やさしさと、            
  いつも呼んでいた
  傷つきやすいその心を
  やさしさだと、
  呼んでいたあなたの
  傷つきやすい心


  秋の終わりの
  ....
流星群は行ってしまった
銀の光の尾は思ったほどの残像を残さず
地に這うものと宙空の距離を
夜という名で引き離す

星が流れる
わたしは物語として知っている、
祈りのかたちで
手を胸 ....
霜葉ふむ皮のブーツの小気味よさこのままいつか見知らぬ冬に


窓ガラスくもる吐息にだまりこむ人のしぐさのその残酷さ


冬{ルビ薔薇=そうび}あかい棘さす指先の血のにじむ{ルビ孤悲=こい} ....
       1

十二月の眠れる月が、遅れてきた訃報に、
こわばった笑顔を見せて、
倣った白い手で、ぬれた黒髪を
乾いた空に、かきあげる。
見えるものが、切り分けられて――。
伏せられ ....
世界の権力! マクドナルド!
略称:マックあるいはマクド!
だって権力じゃないか
121もの国に店があって
たくさんの従業員がいて
そして何よりも俺たち庶民に親しまれている
これは立派な権 ....
通過電車が
高音の向こうに消え去り
どこまでも
正しいラインを描く傷跡のような
線路上の余韻を見やる


風と白線の内側に
残されたわたしは、ひとつの
丸められた ....
 虎になった
 黄色と黒で 都会のようで
 {ルビ四本=しほん}の足が 致命的で
 
 神秘と静寂のギリギリに
 透き通るように立ちつくす
 

 虎になった
 爪と牙が 怯えのよう ....
きっと、知らない町なんだと思う
不器用に建ち並ぶ、高層マンションに隠れている
ありふれた日常だとか、錆付いたマンホールの下から
伝わってくる、救いようのない虚しさだとか
見慣れた信号の色と形で ....
黄金!      1

漆黒の夜を裂いて、神楽の舞が、
寂びた神社の、仄暗い舞殿で、
しなやかな物腰を上げる。
右手は、鈴の艶やかな音色が、薫る。
あとを追う鳥のように、左手の扇子は、鈴と戯れる。 ....
 謹啓 Mr.チャボ様
 当フラワー団は本年九月の
 一日から末日まで
 「秋の七草キャンペーン」を開催いたします
 つきましては誠に勝手ながら
 キャンペーン期間中 貴方様への攻撃を
 ....
私の理想の女性は林家パー子です
見た目はおいといて理想です
自分のやることなすことを
中身はおいといていつも笑ってくれる
そんな人がそばにいたら世界はどんなに楽しいことでしょう
別に私はいつ ....
〜であるから、一番悪い一行を推敲したくないのです
脱字でも誤字でもいいから生かしておきたい
なぜなら完璧なものを書いたら
誰かを宇宙でたった一人ぼっちにしてしまう気がする〜
あなたの花開くようなお口へ
鈴の音の鳴る金のスプーンに
一さじの杏ジャムを載せて
含ませたいの 
とても穏やかな様子で
わたくしの はやる気持ちを隠して


柔らかな顎に そ と手 ....
この街にまだ雪は降らない
灰鼠色の空は浅い冬のまま
恋人たちの吐息や
ブランコを揺らす手に護られている


わたしの何処か深くにある黒いものや
寒い、と寂しい、が似ていること
それに気 ....
夜明けが ネピア

なんちゅぅ白

なんちゅいやらしさ


ネピア


ネピア







きみ
先っぽをちょんちょん拭くことなかれ






 ....
午後三時くらい 


その老人は看護婦たちのふとった尻に目くばせしながら
いつしか、二月の朝窓辺のちゃぶ台の上でゆれていた
みそ汁の湯気のことを考えていた

なれた手つきで鍋にうずをえが ....
チェーレ
君の長い睫毛から
真珠がこぼれる
チェーレ
あまりに無垢すぎて
僕はひとつもこぼさないよう
手のひらで受け止めようと


振り向きざま
君の髪がやさしくなびく
歌を歌っ ....
あたいは
いずれ其処にうずくまってうんこする
きばりつつ
横断歩道のむこう側を見て
たち尽くす

さっき立ち寄ったたわくわくコープで
オラウータンの顔をしたオフィスレディが
あたいと
 ....
マンションの鍵を開ける
左手にぶら下げた金魚
学校の友達と
お祭りに行ったんだ
金魚すくいでね
僕が取ったんだ
リビングの扉を開けると
ママはソファーで横になっていて
つまらなさそうに ....
私なりの扁桃腺のアール
を、愛でて。

鈍痛にあなた接吻するネ。

何も感じてないことないから。

明けるまで四時間。
明けてから八時間、私は

髪を切るような手つきで触れる陰茎に ....
人生を18きっぷで旅したい心はいつも青春のまま 窓際に
置かれた
書棚

その窓はすりガラスで
鉄線が格子状にガラスの中に張り巡らされている窓で
北側の壁にはめ込まれている

僕の腰ぐらいの高さの書棚の上には

郵便物用の ....
読みかけの雑誌を開いたまま あのひとが
透明なルリルになってしまった

笑みもそのまま ときめきもそのままに
ガラスのルリルになってしまった

うす青い 摩天楼の最上階
ここでは 音がこ ....
 めをふせたまま
 ぐったりしたきみ
 りかいできない
 あいことばをいって

 いちじくに
 のみこまれて
 こうこつとしたよる
 とぎすまされた

 でんとうのひもが
 する ....
生み落とされた
四畳半

明けの明星
宵の明星
明星チャルメラ
少し 太陽を見る。 ほらこんな風に
指と指で窓をつくる
その空間に映し出されるのは
きっといつか見た事のある
冷たく水を{ルビ湛=たた}えた青い空
耳をそばだてて そして
聞くのはなつかしい声
冬から冬へと ....
  1.永遠の序章

(総論)
一人の少女が白い股から、鮮血を流してゆく、
夕暮れに、
今日も一つの真珠を、老女は丁寧に外してゆく。
それは来るべき季節への練習として、
周到に用意されて ....
     ごめんねという言葉 のみ込んで
     ただ君の暮らしの一コマ 思い浮かべ
     何もしてあげられないこと 少しだけ恥じ
     あとはもう 口もきかずに
     別々の景 ....
はらだまさるさんのおすすめリスト(2278)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕暮れ組曲- 嘉野千尋自由詩20*06-12-19
祈りのとき- 銀猫自由詩25+*06-12-18
【短歌祭】見知らぬ冬- 石瀬琳々短歌19*06-12-18
廃船——夜明けのとき__デッサン- 前田ふむ ...自由詩29*06-12-16
世界の権力- 新守山ダ ...自由詩606-12-15
ラブレター- A道化自由詩1406-12-14
虎_(中島敦「山月記」のオマージュとして)- 藍静自由詩19*06-12-13
君に会いに行く- 青山スイ自由詩4906-12-11
いちょう- 馬野ミキ短歌906-12-10
蒼茫のとき—死の風景- 前田ふむ ...自由詩32*06-12-9
戦慄!怪人キキョウ男の野望(Mr.チャボ、戦士の休息)- 角田寿星自由詩1006-12-9
ぺーに嫉妬- 新守山ダ ...自由詩1006-12-9
詩論Ⅰ- 馬野ミキ散文(批評 ...506-12-8
ナイチンゲール- 千月 話 ...自由詩18*06-12-7
雪待ち草- 銀猫自由詩21*06-12-7
ものすごく好きだ、好きすぎる- SPINOZAETHIC ...自由詩5*06-12-7
常夫ちゃん- SPINOZAETHIC ...自由詩5*06-12-6
チェーレ_真珠の涙- 石瀬琳々自由詩14*06-12-5
ウメさん、告別式- SPINOZAETHIC ...自由詩6*06-12-5
少年と金魚- 青山スイ自由詩2606-12-5
売春譜- SPINOZAETHIC ...自由詩5*06-12-3
- 新守山ダ ...短歌406-12-2
スーパーノヴァ- 水町綜助自由詩8*06-12-2
透明なルリル- 藍静自由詩29*06-12-2
Hi-my_prutonium_Uran- SPINOZAETHIC ...自由詩3*06-12-2
落日- SPINOZAETHIC ...携帯写真+ ...206-12-2
破壊- 馬野ミキ短歌506-12-2
冬の窓- 石瀬琳々自由詩29*06-12-1
寂しい織物—四つの破片_デッサン- 前田ふむ ...自由詩42*06-11-30
ほんとうに_さようなら- 月夜野自由詩10*06-11-29

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