5

ささやきとゆめとで満たされている

乳白色の匂いが駆け巡り
スカートの裾と共に影がゆれる

したたかに群れるとりどりの手足に
手招かれるのは
おなじ匂いをさせる 少女

 ....
一人暮らしの アパートに
大きな箱が とどいたよ

野菜 果物 地場産品
お米 お茶っ葉 お手紙と
意味不明なる ふるさとの
町の指定ゴミ袋

でも なによりも うれしいは
 ....
          2007/05/12



テレビの中にも
イースターエッグが飾られて
西欧の春のお祭りとして
楽しげに語られていて
季節の再生の喜びで
人々は笑顔ではち切れそ ....
あたしは あんたのことがきらいだと言う

たてじまのTシャツを着たあんたは 聞こえないふりをして
うすべったい腹を 時計まわりになでていた

あたしには なんの文句もない
いつもど ....
  翻る黒髪 目蓋打つ白き飛沫
  おののく好奇が船上を支配し
  まさに航跡に雪崩落ちようとするとき
  はるか前方
  絶えまなく湧き立つ海の回廊から
  ひとつの島影がせり上がる
  ....
地獄の沙汰どころか
こうやって生きているときから

あの人は言った

ひとと獣の違い
それは
困ったときに
頼れるものがあるかないか

思いとか信じるとかのことなの

そう尋 ....
若草色のスカートの金具が
押さえられた背中に擦れて
小さな傷をつくる
心地良く冷たい 磨かれた床は
父だったのに

眠ったふりをして
扉に向けた工作鋏を
両手できつく握り直した
桜色 ....
少し離れた
海のようなところを
目覚まし時計がひとつ
泳いで行きます
古い色のバス停で
返却期限の過ぎた図書を
二冊抱えたまま見送る
息継ぎだけが
わたしの動作でした
フロントガラスに映る
木漏れ日をなぞって
睡眠体勢をとる
 
外に出てしまうと
少し、汗ばむ陽気だけれど
一つ隔てた世界では
丁度良い感じだから
 
 
上昇気流に乗って
飛ばさ ....
ガードマンはハンコを押す
祝日だから
ビジネス街はひっそりとしている
八十八階の窓から山が見える
あの向こうで母は
病室の四角い空を見てるのだろう
雲という名前を失った雲は
やはり雲 ....
自分を表現する時は

中の下で

誰かを表現する時は

中の上で

きっとそれで

世の中まるく収まりますよ
灰に浮く花は崩れた春の迷彩

非植化物の黒い目をして這ってすすむ

風上を骨まで笑う羊飼い

槍たててみる砂場おなじモンゴルまで

無を紙で包んで馬の形にする

待ちびと来たらず鏡 ....
俺が愛したその女は
くすんだ赤のワンピースに
茶色に染めたロングのウェーブヘアーに
高級な黒のブーツを履いていた
俺が先に愛想をつかすと言い張ったその女はいったんだ

「今の方が楽だし、楽 ....
「ひかりの信号」




ぼくは星にいた
ひとりぼっちで
裏側には、うちがあって、
温かい家族は居て
それは幸福なことだと思うけど
何故だか
ぼくはひとり


たぶん
ほ ....
気がつくと体育座り闇の中 部屋の隅に溜まる溜息

あんなに膨らんで

片付けたいけど

片付ける道具が無いんだ

ここに来て何回溜息を吐いたろう

去年まで

あんなに楽しく感じたGWだって

今年 ....
車窓がくもって何者かが問いかける
移民の悲しみ似た淡くはかないものだ
いくつかの希望を抱いて死んでいった
若者の中の一つの宇宙だ

車窓がくもって見えていたものが歪む
ひときれのパンに空い ....
ド は ドカンのド
今日も元気にドカンを決めるぜ
昨日は電車の窓ガラスを突き破っちまった
ありゃー事故なんだ

レ は レッテルのレ
所謂「不良」のレッテルを貼られてる
まぁ勝手にしやが ....
浮き足立ってる。
たいして暑くもないのに
鼻の頭に汗をかいた。

くしゃっとあの人が笑ったとき、
私の世界は 一際輝く。
エベレーターの中で物思いに耽る
エベレーターとエスカレーターは
どうしてこんなにも名前が似ているんだろう、と
間違ってるのは
「ベ」と「スカ」の部分だけじゃないか
ベ…スカ…
暗号ではある ....
ただひとつ思い出を選べといわれたら
私はあの日を
傘をさした母と
手をつないで二人駄菓子屋まで歩いた日を
選ぶだろう

この世に完全な幸せがあるとしたら
きっとそんな遠い日の
小さ ....
どんなこと思って歩いてたのかなあ

すれ違ったひとびとと

なんかしらの交流はあったのかなあ


息子が泣きながら家に帰ってきたんだという

友達どうしの大喧嘩に怖くなったんだという ....
剥製が
目先に
横たわっている


艶消しの暗い壇に、一枚ガラス(宙の数分の一、水族館の水槽よりは厚手)を隔てる。甘やかな怒声が響く部屋。

後ろ隣の二人連れ(性別はふめい)は、「私も飼 ....
この街の何処かで
ステロイドの人形が
冷えた歌を奏でる時
 
私はきっと
あの、行きつけのカフェで
モカカプチーノを
ゆったりと
啜っている
 
 
帰宅途中の少女が
出かかっ ....
海に還る
手続きはいらない

横たわり
網膜を青で満たしたら
循環する感情を
濾過する

やがて
余分な手足は
抜け落ちて
流線型になる

心配するな
そのころには
陸な ....
リッコちゃんのお耳からおみずがでたので
リッコちゃんはじゃぐちをつけてもらいに耳鼻科へいきました

しょんぼりとして帰ってきました
どしたの、ときくと
「むらさきいろのじゃぐちがよかったのに ....
武器の名は『名刀山葵』
やまあおいでは無い わさび

攻撃力は3
耐久力が低く 火に弱い
非常食 可
付属効果 殺菌作用

魅力はその付属効果
敵の心から 邪悪な個所を消し去る

 ....
春の雨が
細く断続的に降る
風が吹いて
竹の葉が軽い音をたててはじく
雨の音は
こまやかに落ちる
しまい込んでいた
奥底の溝に

いつの間にか濡れる
銀色の針のようなしたたかな ....
白くてちいさなやつをカチカチしてやると
ちょうどまんなか辺のガラス窓から見える
同心円の模様がぐるぐるとまわりだす。
数秒間その動きが持続するのを確認してか
らそいつをガラスのテーブルの上に置 ....
朝、平日の朝

住宅街を歩いた

洗濯の匂いがした

ツツジが鼻先をかすめた

鳥が鳴いている

掃除機の音がする

新緑が風にゆれている


遠い記憶のようだ
はらだまさるさんのおすすめリスト(2278)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
スライド(抄)_5- 自由詩11*07-5-13
ホームシック- 小川 葉自由詩11*07-5-12
やわらかい肩- あおば自由詩17*07-5-12
記述- むらさき自由詩8*07-5-12
廃墟島へ- 月夜野自由詩7*07-5-11
- 恋月 ぴ ...自由詩29*07-5-11
- かや自由詩8*07-5-11
動作- たもつ自由詩1507-5-11
木漏れ日和- 山中 烏 ...自由詩17*07-5-11
ガードマン- yo-yo自由詩8*07-5-11
可もなく不可もなく- 優飛自由詩4*07-5-11
あくむ- 黒川排除 ...川柳707-5-11
bye-bye- maynard自由詩1*07-5-11
「ひかりの信号」- ソティロ自由詩8*07-5-11
孤独錐体感- ゼロスケ川柳207-5-11
今日思った事- テルテル ...自由詩3*07-5-11
行くあてのない列車に乗って- 村木正成自由詩1007-5-10
ドレミファソ羅死怒- 虹村 凌自由詩2*07-5-10
舞い上がれミルクバー- むくげ携帯写真+ ...607-5-10
エベレーターの中で- ピッピ自由詩907-5-10
幸せ- 美砂自由詩4*07-5-10
ホームシック- 吉岡ペペ ...自由詩307-5-10
百科博物館_改- ICE自由詩6*07-5-10
アナザーストーリー- 山中 烏 ...自由詩907-5-10
進化- 佐野権太携帯写真+ ...31*07-5-10
リッコちゃん- ふるる自由詩8*07-5-10
名刀山葵- 酸素の枷自由詩107-5-9
春の雨、森で- 九谷夏紀自由詩707-5-9
(無題)(ノート)- 青色銀河 ...未詩・独白507-5-9
- 吉岡ペペ ...自由詩307-5-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76