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かつての持ち主が言ったように―「長い旅になりそうだな。」と、
懐中時計が呟いた。そして歯車は相方を探しに出たっきり戻ってこなかった。
縫い物をする少女の手の中で秒針だけが動き続けた。
電線の仕組は分からない
とにかく君のことばかり考えてしまう
国道沿いの、看板のライトの下から見上げる
電線を。向こうの夜空も
僕は官舎にテレビを持ってきていない
新聞も、ラジオもない
....
沈黙とは磁石のように引き寄せるもの―
マグリットは間一髪のところでサンドイッチを掴み取った。
パンの耳がついていたことを記述しておく。それから電話の
ベルが止んだ。向こうから、ぼそぼそと声 ....
夕方、雨が降っていた。遠くの空は
燃えるように赤かった。その時、僕は
失われつつある詩の中で、電話ボックスに
駆け込み雨宿りをしているか、永遠に続く
右折渋滞の車内にいると思った。
しかし ....
真夜中だというのにその旧工場には
明かりがついている。次々にプレスされていく文字。
ここからじゃよく見ない。僕は玄関をでて
実際に見に行かなくちゃならない。
二階から、
木漏れ日が差し込む無人のロビーを眺める。
これがぼくの仕事なのだと言い聞かせながら。
それから退屈が巻き起こす余計なものに
飲み込まれる。書類にじっと目を通す。
窓の外からまぎれ ....
病院玄関前に
雨上がりの路上に
いちばん風が吹いていた
折れたアンテナが 屋上で
ひとりでに揺れていた
午前5時37分、街灯が消えた
ヒューズが飛ぶように
鳥が飛び立つ
宥めす ....
夕方、私達を驚かせたのは黒雲のような
ムク鳥の群れだった。電線の下を歩く際には
落ちてくる雷に気をつけなくちゃならない。
鳥達を驚か ....
工場群のライトが、夜霧に色を与えていた。
ぼくらを前に進ませたのは無意味な赤信号。
あるいは冬の固い道路の上で、軽自動車に
箱詰めで向かった、廃墟となった工場の屋上から
貯水タンクの上から見 ....
空港に立つ君は、ベルトコンベヤーに乗せられた自分の荷物を待つ間に
荷物検査官の男は、真っ黒な犬を連れた男と共に、
レントゲンに映る不気味なシルエットに眉をひそめ、床の上には
首輪を首に食い込ませ ....
気の向くままに屋根を突き破って、
固い床の上で、くるくると回り続ける隕石から
拡がる光が部屋の中を照らしている。
キキュロプスの瞳は、世紀末を迎えた
ミラーボールのようで、口から泡を吹 ....
春夏秋冬の地下へ戻っていく 盲人たちの楽団。
揺れる地面。マンホールの蓋が吹っ飛ぶんじゃないかと
塞いだままのぼくの耳。それを差し出せば、ひょっとしたら
立つことが許されるかもしれない―
....
はらだまさるさんのプテラノドンさんおすすめリスト
(12)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
僕の母親は縫い物と同じくらいに作り話が上手だった
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プテラノ ...
自由詩
5*
07-6-16
声のない夜
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プテラノ ...
自由詩
7*
07-5-21
水のないバスタブにサンドイッチを手にした男が座り込む
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プテラノ ...
自由詩
5*
07-4-29
Apr.set
-
プテラノ ...
自由詩
7*
07-4-7
[:spot
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プテラノ ...
自由詩
6*
07-4-6
出張
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プテラノ ...
自由詩
7*
07-3-31
/病院玄関
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プテラノ ...
自由詩
7*
07-3-10
ムクドリ
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プテラノ ...
自由詩
10*
07-3-4
バンドネオン
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プテラノ ...
自由詩
7*
07-2-25
エア・ポート
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プテラノ ...
自由詩
4*
06-12-29
キキュロプスの涙
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プテラノ ...
自由詩
4*
06-11-20
ワンダーグラウンド
-
プテラノ ...
自由詩
1*
06-8-21
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