきはまた ....
 Quartz
 震えて
 終わりと
 始まりのないものを
 区切っていく
 切り刻んで
 数をあてる
 なにものとも
 名づけられない筈の
 私より薄くて
 鉄も
 昼夜をも含 ....
                07/08/27


易しいお刺身の作り方入門
元板前の9さんが考案して
活き作りに挑戦できるのだ
誰だって活き作りは冒険だ
お刺身は息の良さが建前だ
 ....
全て乾いて
回り続けた
車窓に滲んだレールの錆が
鵲の群尾に一つ文字を願い 回る
回って、それは
草みどり 瓦屋根
白熱灯と傘 老女の舌先
流れてゆくのは
車窓に滲んだレールの錆が ....
深夜
三時半過ぎ
とじた商店前の
歩道にはパンの固まりが落ちて
蟻が数え切れない
ボヤけた視線を落とせば
地面が動いているよう
川のように
列をなして
五つ
うねって
さまざまに ....
はさみ
兵藤ゆきより
大きなはさみを
買う
ポケットには入らないので
背負って
帰る
兵藤ゆきですら
背負ったことないのに
道が市街地に向かって
少し車で混んでる
子供の頃
兵 ....
白い 塗りかべの 建築や 小路を 抜けて

とまどいながら 最初の 一声が いまだ

はばたいている ように かぶさって いた

こちらがわの 無垢な 海砂の 地へ

いく ....
今日かぎり歌わじと思う心にはなにものもなしさらさらと水    積乱雲を夕刻に照らし
   今日の終わりの貌
   南南東に流れてゆく
   身代わりの月は
   時々かすみ
   雲よりも遠くで
   私を笑っている

またたく稲妻が呼ぶ
 ....
また、
また遡行していく

太陽が落ちない
360度の
上空を
周り続けていたような毎日
そんなころ
僕たちは
向日葵で
飽きもせず
追った

めくるめく
夏の息づかい
 ....
 DIVA




 響きのないところに唄は産まれ
  伝えようとしている。

 幾つかはこぼれ
  すでに無くなったのだとして、


 ひとつひとつ、
  朝日に撫でられて ....
薄く目を開き
ぼんやりと霞む
蛍光灯に
壁や
柱は
照らされて

土壁に
生まれた
生きた
死んだ生物の
擂りつぶれた亡骸が
ジッ と
燐光を放っては
塗り固められているの ....
馬でも風邪を引くらしい
何だかひと安心したりして

年末だったかな彼氏に連れていかれた
新宿南口の場外馬券売り場で見かけたのは
レースに夢中な父親とはぐれた幼い兄弟
通路に散乱する外れ馬券 ....
*いたるところにある給水塔/ちいさな/8月

たとえばこんな狭い
はしごで登る
四角い金網のうえで
果たしても
ぐるりをとりまく
空のもと
擦れすらもしない
僕ときみだったとして
 ....
耳元で囁くように
一番遠いところから
叫ぶように
声は、聞こえている
 
土の上に横たわった
私の頬に、そっと
それは静かに目を閉じながら
ひとつ
口付けを交わす
 
 
限り ....
夏は
山がすこし高くなる
祖父は麦藁帽子をとって頭をかいた


わしには何もないきに
あん山ば
おまえにやっとよ


そんな話を彼女にしたら
彼女の耳の中には海があると言った
 ....
駅ナカのカフェで一休み
こんな時は甘いもの欲しかったりして
ストレス解消だからと自分に言い訳

隣の席にはおんなのひとがふたり
何やら話し込んでいる

意味深そうな話
そして遠い世界の ....
10万人の名前を書き並べてみる



書き並べてみる

書き並べてみる





ただ、ただ、
帯のように
書き並べてみる


それぞれの名前
いろいろな名前

 ....
なみだというやつは
潤んで
ぷくりと膨らんだなら
ふるえ
映えたつめたい青色をくるりと丸めて
珠の中
ちいさな
とてもちいさな
気泡が
深海魚の呼吸音をたてる
ふたつ
もうひとつ ....
かんらん石を積む夢と
黒砂が舞い踊る夢を
秒針が殺したので
小指にてそれを折りました

ざあざあと鳴る
雨の音の降りしきる
信じ
終わり
嫌疑は流れず
淀み腐り異臭を奏で
雨の音 ....
はらだまさるさんのおすすめリスト(2277)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
八月のエピローグ- LEO自由詩16*07-9-11
午後と廻転_Ⅱ- 木立 悟自由詩507-9-11
sage- 000自由詩207-9-11
ユーリイ・シンドローム- たりぽん ...自由詩11*07-9-10
今日とか- 水町綜助自由詩907-9-7
晩夏の指先に- たりぽん ...自由詩8*07-9-6
忘れたくないから- たりぽん ...自由詩1107-9-6
日付を打たない手紙- 藤丘 香 ...自由詩63+*07-9-1
フランクリン・シンドローム- たりぽん ...自由詩16*07-8-30
魔法じゃなくて- たりぽん ...自由詩11*07-8-29
その海から(やさしみ)- たもつ自由詩40*07-8-28
Q- 水町綜助自由詩2407-8-27
やさしみ- あおば自由詩5*07-8-27
遠ざかる夏- soft_machine自由詩8+*07-8-26
あさがけ- 水町綜助自由詩307-8-26
はさみ- たもつ自由詩707-8-24
夏の終- モーヌ。自由詩10*07-8-24
今日かぎり・・・- 生田 稔短歌807-8-23
くうふうりん- たりぽん ...自由詩11*07-8-22
落ちない太陽から、逃げる- 水町綜助自由詩4*07-8-22
赤光- 石田 圭 ...自由詩2907-8-21
電燈- 水町綜助自由詩1007-8-20
明日の行方- 恋月 ぴ ...自由詩26*07-8-19
Re:- 水町綜助自由詩6*07-8-19
- 山中 烏 ...自由詩6*07-8-17
つくつくぼうし- yo-yo自由詩23*07-8-17
水辺のタトゥー- 恋月 ぴ ...自由詩15*07-8-17
君が名- わら自由詩20*07-8-15
なみだ- 水町綜助自由詩13*07-8-13
火曜日- 凛々椿自由詩1007-8-13

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