君がひっそりとやさしい人になる
誰も気づかないうちに
日が射して去っていくように
教室の片隅で
冷えた空気を少し弛ませて
小さな出来事だった
草の芽が最初に ....
見捨てられてしまった夢は
どこにも行く当てもないまま
下を向いて歩いていた
夢は希望を失ってしまったのだ
このまま消え果てゆく
そう思った
本来ならば夢は夢なのに
夢は夢をもてなくなった ....
駐輪場で鳩がむねを撃たれて
仰向けに休んでいる
白い翼をとじ
両足を揃えてたたみ
なにを見ているのか
つめたい檻の外へ
まばたきを急ぎながら
その心臓は重すぎる
あかをはき出し ....
「永遠に君は逃げてゆく」って部分を黒いテープでぐる
ぐる巻きにして「永■■■■■■てゆく」にした後、永
遠に逃げてゆく君を探し出して「永■■■■■■てゆく
」を手渡すと、黒いテープでぐるぐる巻き ....
昨日とは
違う答えを持って職員室
ぷぷっと笑われ
少し救われ
靴下の長さ限界ひっぱりあげ
ちっちゃな抵抗
ストレス発散
理解してくれぬと
反発していた 先生に ....
西日の{ルビ紅=くれない}に照らされた
誰もいない部屋の
あの日は永遠に暮れずに
私を傾きつづけて
太陽電池式腕時計の刻みつづける
秒針の先にひっかかっている
スープに影はささないでい ....
空っぽになったぼくの頭の中は
乾いた風しか吹いていなかった
それでも
どこからか歌が聞こえる
初めて耳にするそのメロディーは
どこか懐かしかった
空っぽの頭の中は
それだけで十分だった
....
暗闇に
四方を囲まれた
街を
少年は
ひたむきに駆ける
羽ばたきにも似た
その足音が木霊する
闇は
巨大な壁のように
しかし
実態を現さないまま
少年の
行く手に立ち塞がる ....
2007/02/28
キャシュメモリの上に
香具師の油をひいて
滑りやすくしたい
こけつまろびつするうちに
下向きの感性が
上昇するかと項垂れて
ご禁 ....
雨に唄えば、何かがころげおちてくるから、月を眺めてたんだ。
子供の頃、聴いてた愛しい人の声を探してるんだ。
雨の日は、ただ雨の匂いがするだけで濡れてもすぐに乾いた空気に肌を ....
流れてしまつた雲を追いかけて
防波堤を越えた、二人だけの流星を掴み
散りばめたあとの笑顔を見ましたら
それはもう、美しいとしかいい様のないほどに
ふたりの時間は流れていつたのでした。
ぎ ....
もうすぐ別れを告げるのどかな色合いに、笑顔が零れる。
嗚呼、
私のふるさとは美しい。
ゆるやかな浅い曲線
萌黄、山吹、薄紅、象牙、
さまざまな裳裾から覗くつまさき
光の紗の微笑
例えば
差し出された野性の腕
回る理由もわからないまま母体は回り
僕を孕み生み、落とした
知らないよこんなところは
なんだ、 この鉤裂きは
ある朝目を覚ました
父親が死んだ
ひとしきり遊んで帰った
....
?.
この絵、あんたにそっくりね
そういっておまえが笑った絵は
リオハのお城みたいなワイン美術館にあって
おまえが指差して笑った絵は
赤ん坊のバッカスが
ワインをラッパ ....
ぼくの
ひげをゆらして
風がすぎていきます
おだやかなはるの
やさしい風
今日ともだちと
たくさん遊んだ
とても
たのしかった
みんな
立派なネコになれるといいね
そらはいつも
....
{引用=木の芽を幾つ数えた頃に
木の芽を幾つ摘んだ日に
想い晴れないこの空で
幾度の晩を越したのか
ひとつ小さな結びの手
時には木漏れ日うたたね木
姿変われど弓張り月の
野原 ....
いつも通る道のある家の玄関に置かれた
手入れを忘れられたその花壇は
いつも泥みれだった
白い花が咲いているというのに
綺麗とは思われず
むしろその花の美しさが
汚さを目立たせていた
花の ....
歩幅はいつも貴方と同じ
優雅な大股の一歩がひそかな誇り
目線の先は遠くで交わる
そこはどこなの?か
知ったことかと笑いあい
そこにはいつ着く?の
予定なら未定とうそぶく
脚のコン ....
3月のつぼみをほどかぬよう
小さく軽くノックする
唇をつけるほどにのぞきこむ
私のこころ乱すほどその姿美しく
手の平で包んで奪い去ってしまいたいと言ったのなら
快活にあははと笑うだろう
君 ....
+ + + + + +
指先で 空中に 6 って 書くよ 機械みたいに すばやく 正確に
+ + + + + ....
見上げる空に
星は無い
町の空は
寂しさを忘れる為に
いつまでも いつまでも
見える範囲を
照らし続ける
照り続ける事が優しさで
見えなくなると
その優しさも届かなくなる
....
服の首もとから 手を入れられると
求められている気がした
頭の上に 重く 手をのせられると
愛されている気持ちになった
全ての行為が済んだ後
もう私は必要ないんだと思った
眠る ....
澱んだ町にいる
それは川底だっていい
俺は黒い汚らしい鯉の鱗でいい
どろりとしたみずのなかから輝く鏡の水面を覗く
そこに汚れた気泡を吐きちいさなとてもちいさな波紋だけを浮かべる ....
サテンの光沢まばゆく
風が雲の緞帳を翻すとき
ひととき白日夢に眩む
まだ蕾、とも呼べぬ小さな膨らみは
幼すぎて花の名前を知らない
その風の名残のなかで
わたしは繰り返される春を
....
透き通る石が相手なら
わたしの瞳もまもられそうで、
こころゆくまで
あずけて
うるむ
そんな夜には
ゆびも優しくなれるから
ゆめをすなおに飲み干して
爪は爪のまま
....
雨粒を
ゆるすしかなかったことが熱だった
ほんの
一握り、の
うばわれるものも無く
渡ってもらうことで
どこか安らいでただ濡れていた
それしかなかった、
雨だれに
ほそく ....
(また、お出かけなんだって、つまんない
保育園で唯一娘のことを
好き
と言って遊んでくれた友達は
先月突然、家庭の事情で引っ越してしまった
この町にも
あの町にも
ひしめく家並み
....
君と二人
笑顔で又
踊り合う
嬉しいな
ちょっとチュして
また踊るニヤつく
外は雨が降ってる
窓は曇りガラスで
いつもいつ寝たか
分らない毎日だが
毎日充実している
君は ....
{引用=
いいえ、あれは太陽ではなく
古びたシャンデリアの明かり
起立、
今日という善き日から逃げ出して
梟の首を廻す
大海原ではマストが立ち始め
皆が合図を待っている
黒い波 ....
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