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降りしきる 
スコールみたいな哀しみを 
突き抜けてゆく 
Poetry

暴力の間に 
道を切り開く 
見えない力の 
Poetry

愛欲の沼に溺れ 
腐った{ルビ屑=くず} ....
三十過ぎて 
忙しさを言い訳に 
すっかり運動不足の僕は 
最近腹筋をはじめた 

しばらく鍛えてなかったので 
体を起こすたび 
床から上がってしまう両足を 
しっかりと抑えてくれる ....
とんこつラーメン屋のにおいが 
真昼の生ぬるい風に運ばれる 
新宿の雑踏を歩いていたら 
ポルノ映画館の看板下で 
自転車に乗ったおばちゃんが転んだ 

どうしていいかわからずに
ぼくは ....
 皆様今晩は。今日はあなたにとってどんな一日でしたか?僕は昨
日の日記で言い忘れたことがありました。昨日「サンジャックへの
道」を見た後に映画館を出ると、館内から出てきた見ず知らずの人
々が、映 ....
長い間 
独りの囚人は
牢獄の
冷たい石の床上で 
両腕を垂らし 
立ち尽くしていた 

弱い我が身を守ろうと 
幾人もの人を 
闇の底へ 
蹴落として来た 

背後の窓から  ....
開いた股の上で 
上下する{ルビ顎=あご} 
薫る黒髪の間から見上げる 
{ルビ女猫=めねこ}の瞳 

( にくが、唇に、すわれてゆく 

天井に
重なるふたりの影 

仰向けに横 ....
毎日ともに働く人が 
あれやって 
これやって 
と 
目の前に仕事をばらまくので 

わらったふりで 
腰を{ルビ屈=かが}めて 
せっせ せっせ と 
ひろってく 

そのう ....
植木鉢に身を{ルビ埋=うず}め 
体中に
針の刺さった 
裸の人形 

{ルビ腫=は}れ上がる両腕のまま 
{ルビ諸手=もろて}を上げて  
切り落とされた手首の先に咲く 
一輪の黄色 ....
「個人的なジコが起きたんだ」 
老人ホームの会議で夜遅くなった帰り道 
同僚は先日別れたばかりの
妻と子の話を切り出した 

涙を{ルビ堪=こら}えた瞳で手を上げた彼は
交差点を渡って 
 ....
喉が渇いたので 
駅のホームのキオスクで買った 
「苺ミルク」の蓋にストローを差し 
口に{ルビ銜=くわ}えて吸っていると 

隣に座る 
野球帽にジャージ姿のおじさんが 
じぃ〜っとこ ....
その人の瞳の内に 
永久の春が在り
遥かな昔から
桜の木が立っている 

冬の冷気を越え 
降りそそぐ春の日射し 
今にも開こうとする無数の蕾に 
こころは{ルビ軋=きし}む 

 ....
小学生の 
ガキ大将が子分に肩を組み 
「 お前はまだ{ルビ0=ゼロ}人前だ 」 
と言いながら 
目の前を通り過ぎていった 

大人になっても0人前のわたしは 
誰に肩を組まれるでもな ....
 僕は 詩 というものの縁で、幾人もの友と出逢ってきた。もう会
わない友もいれば、長い付き合いになるであろう友もいる。かけが
えのない友がいながらも、僕等は時に「ひとり」を感じてしまう。 
そ ....
コンビニのレジの後ろに 
「 迷子です 」 
と貼り紙のついた 
こどもの靴が置かれてた 

つまさきをそろえた 
寂しげな迷子の靴 
なぜかぼくの足にぴったりに思え 
後ろ髪を引かれ ....
灰色の壁に囲まれた
音の無い部屋

黒い衣を身に{ルビ纏=まと}い
「死」を決意した病の老女 
一点をみつめ 
椅子に腰かけている 

( 左手の薬指に今も{ルビ鈍=にぶ}く光る 
 ....
緑の葉を一枚 
唇に{ルビ銜=くわ}え 
言葉の無い唄を奏でる 

黒い影の姿で空を仰ぐ 
わたしのまわりが 
ひだまりとなるように 





  * この詩は「詩遊人たち」 ....
ひとりの少年が 
壁をつたうパイプの上を 
猿の手つきでのぼってる 

壁の頂で少年は 
( 見ざる・言わざる・聞かざる ) 
のおどけたそぶり 

次の瞬間 
頂から 
両腕ひろ ....
昨日は職場のおばさんの 
くどい{ルビ小言=こごと}に嫌気がさして 
かけがえのない他の人さえ 
土俵の外へうっちゃり 
しかめっ面でひとり相撲をしていた 

昨晩見た夢のなかで 
旧友 ....
だうな〜で 
仕事さぼった翌日に 
こころの{ルビ垢=あか}・{ルビ錆=さび}ふりはらい 
いつものバス停に向かう 

歩道の 
前を歩く女子高生 
突然ふりむき 
( すかーと ふわ ....
昨日 美術館で買った 
イタリア製のボールペン 

褐色の木に刻まれた 
( The Paper Pen ) 
なめらかな筆記体の文字 
金色に光る ペン先 と 頭 

「 さぁ、これ ....
 今日は休みだったので、十日位前から駅のポスターで見て行きた
いと思っていた「オルセー美術館」が催されている上野の東京都美
術館に行った。展示されていた詩情ある名画の数々は、やはり味わ
い深いも ....
夕暮れ 
いつもの通学路で少年は 
独り咲いている 
紅い花をみつけた 

家に帰り 
父と別れた母に話すと 
「 毎日水をおやりなさい 」 
と言うので、次の日から 
少年はいつも ....
昨夜の大雨で 
水{ルビ溜=たま}りに{ルビ浸=つ}かった靴に 
古新聞を丸めて入れる 

翌朝 
すべての水をすいこんだ 
古新聞を取り出し 

しめった重みを 
ごみ箱に捨てる  ....
嵐のあと 
歩道に{ルビ棄=す}てられた 
ぼろぼろなビニール傘 

雲間から射す日射しに 
一本だけ折れなかった 
細い背骨が光る 

あのような 
ひとすじの {ルビ芯=しん}  ....
丘の上の{ルビ叢=くさむら}に身を{ルビ埋=うず}め 
仰向けに寝そべると 
空は、一面の海 

宙を舞う 風 に波立つ 
幾重もの{ルビ小波=さざなみ}を西へ辿れば 
今日も変わらぬ陽は ....
昨日の仕事帰り、バスに乗る時に慌ててポケ
ットから財布を出した僕は、片方の手袋を落
としてしまったらしい。僕を乗せて発車した
バスを、冷えた歩道に取り残された片方の手
袋は、寂しいこころを声に ....
父と母と少年と 
3人家族に囲まれた 
座席の隅の窓際で 
車窓に流れる景色を見ていた 

( あいするひとにさられたばかりのわたしは
( すっかりかたもそげおちて 
( めのまえにみを ....
「 生れ落ちた その日から 
  へんちくりんなこのかおで 
  わたしはわたしを{ルビ演=や}ってきた 」 

という詩を老人ホームで朗読したら 
輪になった、お年寄りの顔がほころんだ。  ....
残業の仕事につかれて夜道を歩いていると、
遠い空の下にいる君の声が聞きたくなり、
携帯電話を持たない僕を、
闇に光る電話ボックスが声も無く呼んでいるようで、
僕は今夜もガラスのドアの中 ....
地下鉄の風に吹かれて 
灰色の階段を上がる 

地上に出る前に 
用を足そうと 
便所にゆく 

入口に 
「 只今清掃中 〜そっと入ってください〜 」 
という看板が立っており 
 ....
はらだまさるさんの服部 剛さんおすすめリスト(31)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
eden- 服部 剛自由詩8*07-6-27
風の声_- 服部 剛自由詩23*07-4-29
新宿小景_- 服部 剛自由詩8*07-4-29
詩友への手紙_〜私達は草原の旅人〜_- 服部 剛散文(批評 ...5*07-4-9
囚人- 服部 剛未詩・独白8*07-4-8
恍惚の部屋_- 服部 剛未詩・独白9*07-4-7
畑の道にうつむく人_- 服部 剛自由詩18*07-4-6
さぼてん_- 服部 剛自由詩12*07-4-1
青炎の花_- 服部 剛自由詩6*07-3-28
車内の隣人- 服部 剛自由詩33*07-3-25
「_桜_」_- 服部 剛自由詩16*07-3-23
雲の輪_- 服部 剛自由詩6*07-3-21
詩友への手紙_〜新宿にて〜_- 服部 剛散文(批評 ...10*07-3-19
「_迷子の靴_」_- 服部 剛自由詩13*07-3-18
「_椅子に座る老女_」_- 服部 剛自由詩7*07-3-16
口笛_- 服部 剛自由詩13*07-3-15
「_頂の猿_」_- 服部 剛自由詩907-3-13
弱者の拳_- 服部 剛自由詩15*07-3-13
まい・れぼりゅ〜しょん_ー僕の太陽ー__- 服部 剛自由詩12*07-3-10
「_お洒落なペン_」_- 服部 剛自由詩3*07-3-10
ゴッホとの対話〜オルセー美術館にて〜_- 服部 剛散文(批評 ...407-3-9
「_青い如雨露_」_〜薔薇と少年〜_- 服部 剛自由詩14*07-3-8
「_寺の仏像_」_- 服部 剛自由詩7*07-3-6
「_壊れた傘_」_- 服部 剛自由詩13*07-3-6
願いごと_- 服部 剛自由詩15*07-2-28
路上の手袋_- 服部 剛未詩・独白12*07-2-25
「_写真の女_」_- 服部 剛自由詩707-2-25
「_透明人間_」_- 服部 剛自由詩16*07-2-23
また一つ、愛が終わった。_- 服部 剛未詩・独白7*07-2-22
便所のかみさま_- 服部 剛自由詩1207-2-18

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