妹よ
なかがわひろか

母ちゃんは台所(だいどこ)飯を炊く
父ちゃんは精出し仕事する
祖父ちゃんの戯れ言聞き流し
祖母ちゃんよ天国で見てろ

嗚呼、宵や宵や
夜風よ冷たくて
何億光年先も見えそうさ
嗚呼、宵や宵や
並ぶ三つ星
兄ちゃんとお前とあと誰ぞ

妹よ、嗚呼
妹よ
お前より先に生まれただけ
お前にお兄と呼ばれるのは
少しこそばかったりもするのだ

嗚呼、宵や宵や
月夜は照らす
曖昧に暈けゆく秋暮れを
嗚呼、宵や宵や
人知れず
お兄も涙をこぼしているのだ

(「妹よ」)


自由詩 妹よ Copyright なかがわひろか 2006-12-03 00:56:46
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